ぶっちゃけ
あれから、あ奴は帰ってきてない。
すると不思議な事に、仕事の電話もパッタリ無くなった。
ぶっちゃけ俺も、そろそろ家に帰ろうかなと思う。
携帯電話の色は、紫や金色には届かなかったが、今の色は赤色だ。
先日のニギ屋菓子の時に、またまたボーナスpointをもらい、4,631+2,250=6,881pointになっていた。
これなら、町にかえっても喜んでもらえると思う。
長老のところまで行って話をしてきたが、特に問題はないそうだ。
まあ、引き留められるとは思っていないさ。思っていないったらさあ。
あ奴の荷物は、執事が来て全部引き取って行った。
あれだけ派手な婚約パーティーを開いたんだから、やっぱり結婚するのだろう。
美男美女でお似合いだと思う。俺はすぐに、お祝いの品を送ったから、今頃届いているだろう。
俺様、大奮発!
ラーメン1箱だ。
仲良く2人で食うだろうな。新婚の時は、生活費が一番かかるからな。
さて、俺も荷造りだ。
町に帰って、実家の手伝いをしてもいいし、レッドカラーの仕事を選ぶのもよしだから、ゆっくり考えよう。
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あの忙しい日々が嘘のように、今の俺は、のんびり仕事をしている。
地元の小さな会社で、小物作りをしているのだ。
想い出の品を、何か別の小物に変えるお仕事だ。
それは多岐に渡り、ペットの毛を使った耳かきを作ったり、鞄を革靴にしたり、洋服をアクセサリーにしたりと、ご要望のままに変えるのだ。
どうやら俺は、こういったチマチマした仕事に、向いている事がわかったので、これもあ奴のお陰だなと感謝する。
思えば、コビトの仕事は、自分が何の仕事に向いているのか、自分を知る為の大事なプロセスだったんだと思う。
俺も大人になったもんだなあ。
コケッ。
「おおい! 大変だ!」
先輩職人のサラザールさんが慌てている。
「どうしました?」
「それがよ、お前の休みの日にな、うちの前に凄い高級車が止まってな、それからすぐに、色々な物が運ばれてきて、バタバタしてると思ったら、社長が交代するって話しだ」
「えーっ! そんな大事な話し、どうして我々にしないんですか?」
「いや、社長が代わるだけで、他には何も変わらない。寧ろ、給料上がるってよ」
「波には乗っていきましょう。俺に何の不満もありません」
「変わり身早いな、お前」
給料アップ。大歓迎ではないか。
俺は、今作っている、立体映像化ディスクの組み立てを急いだ。
今日は、お酒買って家で晩酌だな。ツマミは何にしようかな。
∈∈∈
やや! スキップして帰った家の前に高級車が……。
そっと玄関に入ると、母親が駆けて来た。
「おみゃーの、とも、とも、とみょだちがきてにゅらにょ」
「母ちゃん落ち着けよ。宇宙人語は俺にはわからんよ」
よく見ると、玄関にはピカピカの革靴が置いてある。
「ああ、客がきてるんだな。父ちゃんの知り合い?」
「だきゃら、おみゃーのしり、しり、しらるれろ」
「母ちゃん、客が来てるのに、俺の尻って何言ってんだよ。まったくしょうがないなぁ」
俺は上がって、冷蔵庫に酒を入れようとすると、その腕を母ちゃんは無理矢理引っ張って居間に連れて行った。
するとそこには……アリエンティ! キラキラしたあ奴が、狭い部屋の畳に座っていた。
「ご無沙汰しております。親ビン」
クラーッ。場違いなセレブオーラ半端ないな。
両親供に目がつぶれていた。
「おみゃー、こんなとこまで、なにしちょる、ちょるにょらり」
「親ビン。宇宙人語はちょっとわかりません」
あ、変わってないなこ奴。
まあ、久々に会ったんだから晩酌でもするか。
買って来た酒とツマミで、その晩は酒で乾杯したのだ。
∈∈∈
翌朝、二日酔いで痛む頭を抱えながら出社すれば、そこには……。
終わり




