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2 プロローグ(続)

プロローグの続きです。

高校を後にした雨流羽は最寄りの駅から5つ隣の駅に降りる。駅から5分歩いた場所にバイト先がある。それは2

階建てのそれなりに大きい事務所である。その事務所の名は水霧探偵事務所と言う。その名の通りバイト先は探偵事務所である。雨流羽は事務所の裏口に周りカードキーで事務所に入ろうとする。


………ブーブー


あれ?おかしいな……エラーが出るだが……


雨流羽は心の中でそんな事を思いながらもう一度試してみる。


………ブーブー


やはりエラーが出てしまう。何でだろうと考えているとアナウンスが響く。


「雨流羽くんの影が薄いからカードキーも上手く反応しないからじゃないかな?」

「真理さんの仕業ですか……?」

「あはは。何のことやら?」


このアナウンスの声の主は三枝木 真理である。ここでバイトしている人は高校生が多い。だが、侮ることなかれそれぞれが素晴らしい能力と日々のトレーニングで鍛えられていて、事務所業務の人でもそれなりに戦える。もちろんそんな事が無いのがいいのだが、備えに越した事はない。三枝木 真理は高校生でありながら、天才ハッカーでこの事務所のシステムを担当している。ちなみに同い年でである。扉が開かないのは真理の悪戯であるのは明確である。


「ふざけるのはそれくらいにしてそろそろ入れてくれないかな?」

「仕方がないな。私がいないと雨流羽くんは駄目なんだから。」


真理さんはプログラムを使って扉を解除する。


………ピーピー!


「はい、解除できたよ。皆、来てるから早く来なよ!」

「悪戯しなきゃ、すぐに入れるだげとね。」


扉が開いたので事務所に入る。すると小さいドローンが複数飛んでくる。そして何故か僕の周りをくるくる飛んでいる。


「どうだい?僕の新しい発明は?」

「白奈さんがこのドローンを作ったですか?」

「そうだよ。っと言ってもまだ、完成までには行ってないけどね。」


今の話から分かるようにこのドローンを作ったのは、吉野 白奈である。探偵必要な道具等を発明している。歳は雨流羽より1つ上になる。


「これで完成じゃないですか?」

「まぁね、嵐の時とかにも操作出来るようにしたいだ。万が一の為にもね。」

「白奈さんは向上心高いですね。」

「いやいや、雨流羽くんの向上心の方が高いと思うけどね?最初の頃に比べたら色々とレベルが上がっていて感心するよ。」


そう真面目に言われるとなんか少し照れてしまう。ここの事務所にいる人達は天才的な才能の持ち主が多い。その一人である、白奈さんから褒められると心がふわふわする。


「それでは、自分はいきますね。」

「僕はもう少しテストするのでまた後で!」


白奈さんを後にして他の事務所メンバーがいる部屋に向かう。その部屋の扉を開ける。


「はいよ!」

「なんの!」

「ふんふん!」


なんという光景でしょう。手前の方では瓜二つの顔の少女が一生懸命卓球をやっていて、奥では筋肉マッチョの男の人が上半身裸でバーベルを持ち上げている。っと言っても雨流羽にとってはけっこう日常の風景である。


「こんにちは!燐と明それと力也さんも!」


「こんにちはね!」

「雨流羽、ちょっと今は集中しているから待つね!」

「オゥ!雨流羽もこのバーベルを持ち上げるか?」


まず、手前にいる双子の姉妹は王 燐と明である。中国からの留学生で卓球の有名な選手でもある。日本に憧れがあり、日本の高校生に行く事を決めたと聞いている。卓球の部活に入っているが卓球のレベルを落とさない事を条件にここでバイトをしている。女の子だがこの探偵事務所の戦闘員である。コンビネーションが凄く素早い動きで相手を錯乱して、複数の相手でも倒せる実力の持ち主の高校1年の二人である。そしてバーベルを持ち上げているのは黒松 力也である。見た目の通り力が凄く、こちらも戦闘員として活躍する。その他にも運転免許を持っていて運転テクニックもすごい。ちなみに大学2年でものすごい可愛い彼女もいる。時々彼女が事務所の手伝いに来たりもする。


