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マイク

マイク・パーカー

アフリカ系アメリカ人。19歳。大学生。あと、背が高い。77in(インチ)(195cm)ある。そんな事もあってか学業の傍ら、バスケットボールを嗜んでいる。



「眩しい…」


マイクは目をパチパチさせる。思わず、鼻筋に指を押し込む。


眠っていた様だ。目を擦りながら身体をゆっくり起こす。


「ここは…どこだ?」


あたりを見渡すと、白い壁。正面には電子錠の扉。

上を見ると、白い天井。何も無い空間だ。


そして自分の身体を触る。これは夢じゃ無さそうだ。感覚が現実のものだ。


服装は…短パンにタンクトップ、それに裸足。服の柄を見るに自分の寝巻きのようだ。

俺は寝ている間に、この部屋に連れてこられたのか…?


心当たりが無い。これと言った犯罪行為に手を染めたことは無いし、関わった事も無い。誰が何の目的で俺をこの部屋に入れたのか…


「まぁ、それはどうでも良い。とにかくこの部屋から出ないと」

マイクが目線を向ける先は電子錠のある扉。出口はここだけのようだ。

扉の前に近付く。


「テンキー方式のやつだな。そういえば似たようなのを大学で見たことがある」

テンキー方式。0から9までの暗証番号を入力し、一致すれば鍵が開く。


「暗証番号を探さないとな」

マイクはポケットに手を突っ込み、考える。


ポケットの中に何かがあった。恐る恐る取り出してみると…ガムだった。

「そうか、ポケットに入れっぱなしだったか」


マイクは集中したい時によくガムを噛む。なのでいつも持ち歩くことが多い。

お気に入りはミントのスティックタイプだ。


マイクは封を開け、口の中にガムを放り込んだ。口の中から鼻の穴へ、ミントの刺激が通り抜ける。スイッチが入る。


壁をなぞるように、何かが無いかを探す。幸い天井はマイクの跳躍力なら手が届きそうな程の高さだったので、部屋全体をみることが出来た。


壁…床…天井…扉……ダメだ。何も見つからない。


「White…Room…Alone…」部屋自体の状態からの暗証番号の憶測にしても、無茶が過ぎる。


もしかして、この電子錠自体がブラフなのでは…?


扉に体当たり、壁に体当たり、天井に昇竜拳。部屋を壊すつもりで暴れる。が、ビクともしなかった。


「オーマイーガー!」

必死の攻撃も無に帰し、余計な汗をかいただけだった。


マイクは壁にもたれ掛け、肩を上下に揺らしながら、荒ぶる息を整え、味のしなくなったガムをチリ紙に吐き捨て、気持ちを切り替えるため新しいガムを1枚取り出そうとした。


勢い余って、ガムが全て床に落ちてしまった。慌てて、床に散るガムを拾い上げる。



「あれ…1枚だけ重さが違うぞ?」


感触も他のやつと違った。マイクは直ぐに包み紙を開いた。



「あった…これだったのか…」


包み紙の中に均等に折り畳まれた白い紙があった。マイクは確信し、直ぐにその紙を広げる。


紙には数字と図形…これはきっと電子錠を開ける暗号に違いない。


やっと見つけた。これを解けばこの部屋から出られる…



ハァハァ…



興奮しているのか、息切れが止まらない。



いや、違う…止められないのか…



目眩がする。



そもそもおかしかった。現役のバスケットボールプレイヤーの俺が、これっぽっちの運動で息が上がるわけがない。そう、この密室には…



もう、酸素が…ほとんど…



マイクの巨体が、糸の切れた操り人形のように倒れ込む。










「ちょっと、おい!大丈夫かよ」


扉の先は……身体の大きな黒人男性が倒れていた。


ハルカは謎解きをクリアした。本来はこれでゲーム終了のはずだった。

出口が見えるはずだ。だが、見えたのは同じ様な白い部屋。そして目立つ様に倒れ込む巨漢。

扉の先に他の人間がいるとしても、助けに来てくれた人、もしくは黒幕が立っているなら分かる。

だが、そこにいるのは倒れている人。しかも黒人。デカい。異質な光景だ。


だが、その異質な光景も直ぐに頭が切り替わった。

その男性の青白い顔、滝の様な汗に体が直ぐ動いた。


ハルカはマイクの側に駆け寄り、肩を揺らしながら呼び掛ける。


「これヤバくない?人工呼吸?」

迷っている暇は無かった。ファーストキスはよく知らない黒人。そんなことも頭によぎってしまったが、不謹慎だと振り払う。


「え、えっと…まず口を開けて」思ったより硬いがなんとか開いた。


「ここまで来たら、するしかないっしょ、ハルカ、行きます!」

大きく息を吸い込み、口をマイクの開いた口に押し付ける。


「プハッ…ハァ、ハァ…」


鼻と鼻が当たるくらいの距離だった。マイクの目がぱっちりと開き、目が覚める。


「うぎゃああああ」

驚いたハルカは仰け反り、後ろに倒れ込む。



「Hah...Hah...Is this heaven?(ここは天国か?)」

マイクは息を整えながら、目を泳がせる。


そういえば、何か叫び声が聞こえた様な気がする。マイクはゆっくりと身体を起こして、その声がした方を向いた。

アジア人の女の子がいた。


「Did you help me? Thanks Chinese girl(君が俺を助けてくれたのか?ありがとう。チャイニーズガール)」




「は?何言ってるかワカンねぇよ。っていうか中国人じゃねえし」

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