どうなる一行
次に向かったのは、大精霊が住まう世界樹だ。
道中も奴は、俺にしか興味が無く、パーティメンバーとの会話も成立しないまま、ここまで来てしまった。
したがって、連携とかある訳ないし、レベルも、賢者様と剣士様が倒した魔物で得た経験値となった。
「おい、お前! これでいいと思っとるのか?」
「世界を救うのは親ビンだし、救わないと帰れないのでしょう?」
頭も顔もいいのに、使いどころを間違っとる。
まあ、いい。
俺は、空も翔べる出来る妖精なのだ。
フフンと反り返った、その瞬間。
あ、キザギサのついた嘴に挟まれた。
刺さってるよ、刺さってるよ。
魔素流出……。
ウキュー死んだあ。
ガバッと起き上がったら、おやあ? 生きとる。
「親ビン、目が覚めたんですか? 勝手に出歩いてダメージ受けると、私の魔力使うんで止めてもらえます?」
鬼か? お前鬼だろう?
いや、奴だった。
「そうか。俺、助かったのかあ。お前のアイテムで良かったなあ」
満面に笑顔を浮かべたら、「こんな映像も撮れない世界じゃゴミだな。捨てるか」と呟いていた。
本当に勇者なのか? 魔王の間違いではないのか? まさかこいつが、鬼ゴウゴンでは?
奴は、掴んでいた鳥の様な魔物を投げ捨て、ブチッと踏んだ。
……。
どうやら、奴は、俺の怯えた表情で満足したらしい。
「親ビンの笑顔って、何だか踏みつけたくなりますよね」
鬼畜な事を言うお前の笑顔は、キラッキラだな。
「安心しろ。それはお前だけだからな」
何故かスッと身体をずらした奴。
後ろから、冷酷な程の視線が二つ俺を見た。
「いやだわ。何度虫けらの為に時間を取られるのかしら。死ねばいいのに」
「全くだ。尊い勇者様の魔力を吸いとる等、ゴミ屑の分際で、死ねばいいのに」
「賢者様、剣士様。心の声出ちゃってますけど?」
お互い顔を見合わせて
「「「ハハハハ」」」
よし! 仲直りも済んだので、大精霊に会いに行くことになった。
「待っていましたよ。勇者殿。さあ、私の力を授けましょう」
羊の様なもじゃもじゃの毛をした大精霊は、大きく右前肢を振りかぶり、豪速球並の雷の玉を投げつけた。
それに嫌そうに、俺を投げつけた奴は、後ろに退避したのだ。
バリバリバリ!
痛い程の衝撃で、俺、消し炭になる。
ガバと起き上がれば舌打ちか降ってきた。
「親ビンが授かれないからって、結局、私に移行されたんですよ」
なんだ、その不満顔は?
「お前も、あのビリビリを喰らったのか?」
「そんな訳ありませんよ。親ビンが喰らったんだから、それで十分でしょう?」
「それは、アレか? お前のアイテムが喰らった力は、自然にお前に流れたと」
「あんなヤバい物を投げて寄越すなんて、何考えてるんですかね」
いや、俺にはお前が何考えてるのかわからんよ。これって、ひょっとして、試練なんじゃないのか?
この強い力を、渡すに相応しいかのさあ。
「親ビン、また私の魔力を使いましたね。これは、ツケにしておきますからね」
「ヌオッ! おみゃーぎゃ、勝手に投げつけ、つけどん、したんじゃろが!」
「親ビン、つけどんって何ですか?」
話しにならん。
こうして一行は、サブボスキャラの住む魔物の巣窟に向かったのだ。




