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黒髪だからと罪を着せられ奴隷にされた『元ギルドの受付嬢』黒髪青年に助けられチート魔法で『冒険者』生活満喫中! その頃、元いたギルドは大混乱!  作者: なつきコイン


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第15話 お約束

 黒曜亭の部屋は、ベッド二つとサイドテーブルがあるだけで、他の家具が入るスペースもない狭い部屋でしたが、掃除はきちんと行われていて、小綺麗にされていました。


 翌日目覚めた私たちは、お互いのベッドに腰掛けたまま、今日の予定を話し合います。


「それで今日の予定はどうするんだい?いきなり魔獣を討伐しろと言われても、僕には難しいと思うんだけど・・・」

「そうでしょうね。今日は先ず、ギルドによってどんな依頼が出ているか確認してから、薬草の採取がいいと思うの。

 希少な薬草が取れる穴場の情報があるのよ!」

 勿論、ギルドの受付嬢をしていた時に冒険者から仕入れた情報です。


「穴場の情報ね・・・」

 マーサルは怪しげな表情で私の顔を見ます。


「ここの情報は、たまたま、少し古かっただけよ。結果として「猫耳メイド?」に会えたんだからいいじゃない!」

「薬草の情報が古くないことを切に願うよ――」


 今日の予定が決まったので、黒曜亭の狭いカウンターだけの食堂で朝食を食べます。


「おはようございます。昨晩はよく休めましたか?」

「おはよう。ああ、ぐっすりだったよ」

「おはようございます。問題なかったわ」


「今、朝食を出しますね。苦手なものとかありますか?」

「僕は特には」

「私も何でも大丈夫」


「わかりました。すぐお持ちしますね!」


 仕事に熱心なんだろうけどね。

 今まで、人に無視されて、放って置かれるのに慣れた私には、それがかえって煩わしく感じます。


「お待たせしました。朝食です。それとこれが頼まれていたお昼にお弁当です!」

「ありがとう」

「いただきます」


「あの・・・」

「まだ何か?」

「よかったら、また泊まってくださいね」


 それは今日の稼ぎ次第です。

 思ったほど稼げなければ、もっと宿のランクを下げなければなりません。


「お金が稼げれば今夜も来るよ」

 その辺はマーサルもわかっているようです。

「ありがとうございます。お待ちしていますね!」


 ミーヤさんに喜ばれて、マーサルは満更でもない顔です。本当にわかっているのか?


「いってらっしゃいませ!」


 朝食を食べ終えた後、満面の笑みのミーヤさんに見送られ、私たちはギルドへ向かいます。


 路地裏を抜け、大通りに出ると、朝から人が行き交い、活気に満ちています。


 食べ物の屋台も出ていて、美味しそうな匂いが漂っています。

 朝食は屋台でもよかったかもしれないなと思っていると、悲しそうなミーヤさんの顔が頭に浮かんできました。 

 別に、申し訳なく思う必要はないんだからね!

 自分で自分にツッコミを入れます。


 ギルドに着くと一階の掲示板で、張り出されている依頼や情報を確認します。


[黒髪の身元不明者の情報を求む]


 ここにも手配が回っています。


[有用な情報には、白金貨一枚]

[王都大教会]


 なにー。白金貨一枚?!


 思わず声をあげてしまいそうになりました。


 白金貨一枚ということは金貨百枚。

 私の受付嬢だった頃の年収の三年分強。


 しかも、依頼を出しているのは、王都大教会、つまり教会の本部。


 私は一体何をしでかしたのでしょう?


 暫し呆然としてしまいましたが、気を取り直して薬草採取に向かうべく、ギルドを出ようとすると、いかつい男性が声を掛けてきます。


「見かけない野郎だが新人か?」

「はい、昨日登録したばかりです」

 マーサルが律儀に返事をします。


「いい狩場を知ってるんだ。案内してやるよ!」


 ギルドあるあるです。

 新人冒険者に声を掛けて、案内料を取るつもりです。


 新人冒険者の教育にもなり、お互いが納得の上なら、それ自体悪い事ではないのですが、高額な案内料を請求したり、酷いと、高級な装備を奪ったり、可愛い女の子を襲ったりする奴もいますから、注意が必要です。


 私達の場合、高級な装備はありません。クラークから拝借した剣は、たいしたことのない普通の剣でしたので大丈夫です。

 可愛い女の子については、ちょっと心配ですが、相手がロリコンでなければ大丈夫でしょう。

 高額請求に関しては、お金がないので大丈夫といいたいところですが、マーサルの服はこの辺では見かけない高級そうな服です。

 最初に服屋によって、一般的な服を買っておくべきだったかもしれません。


 マーサルがどうしたものかと私の方を見てきます。


「私たちはこれから薬草を摘みに行くところなんです。薬草が生えているところの情報はもう買ったので間に合っています」

「ちっ。先を越されたか!!」

 男はそう捨て台詞を吐くと離れていきました。

 これで諦めてくれるといいのですが。


 私達は、ギルドを出ると、予定変更で服屋に向かいました。



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