「いいよ、燐と明は大事な試合が近いから練習の後で話そう。力也さん、自分にはまだそんな重いバーベルは持てないので遠慮しときます。」

「わかったあるよ!」

「また、後でね!」

「アハハ、ボスに挨拶もあるだろうからまた、後で鍛えてやるよ!」

「わかりました。後で力也さんお願いいたします!燐や明また、後でね!」


さらに奥の扉に行く。そこには可愛らしいメイド服を着た少女がいる。


「あっ、雨流羽くんこんにちは!」

「汐里さんこんにちは!やっぱりメイド服似合っているね。」

「似合って雨流羽くんから言われるとなんか照れるな。」


このメイド服の女の子は花崎 汐里である。探偵事務所に入った時期は同時期あたる。いや、正確に言えば花崎 汐里のおかげでこの探偵事務所に入ることが出来て自分を変えるきっかけを作った大事な人とも言える存在でもある。この探偵事務所に入ると聞いた汐里がだったら私も入ると言うことで自分が入った後で汐里もこのバイトを始めたのだ。


「ところで、早馬さんは?」

「ちょっと書類をまとめているみたいですよ。」

「そっか。それなら今日は掃除まだなら、手伝うけど?」

「いいの?」

「うん!急ぎの案件がないから他の人達に比べてやることも無いしね。」

「ありがとう!じゃあ、お願いしようかな!」


二人はこの部屋の掃除を始める。ホコリを拭いたり掃除機をかけたり隅の隅までキレイにしていく。


「きゃあ!」

「危ない!」


汐里が転けそうになり、雨流羽が慌て手をとり、支える。


「だ、大丈夫?」

「う、うん、だ、大丈夫だよ。雨流羽くんが支えてくれたから…」


素早く手をとったおかげで怪我はしたかった。しかし、思ったより密着している。互いの顔も近い。


「なんか、思っているより、近いね。」

「うん、なんかいつも雨流羽くんに助けてもらってばかりだね。あの時も本当に助かったよ。」

「そんなことないよ。自分も汐里さんには助けてもらってばかりだよ。」


雨流羽は透き通った汐里の目と唇に引き寄せられる。このままキスをすれば、嫌われてしまうのではないかと思うが汐里も離れようとしない。あと、数センチのところまで唇が近づく。


「あ、ちょっとそこのお二人さん?掃除は終わったのかな?」

「おわぁ!そ、早馬さん!」

「い、いつからそこにいたんですか!?」


その声で慌て離れる二人。声をかけたのは、この探偵事務所のボスである。水霧 早馬である。雨流羽はこの早馬にスカウトされて探偵事務所に入ったのだ。探偵事務所の一番の頭脳で戦闘能力ももちろん一番である。力だけなら、力也さんの方が上ではあるが総合力では圧倒的に早馬の方が上である。


「いや、雨流羽が汐里の手を取るところからだ。ちなみにカメラで真理が他のメンバーはそこの隙間からニヤニヤしながら見ているぞ?」


冷静に考えればカメラがあるから、真理は絶対に見ているし、他のメンバーもこの事務所内にはいるのだから、見られても仕方がない。雨流羽はうかつだったと頭を抱える。しかし、あのままキスをしたら、汐里はどんな反応をしただろうか?今までの関係で居られなくなるのではないだろうか?おそらく、雨流羽は汐里のことは好きである。汐里は自分の事をどう思っているだろうか?


「どうしたの?」

「いや、なんでもないよ。」


場の雰囲気に流されたらいけないと反省する。告白もしてないのにキスをするなんて最低だと思った。その後、他のメンバーも部屋に入ってきて、雑談に話の花を咲かせる。真理も自分のエリアから降りてきて話に参加している。気を利かせて紅茶を汐里が持ってくる。香りがよくなんか落ちつく。やっぱりこの空間はいいなと改めて思う。


ピンポン!


そこで聴ききなれた音が響く。この音はお客が来た時になるものだ。雨流羽達がスマホを開く。事務所の防犯カメラは共有出来るようにしている。仕事の内容的に怪しい依頼人もいるのでその意味でも情報共有は大事である。


「えっ、」


スマホの動画を見て雨流羽は驚く。そこには、同じクラスの神成と三野の姿があった。

出来るだけ早く更新します。

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