表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒髪だからと罪を着せられ奴隷にされた『元ギルドの受付嬢』黒髪青年に助けられチート魔法で『冒険者』生活満喫中! その頃、元いたギルドは大混乱!  作者: なつきコイン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/55

第14話 宿屋

 新しいギルドカードを受け取り、私たちは冒険者ギルド王都本部から街に出ます。


「無事済んでよかったな。この後は宿を探すのか?」

「そうね。ただ、安くて、綺麗で、しかも、客のプライバシーに干渉しない、お勧めの宿の情報を知っているわ!」

「僕たちにとっては、あれこれ詮索されないのは大事だな」

「そうでしょう。ギルドの受付嬢をしていたから、そういった情報は詳しいのよ(エッヘン!)。こっちよ!」


 私はマーサルを引き連れ路地裏を進みます。


「随分と入り組んだところにあるんだな?」

「だから穴場なのよ。

 寡黙な獣人のマスターが一人で切り盛りしている宿で、こじんまりしていて、部屋は広くないけど、その分安くて、清潔感があるという話よ。

 人に煩わされずに、静かに過ごしたい時にもってこいなんだって」

「へー。それは期待できるな、って。聞き捨てならないことを聞いた気がするぞ!今、獣人のマスターって言ったか?」

「言ったわね」

「この国には獣人がいるのか?」

「いるわよ。日本にはいなかったの?」

 そういえば、夢の中にはヒト以外出てきませんでした。


「そうか、獣人がいるのか。もしかして、エルフやドワーフもいるのかな・・・」

「勿論いるわよ。私もエルフの血が混じっているし」

 私は、少し尖った耳をマーサルに見せます。


「ミハルはエルフだったのか?!」

「少し血が混じっているだけよ。本物のエルフは金髪で耳がもっと長いわ」

「そうか、金髪なのか。見てみたいな・・・」

「マーサルはエルフ好きなの?そのうち見る機会もあると思うわよ」

「エルフも見てみたいけど、獣耳も見てみたいな。猫耳メイドなんて最高じゃないかな!」


「マーサルにそんな趣味があるとは思わなかったわ。一緒にいるのを考え直そうかしら・・・」

「あ、心配しないで、一番の「萌」は妹だから。そのために、クールなお兄さんを貫き通すよ!」

「貫き通せてないから!それより「モエ」って何よ?!」


 これ以降、私はマーサルを蔑むような瞳で見ることが多くなりました。


 そして、しばらく進むと、ありました。「黒曜亭」それが目的の宿の名前です。


「マーサル。ありました。ここが探していた宿「黒曜亭」です」

「ここか、確かにこじんまりしていて、・・・。薄汚れているな」

「そ、そうですね・・・。でも、ほら、中は綺麗なんですよ。きっと!」

「ならいいけど、とりあえず、入ってみるか」


 私たちは黒曜亭の扉を開けて中に入ります。


「中は奇麗・・・。とは言い難いな」

「きっと部屋の中は・・・」

 私も二の句が継げません。


「どうする?他を探す?」

「そうだな、折角来たけど」

「いらっしゃい!お泊まりですか?」

 引き返そうとしたら、元気な女の子の声がしました。


「お兄さんたち、どこから来たんですか?!観光ですか?!二人は恋人同士ですか?!もしかして、新婚旅行だったりしてー!だったらサービスしちゃいますよ!!あ、私はミーヤといいます。よろしくお願いしますね!」

「ね、猫耳メイド!!」


 出迎えてくれたのは、猫の獣人の女の子でした。

 どこが、寡黙な獣人のマスターなのでしょうか?

 どこが、客のプライバシーに干渉しないのでしょうか?

 どこが、静かに過ごすのにもってこいなのでしょうか?


「ごめんなさい。場所を間違えたようで・・・」

「えー。泊まっていってくれないのですか?」

「いや、ミハル、ここにしよう!!」

「マーサル。さっきと言ってること違うじゃないですか?」

「そんなことないさ。(猫耳メイド最高)」

「心の声が漏れてるわよ!」


 結局マーサルの強い希望もあり、私たちは黒曜亭に宿をとることになりました。

 情報通り料金が安かったことだけがせめてもの救いです。


 話を聞いてみると、寡黙な獣人のマスターは歳のせいで、宿を続けていくのが厳しくなり、最近、同じ獣人の伝手でミーヤさんが後を引き継いだそうです。

 その際、宿の購入資金として、多額の借金をしているので、一人でも多く客を繋ぎ止めるために、客のニーズを調べ、サービスを尽くしているそうです。


 そう聞かされると、客商売としてやっていることは理解できるのですが。肝心の客のニーズが「ほっといて欲しい」なのですから、空回りもいいところだと思います。


 私たちには必要以上のサービスはいらないと、念を押したら、ミーヤさんはなんだかしょげ返っていました。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