やる気の二人とめんどくさがりな俺
翌日、昨日の鬱憤を晴らすために獣王国に
転移していた。
何故獣王国なのかと言うと、この国はダンジョンが沢山存在しており、国営ダンジョンがあるほどダンジョン産業に力を入れているので冒険者にとって人気の国なのであるが、
残念ながら冒険者登録は12歳からなので、俺は国営やギルドが管轄しているダンジョンに入ることはできないが、野良のダンジョンを
いくつか見つけたので、今日はその一つで、俺が無限回廊と名付けたダンジョンにやってきた。
「めっちゃ遠かったけど憂さ晴らしをするならやっぱり無限回廊に来るのが一番だからしょうがいよな。」
と愚痴を言いながらもダンジョンの中へと入っていくと早速アーミーアントの群れが来た。
「よっしゃ〜行くぜー」
俺は右手に剣を持って魔法付与をして、身体強化を使って群れに走って行った。
アーミーアントは平均レベル10から15程度であるがその数は群で約1万匹もいるのでひたすら狩りができ素材も美味しいと一石二鳥である上、レベル上げも出来ると素晴らしい魔物である。
「ヒャッハー!!皆殺しだー」
と世紀末に出てきそうなキャラのテンションでひたすら狩りをしていると通常より3倍位あるアントが出てきた。鑑定すると
名前 クイーンアント
レベル 25
アーミーアントの女王が出てきた。
「やったぜこいつは経験値が美味しいんだよね、喰らえインフェルノ!」
火属性上級魔法のひとつであるインフェルノをクイーンアントに喰らわせあたり一面を焼き尽くすと一度地上に戻り、食事をしてからまたダンジョンに潜り夕方のまでひたすらアントを狩り尽くした。
「結局二万位狩ったけど、半分は素材がだめになっちゃだけどいいか。そういえばステータスはどうなったか鑑定してみるか。」
名前 シリウス・アーロン
年齢 7歳
レベル 56
HP 9400
MP 27200
力 4600
耐久 3900
体力 5800
速さ 3300
気力 4600
魔力 24500
運 180
称号 転生者 魔導王 男爵家長男
スキル
全属性適正
魔法系
火魔法 水魔法 風魔法 土魔法 氷魔法
雷魔法 重力魔法 空間魔法 光魔法
闇魔法 回復魔法 並列魔法 結界魔法
転移魔法 索敵魔法 鑑定 隠蔽 無詠唱
アイテムボックス 魔力付与 高速詠唱
魔力回復
強化系
身体強化(強) 視力強化 魔闘法 気闘法
龍力闘法
技術系
剣術 槍術 弓術 計算術 礼儀作法
レベルが2も上がりだいぶ強くなったので暫くはレベル上げもやめて学園生活を楽しむことにした。
いつのまにか3年後
転生してから10年が経ち10歳になった俺は王都での学園生活も4年目に入り毎日充実した生活を送るようになっていた。
レベル上げもほどほどにして学生生活をメインにして友人達との交流もさかんにおこなっていった。前世のボッチ生活とはかけ離れた生活を送る中であの弟との関係にも進歩があった。何と弟が俺に決闘を申し込んできて俺がそれを受け弟を完膚なきまで返り討ちにしたためアイツの方から突っかかって来なくなったのである。
友人もサムやユリアとは別にブレイン伯爵家次女のコーデリアとその婚約者のロマノフ伯爵家長男のクリスとも友人となった。2人ともA組だが2年生の時にある研修で知り合い仲良くなった。
新学期当日、担任のギルバートから恒例の挨拶と注意事項が伝えられ終わりかと思ったら
最後に
「今年から対抗戦の選抜試合に参加することができるようになるから希望者は明後日までに、私の所に来るように!!」
と言って終わった。
俺は何のことだか知らなかったのでサムに聞いてみた。
「なぁサム!対抗戦って何?」
「ええー!シリウス君しらないの!対抗戦戦って言うのは5カ国それぞれの学園で選抜された10人がそれぞれ、武術戦と魔法戦そして
総合戦を各3人ずつが他国の生徒と試合して優勝を争う大会のことだよ。ちなみにうちは
3年連続3位で優勝は、10年以上ないよ。」
とサムが丁寧に教えてくれると今度はユリアが
「毎年開催されているけどシリウスが知らなかったのは多分、開催地が毎年違うからじゃ無いかな?」
「なるほどねぇ!それなら知らないはずだぁ
ちなみに今年はどこでやるの?」
「今年はこの国で開催されるのよ!!」
「へぇーそうなんだ!」
「だから選抜メンバーに入れるように頑張りたいよね。!!」
「私もこの日のために長期休みは、血の滲むような努力をしましたわ!」
2人から謎のオーラが出ているのを感じているとサムから
「シリウスは選抜試合に参加するの?」
「いいや?俺は参加しないよ!」
「そうだと思ったけどいいの?予選でも結構な規模で行われるから、アピールになるけど?」
と言っても俺が本気でやってしまったら多分圧勝しちゃうだろうし、俺が考えている家族へのざまぁのためにも実力を隠しとかないいけないので俺は
「2人で頑張ってくれ」
と言って帰ろうとすると、ユリアから
「それなら、シリウスには私たちのサポートをしてもらいましょうよ!いいでしょ?」
「それはありがたい!ぜひ頼むよシリウス」
「サポートって何をすればいいの?」
「4年生からは、申請すれば学校から仮冒険者カードが貰えるので、ダンジョンに挑めるようになるんだよ」
「マジで?」
「3日程度で貰えるからこれから申請しに行こう!」
「つまり俺は、2人と一緒にダンジョンに行けばいいんだよな?」
「さっすがー!その通り」
「でも俺は自慢じゃ無いけど大して強く無いぞ!」
「いいのよ!シリウスは冷静だし魔法も使え
るから後衛で指揮をしてほしいのよ。」
「わかったよ!やるだけやってやるよ。」
「それじゃ次の休みは、ダンジョン探索の準備をしましょう。必要なものを買いに行かなきゃだし、ギルド入って情報をもらいに行こう。」
「「オッケー」」
(2人はテンション爆上げでいるけど、王都にあるダンジョンは確か難易度が低いんじゃぁなかったかなぁ?)
早速、先生に申請のための書類を提出してそのまま寮の方に帰るとクロードとばったり出会った。
「久しぶりだね、シリウス!息災かな?」
「俺は相変わらずかな!クロードの方こそ元気か?なんだか疲れてるっぽいけど?」
「実は、このところダンジョンに行ったり来たりで余り休めてないんだよ。」
「なんだクロードもなのか?」
「もしかしてシリウスもダンジョンに?」
「まだだけど来週には、行くことになると思うよ!」
「それなら一緒に行かないか?」
「悪いな!先約がいるもんですまないが断わらせてくれ!」
「そっか!それならしょうがないよなぁー
待ってるからいつでも声をかけてくれ!」
「わかった!その時は声をかける」
「ああ!そうだった、シリウス君!レーガンと言う男には気をつけてね!それじゃぁまたな」
「またな!」
申請から7日が経ち、ついに仮冒険者カードができた。
「これが冒険者カードか!早速次の休みにギルドに行こうぜ!!」
サムはまるで子供のようにはしゃいでいる。
「私は今すぐにでも行きたいくらいだけど、楽しみにしとくは、2人とも準備しといてよね!」
ユリアもなんだかんだ言って楽しみなようだ
「2人とも今からそんなにやる気だと本番前につかれちまうぞ」
2人はやる気満々すぎて、休みの日までずっとダンジョンのことしか喋らなかった。