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掌編

赤とんぼ

作者: 高石すず音

Kobito様主催「ほっこり童話集」企画への参加作品です。

夏の終わり、僕は山を下りた。


彼岸花の上で休んでいると、人間の男の子がやって来た。


こっちを向いて、指をくるくる回している。


僕は男の子の指にとまった。


次の瞬間。僕は足を掴まれて、虫かごに入れられてしまった。


***


家に着いて暫くすると、男の子が泣きべそをかいていた。


さっきはあんなに嬉しそうだったのに、どうしたのかな。


僕もちょっと疲れたな。お腹が空いたな。仲間に会いたいな……。


そんなことを考えながら、僕は眠ってしまった。


***


虫かごが揺れている。


心地よい風。

川面のきらめき。

男の子とお父さん、ふたつの影。


虫かごの天井が開く。

見覚えのある、ふっくらとした手が僕を元の世界に戻してくれた。


(ありがとう、またね)


僕の眼に、少しだけ大人になった男の子が映っていた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] とっても素敵なお話でした! 男の子が翅を持たなくて良かったです。自分は翅を持ってしまうから……。 心があたたかくなるお話、有り難うございました♪
[良い点] 企画よりお邪魔します♪ とっても秋を感じるすてきなお話ですね。 小さな頃は虫を捕まえた喜びで虫かごに入れますが、やはり虫たちには世界が狭すぎて、生きることは難しいですものね。 ふっくらし…
[良い点] ステキなお話ですね。 トンボ目線とは新しい。 ほっこらします。 [一言] 企画から参りました!
感想一覧
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