ポイント
最寄りのワープポイントから、また、あの頭痛と吐き気をこらえながら、長老の屋敷に戻ってきた。
奴は、長老に向かって姿勢を正している。
「任務完了です。詳細を報告します」
「うむ。始めよ」
「神々の契約により、幸運の指輪の履行の為、持ち主の女性プレイヤーに使用目的を確認しました。ご友人の消息を知る為に使用する。とのことでした。聞き取りの段階では、ご友人が、祖父の遺産相続問題を抱えていることがわかりました。あとは、証言の真偽を確認する為に、宿泊したとされる宿の主人、その部屋に潜入し、証拠となる手紙を押さえました。そこから祖父の屋敷内部の探索を行い、隠し部屋の中に侵入成功し、中に囚われていたご友人を発見しました。陽動作戦により、無事脱出成功。自治体に保護要請しました。依頼人には、囚われていた場所と原因、無事自治体に保護されたことを報告して、承諾を得ました。以上です」
「うむ、見事であった。神子様からお誉めの言葉をいただいておる。ポイントは、それぞれの携帯電話に送ると仰せだ。ご苦労であった。ゆっくり休め。下がってよし」
「「はっ」」
「では、親ビン帰りましょう」
「結局、どういうことなんだ?」
俺は、モヤモヤする気持ちに負けて、聞いてみた。
「そうですね……まず、ご友人は、事前に宿泊場所を明記した手紙を、ご友人に送っていた。そして、会う約束をしている事を、なんらかの方法で知ったた犯人は、祖父の屋敷から迎えを出した。つまり、乗り合い馬車を使わずに、あの街に来させることが出来た。だから、情報がない」
「そうか、成る程」
「そのまま、あの隠し部屋に監禁され、遺産放棄の書類にサインを強要されていた」
「そんな恐ろしいこと、誰がするんだよ?」
「お金に困っている親戚ですね。だから、危害は加えられずに無事でした。あとは、宿の主人とは、結託して口裏を合わせていたようです。証拠の手紙は、自治体に渡してあります」
「いつの間に!」
うっすら笑ってかわされた。
「宿には来ていないのですから、目撃者なんて探すだけ無駄でしたね」
そこに、神子様からのありがたいポイントメールが届いた。
期待もせずにあけると、俺のポイントが【101point】になっていた!
えー! 底辺脱出したよ。(喜)
携帯を高く上げて、画像をクルクル回りながら眺めていたら、奴は、その様子を録画していた。
「な、何しとる! 肖像権の侵害だぞ! 出演料を払え」
「わかりました」
とても爽やかな笑顔を浮かべ、俺に金貨1枚渡してきた。
「お前、金持ちなのか? 金貨1枚もくれるなんて」
「いやだなぁ、貯金していただけですよ。それに、俺には、生きる楽しみが出来たので、そちらの方が大切ですから」
「そうなのか、それは良かったな」
「はい」
イケメンは、笑っても格好いいんだな。
「いや、だからって、俺は許さんぞ! お前は敵だ!」
「えー、仲良くして下さいよ~。親ビン」
「ええい、なつくな鬱陶しい!」




