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黒髪だからと罪を着せられ奴隷にされた『元ギルドの受付嬢』黒髪青年に助けられチート魔法で『冒険者』生活満喫中! その頃、元いたギルドは大混乱!  作者: なつきコイン


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第23話 夢の話1

「美春様、お暑くないですか?」

「そうね。今日は一段と暑いわね。真夏日になるかしら?」


 声をかけてきた女の子、御堂衣織さんが下敷きで私を扇いでくれます。


「職員室ではクーラーがはいってましたよ。先生方ばかりずるいですよね!」

 私のそばにいたもう一人の女の子、風間朱莉さんが、やはり下敷きで、パタパタと自分を扇ぎながら文句を言っています。


 あれ?確か私は、今日も、一昨日、昨日と引き続き、草原に薬草採取と狩の練習に向かったはず。

 そして、昨日できなかった「超音波振動カッター」でのイノシシの試し切りを行なって、首の骨までは断てませんでしたが、一撃でイノシシを仕留めたのです。

 それで結局、今日は、イノシシ三頭を含め、金貨二枚の稼ぎになり、このまま森に行かず、草原で狩をしていてもやっていけるわね。と思いながら眠りについたはず・・・。


 つまり、これは夢の中なのでしょう。

 どうも、子供の頃に見ていた「学園」の夢のようです。「学園」の夢を見るのは久しぶりです。いつ以来でしょうか?


「教室にもクーラーが有ればよろしいですのに」

「そうね。健康的に過ごすためにも必要かもしれないわね」

「そうだ!美春様。久千様に頼んで、教室にもクーラーを入れてもらってよ」


「久千のお爺さまにですか?そうですね。頼んでみましょうか・・・」


「美春さん、またそんな我儘言って!」

「あら、一橋さん?我儘ではなくてよ。日射病予防のためにも必要だと考えてのことよ」

 私たち三人の話を聞いて声をかけてきたのは、一橋陽真里さんと。


「日射病なんて、教室の中じゃかからないだろ?それに、暑さなんて気合いでどうにでもなるもんさ」

「そんなことないのですよ、万場さん。室内でも日射病になる可能性はありますのよ」

 この脳筋なのが、万場佳奈さんです。


「そもそも、日射病という名前で誤解されやすいですけど、日射病は太陽の陽射しだけが原因ではなく、気温や湿度、風などが複合的に」

「ああ!わかった!わかった!神薙は理屈っぽくて敵わないよ」

「神薙ではなく、久千ですわ」

「ああ、そうだったな、すまん」


 そう、私は中学まで「神薙」という名字でした。今は「久千」です。

 母の実家の「神薙」は、古くから神を祀る家系で、母はそこの巫女をしています。

 父は、財閥である「久千」の出で、婿養子でした。


 私は神薙のお爺さまから、「神薙」を継ぐべく、厳しく躾けられました。


 その中に、薙刀と弓道があったのですが、万場さんとはそこで出会いました。

 万場さんはその当時、自分に合ったものを見つけるため、あちこちのスポーツ教室や武道の道場などに体験入門されていました。

 弓道場で見かけた女の子が、薙刀の道場にもやってきたので、同年代ということもあり、お話をするようになりました。

 もっとも、万場さんがやりたかったのは、弓道でも薙刀でもなかったようで、一月もしないうちに会うこともなくなっていました。

 そんなこともあり、万場さんは私のことを「神薙」と呼んでしまったのです。


 話がそれましたが、神薙のお爺さまの厳しい躾を、父は気に入らなかったようです。

 よく、二人は言い争いをしていました。

 そして、ついに、父が私を連れて「神薙」を出てしまったのです。

 父は「久千」に戻り、私も「久千」を名乗るようになりました。


 ちなみに、まー兄さまは、父の兄の息子です。従兄弟のお兄さんになります。


「そういうことなら反対はしないけど。余り、お金にものを言わせるやり方は感心できないわ!」

 一橋さんの家も結構な財産家と聞きましたが、考え方は人それぞれですね。


「なら、どうしましょう。先生方に訴えますか?希望が通っても、クーラーが設置されるまでには三年以上かかると思いますよ」

「それは確かにそうですけど・・・」


「まあ、私も久千のお爺さまに無理矢理お願いする気はありません。

 生徒の健康のため、クーラーが必要か検討してもらえるようお伝えするに留めますね」


 一橋さんは困り顔です。私も一橋さんをやり込めたいわけではありません。この話はここまでにしましょう。


「えー。美春様、そこは無理言って直ぐ入れてもらいましょうよ!こんなに暑くちゃ眠れませんよ!」

「朱莉!美春様に無理言うんじゃありません!それに教室は寝る場所じゃありませんよ」


「そうね。寝るなら宿屋のベッドの上ね。でも、こんなに暑くては堪らないわ。やっぱり、クーラーは必要ですわね」

「ほら、衣織。美春様もクーラーが必要だって言ってるじゃない!」

「それは宿屋の話でしょ」

「宿屋ってミーヤさんのとこの・・・」


 段々と私の意識が薄れていきます。

 夢から覚めるのでしょう。


 そういえば教室の隅に、私達の他に、目立ちませんでしたが、男子生徒がいました。

 一人で本を読んでいたようでしたが、彼の名前は何だったでしょう。


 久しぶりに見た「学園」の夢は、なんとも懐かしいものでした。



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