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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

後期から大学に行くことになった女の子に、すぐに美人彼女ができてしまうお話

作者: しゆゆ

思い付きの、短めのお話です。

「あぁぁぁぁぁ…大学行くのめんどくさ…。別に後期もオンラインで良いじゃん…。」



新型コロナウイルスが世界的大流行した結果、ほとんどの大学では、前期はオンライン授業が行われるようになった。

しかし、日本ではなんだかんだ流行が過ぎて、後期から大学での対面授業が行われる学校が増えたのだった。




そして、私の行っている大学も、後期から一部の授業で、対面授業が行われる。まあ、行っているって言っても、説明会とかの数回だけですけどね。



Twitterとかを見ていると、世の中には大学に行きたがっている学生が多いらしい。特に、今年入学した1回生とか。

でも、私には一切理解できない。私も今年入学したばかりだけど、学校に行くのがひっじょうにめんどい。

何がそんなに嫌かというと…。



「なんで動画だと30分前後で終わる講義を、わざわざ学校に行って、90分も受けないといけないの?考える時間とかが無駄に多すぎるんじゃない?どうせ、先生たちが話しているうちに、授業に関係ないどうでもいいことを話し始めて、無駄に時間を使うんだよ。

それに、2倍速に出来ないから、話すスピードも遅いだろうし、一時停止も出来ない。分からないことをスマホで調べたりも出来ないしね。

どうせ単位が貰えるなら、今のままでいいんだけど。」



はぁ、どうしても対面授業に魅力を感じない。大学だって、将来生きていくために、大卒っていうブランドを手に入れるためだけに行くわけだし、好きで行くわけじゃない。



友達や親には、大学で友達や恋人が出来るかもしれないとか、新しくしたいことが見つかるとか、人生にとって必要な経験だとか言われた。でも正直、無理矢理大学の魅力を探しだして言っている、妄言にしか聞こえない。



「あー、なんか面白いこと無いかなぁ。ちょっとでも何かがあれば、学校に行きたくなるかもしれないのに。

今のところ、この半年ぐらいの自堕落生活の方が、確実に魅力的だったんだけど。」



1月末には学年末テストを終え、2月は数回の登校日と卒業式だけ。それ以外はずっと自由だった4月までの期間。

そして、コロナによる自粛期間に、オンライン授業を受ける生活。そして、前期が終わってからの1ヶ月ぐらいの自由な期間。

この半年間は、すごく自由だった。


2月には、車の教習を半月ほどに詰め込んで、一気に免許を取った。そして4月までは、家にある100冊以上のラノベや漫画を読み直し、小説を書いたり、絵を描いたり、ゲームをしたりと、したいことをいっぱいやった。


人間は時間があるときほど、新しいことに手を出すんだなぁと学べた、良い時間だった。

あぁ、半年前に戻りたい。



「うっわ、もうこんな時間じゃん。明日来ていく服でも選んで、寝るかぁ…。」



時刻は23時30分。そろそろ寝ないと、明日が辛い。既に辛いけどね。









私の家から大学へは、電車で15分ほど。急行でたった2駅だけ。

でも、時間が時間だから、人が多い。

初めてこの時間に電車に乗るけど…帰りたいなぁ。


私の最寄り駅は、乗り降りがよく行われる駅で、既にホームには人がいっぱいいる。

私は列の最前列に並んでるけど、後ろには何人も並んでいる。



9月といってもまだ暑いのに、人が密集しているから余計に暑い。

マスクをしているから、余計に汗が出てくる。

幸い、私は化粧をしていないからメイクが崩れたりしないけど、してる人は大変だろうなぁ…。



「お、電車が来た。…うっわぁ。」



電車が徐々にスピードを落としながら、ホームに入ってくる。

私の前を、何両か通ったけど、どこもそこそこに満員だった。


電車が止まり、ドアが開くと、中から人が流れ出てきた。

ついでに熱気も出てきた。


もうやだ、乗りたくない。すっごく帰りたい。



降りる人が途絶えた。電車の中は、少しだけ空いた。

私は覚悟を胸に、電車に乗った。



「わわっ、押される…!」



後ろの人が、私が乗り込んだ瞬間に押してきた。

ちょ、やめ、どんどん奥に押されるぅぅぅ!!!


後ろからどんどん押された私は、乗り込んだドアとは反対側のドアの方まで流されてしまった。

背が高くないせいで吊革も掴めないし、手すりも既に埋まってる。

やばっ、掴むところがないじゃん!


ドアが閉まる瞬間に、さらに押された私は、ドアの近くにいた背の高い女性の胸に飛び込んでしまった。



「わっぷっ!むぐぐ…あ、しゅみましぇん(すみません)しゅぐにどきましゅ(すぐに退きます)から!」



顔を上げると、美人なお姉さんが、私の顔を見つめていた。

私は胸に口元を埋めたまま、何とか喋って、離れようと試みた。

でも…。



ガタンッ!!!



電車が動き出したときの揺れで、後ろからさらに圧迫され、全く動けなくなってしまった。


それどころか、一瞬バランスを崩した私を、目の前のお姉さんが抱き止めてくれた。胸にさらに押し付ける形で。



「むぎゅっう、んぐぐ…。」



顔に押し付けられる胸が、めちゃくちゃ柔らかい。私には無い柔らかさだ…!それに、すっごくいい匂いがする…。

じゃなくって、知らない人の胸に顔を押し付けるなんて、痴漢だと思われてしまう!何とか離れないと!



