体力的な問題
「待ってましたよ。さぁ、早く着替えて下さい」
「イヤ、まだ俺は、受けると言ってない」
抵抗する俺。
「親ビン、ここまで来てそんな事すれば、ペナルティでポイント半減ですよ」
ぬぉ~っ! そんな話しは、聞いてないぞ。
俺が、ジタジタ足を踏みならしたばかりに、派手に吹き出した奴のひげがとんできて、俺のちょっとだけ、本当にちょっぴりだけ! 薄い頭頂にのっかった。
その後は、いつも通りに笑い転げる、奴を見るだけだった。
なんとか足で踏めないかと試したが、紙一重でかわされてしまい、悔しい思いが増すだけの結果となる。
だが、奴は、ムクリと起き上がり項垂れたのだ。
大人として、反省したのか?
大袈裟に溜め息をついて立ち上がった。
「ドローンでも買うかな」
はあ? なんじゃそれ!
奴の考えてることが、一つもわからん。
「親ビン、それだけ元気な足なら、直ぐにできるようになりますから、練習始めましょう」
そうだった。練習しに来たんだった。
俺は、素直に準備をしたが、それは、オニ、悪魔の奴の調教、あ、間違った。訓練の始まりだった。
いきなり、砂鉄入りのサポーターを足首に装着させられ、鉛入りの靴を履かされたのだ!
イスに座って、足の上下運動。
これなら……10㎝も上がりません!
口を手で押さえた奴。
「親ビン、最低100回出来るまで髪の毛抜きますよ」
おふっ! そこ触れちゃダメなとこ! 手を伸ばされて、頑張る俺。
なんとか3回こなせた。
ゼエゼエ。
奴は、冷たい目で俺を見下ろしている。
「出来るまで、トイレにも行かせませんから」
ヒーッ。
こうして俺は、死に物狂いで練習を続けたのだ。
ぬおーっ、次こそは、絶対断る……。




