お披露目会
ひと月経ちいよいよ王都への出発の日がやってきた、このアーロン領から王都までは馬車で約2日の距離にあるのでそこそこのたびになりそうだ。ラノベだと途中で襲われている馬車とかを助けたりするものだけど現実はそんなことなかった。とてつもなく暇な時間が続くだけだった。
「こんなことなら本でも持ってくればよかった」
と後悔しているとレグルスがにやけながらこっちを見てきて、
「おいシリウス暇だから何かしろ!」
と言ってきた。
(「はぁ?」訳がわかんねんだけど何言ってんだよこのアホは。)
俺は心の中でめちゃくちゃムカついていたがなんとか表に出さないようにした。
もうこいつやだと思いながらいると2日目の夕方に王都についた。
王都をみて思わず「でけー」と言ってしまったことに我ながら田舎者の発言だなぁと我に帰ってから少し恥ずかしくなったが、隣から
「やべー、すげーでけー」と連呼するレグルスを見てあれが普通の子供の反応なのだと感心した。
王都にはアーロン家の屋敷がありそこに着くと父から明日のパーティーでの注意点と礼儀を軽く教わったが、めんどくさいなぁと思った事は言うまでもない。
いよいよパーティーの夜になった。
場所はなんと王城で今回は第3王子と第2王女もお披露目なので特別らしいと聞いて俺は思わずため息をついたなんでこんな面倒な時代に転生したんだと思いながら登城した。
城の警備は頑丈で2回の身体検査と本人確認をしてようやく会場に入ったらそれはまさに、漫画の世界のようなきらびあかなシャンデリアやオーケストラに絨毯などのまさに予想していた通りの光景だったがそれよりも
(すげー料理美味そう)
と思ってしまった。転生してもやっぱり俺は花より団子だと思いながら俺は料理を取り会場の隅で料理を食べながら会場にいる貴族たちを観察しているといきなり
「やあ、僕はエドヴァン公爵家長男クロード・エドヴァンと言うんだけど君一人かい」
とジャニーズJr.なみのイケメンに声かけられた。
「始めましてクロード様私はアーロン男爵家長男のシリウス・アーロンと申します」
とりあえず挨拶を交わす。
「そんなにかしこまらなくてもいいよ、同い年だしあまりかしこまられるとこっちも困るし、そうゆうの好きじゃないんだ」
「わかりました いやわかったよクロード、それならシリウスって呼んでくれ」
「ありがとうそう呼ばせてもらうよ。それよりシリウスはいいのかいほかの貴族に挨拶に行かなくて?」
「別に大丈夫だと思いますよ。父は俺より弟を跡取りにしたいようだし、俺も興味がないからむしろ今は料理の方がいいですね。」
「そ・そうかならばいいんだが、それよりさっきは何を見ていたんだ?」
「知りたい?」
「気になるし、教えて貰っても構わないかな?」
「 6:3:1 ですよ」
「??? それはなんの数字だい?」
「6は高位貴族に顔を覚えられようとしている低級貴族、3はそれに対して優越感に浸っている高位貴族、1は俺のように本当に興味のない貴族って感じかなもちろん俺の勝手な見解だけどね。」
「成程面白いね!シリウスはよく見てるなっとどうやら王族のご登場のようだぞ」
会場に入ってきたのは明らかに王様の様な30代位の人と金髪短髪の男子と銀髪長髪の女子が後から入ってきた。
「金髪の方が第3王子のエドワード様で銀髪の方は第2王女のステラ様だ。 挨拶も始まるし俺たちはそろそろいくからじゃあなシリウス」
「ああじゃあなクロード」
クロードたちはそのまま王族へ挨拶に行った。