「お嬢さん、揺れると危ないから、このまま抱き締めててあげるね。」



お姉さんが小さい声で、話しかけてきた。そして、私の頭を抱き抱えていた手で、頭を撫でてくれた。



「んぐっ…しゅみましぇん、あいがとぉ(ありがとう)ごじゃいましゅ(ございます)…。」



正直、フラフラしなくていいからすごく助かるけど…。

このままずっとお姉さんの胸に顔を押し付け続けないといけないなんて…いくら同性でも恥ずかしすぎる!


でも、どうしようもない私は、そのまま抱き締められ続けた。







電車が動き出して数分で、1駅目に止まった。

また人が乗り込んできて、さらにキツくなった。

それから10分ぐらい、お姉さんの胸に顔を押し付け続けた。





ちょっと時間がたってくると、少しだけ冷静になってきた。


ふと目だけを上に向けると、お姉さんが私を凄く見ていた。

ニコニコしてるのかもしれないけど、マスクをしてるし、目だけじゃ正確には分からないよ。


分かることは、お姉さんが美人でおしゃれで、とてもいい匂いがすることだけ。あと、背と胸が大きい。

今の私は、お姉さんの胸で呼吸をしている。すっごく良い匂いだけど、とんでもない変態になったみたい。



あと、すっごく暑い。こんなことなら、制汗剤でも使ってくるべきだった。汗が出てきて、臭くなってないかな…?

あ、お姉さんの服に汗がついてしまった。後で謝らないと…。





そのまま電車に乗り続けて、やっと駅に着いた。


私は知らなかったのだけど、この駅では乗り込んだのとは反対側、つまり今いる方のドアが開いた。

降りるのは楽でよかったよ。



電車から降りると、これまたたくさんの人が並んでいた。

そして、また後ろから押される。



「あわわ、流される…!」

「こっちだよ、ついてきて。」



さっきまで胸に顔を押し付けていたお姉さんが、手を引いて私を助け出してくれた。さっきから感謝と謝罪することしかしてもらってないや…。


というか、お姉さんの後ろ姿が凄くかっこいい。声もかっこいいし、言動もかっこいいし、この人が男の人だったら惚れてたのかも…?






お姉さんに連れられて、改札を出た。そしてまた、人のいないスペースまで連れてきてもらった。



「はぁ、はぁ…お姉さん、色々ありがとうございました!胸に顔を押し付けてすみませんでした!」

「ふふっ、どういたしまして。大変だったね。」

「はい…朝の電車がこんなに辛かったなんて…。あ、服に汗がついちゃってごめんなさい!」

「ん?あー、これぐらい大丈夫だよ。それより、苦しかったよね?ごめんね。」

「あ、いえいえ!良い匂いだったし、柔らかかったので大丈夫です!…あ。」

「そうなんだ?それなら良かったよ。」



あ、つい、言わなくて良いことまで言ってしまった。うぅ、お姉さんがクスクス笑ってらっしゃるよ…。



「今日はありがとうございました!お礼とお詫びに、私が出来ることなら何でもしますので、言ってください!」

「へー、何でもしてくれるの?」

「はい!迷惑をかけちゃったので!」

「そっかぁ…。じゃあ、私の言うことを聞いてもらおうかな。」



なんか、お姉さんの目が光った気がする。同性だから言ったけど…私は何をすればいいんだろう?



「じゃあさ、これから何回でも私のお願いを聞いてよ。」

「はい!…はい?え、それは卑怯ですよ!」

「でも、何でもって言ったよね?」

「あうぅ…分かりました、何回でも聞きます…。でも、出来ないことは聞きませんからね!」

「ありがと。じゃあ、まず1つ目のお願いを言うね。」

「出来ることなら何でもしますよ…。」



うぅ、まさかお姉さんが、こういうときの正解を知っていたなんて…。何回でも言うことを聞くって、何をさせられるのかな…?

変なことはされない…はず。



「1つ目は…君、私と付き合ってよ。」

「…え?ちょ、何を言って…!?」

「返事は?ほら、何回でも言うことを聞くんだよね?」

「あ、えっと…。」



もしかして、断るっていう選択肢は無いの!?

いや、だって、同姓だよ!?これって出来ない事ですよね!?



「返事は?」

「あ、はい…付き合います…。」



うぅ…お姉さんの私を見る目が怖かったよぅ…。身長が低いから、常に見下ろされるし…歯向かえないよ…。



「ふふっ、ありがと。じゃあ、今から君は、私の彼女だからね。

あはっ、私、何でも言うことを聞いてくれる彼女が欲しかったんだよね~。」



お姉さんがニコニコ笑ってらっしゃるよぉ…。

まさか、こんな形で恋人が出来るなんて…これからどうなっちゃうんだろ?



「とりあえず、名前と連絡先を教えてよ。

これからよろしくね?私の彼女さん?」

「うぅ…よろしくお願いします…。」



大学が始まって早々に、何でも言うことを聞かなければならない彼女が出来ちゃった…。これからどうなっちゃうのかな…?









「え、お姉さん、私と同級生なんですか!?」

「そうだよ~。これからよろしくね?

登下校も一緒にできるし、講義も一緒のを受けられるし…ずーっと一緒にいられるね…?」

「あはは、そうですね…。」



あうぅ、逃げられなくなっちゃった…。これから4年間は確定で一緒にいないといけないじゃん…私、綺麗な体のまま生きられるのかな…。




しょんぼりしている私の手を引いて、お姉さん…私の彼女は歩き始めたのだった。

お読みいただき、ありがとうございました!


評価や感想をぜひお願いします!


これから主人公の女の子は、どうなってしまうのでしょうか?

そもそも、お姉さんはどこに向かって歩き始めたのか…大学?それともホテルでしょうか?

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