チュドーン
送られた先には、俺と同じ戦闘服を着たコビト達が整列して立っていた。
近くにいたコビトに、後ろに並べ! と言われて、喜んで並んだ俺。
「全員揃ったか? 後ろは聞こえてるか? いいか、今からこの世界のプレイヤーから、エンブレムアタック! または、フラッシュボム! この2つのどちらかを指示される。どちらも、モンスターの攻撃を受けたりはしないので、安心してくれたまえ」
何処かで聞いた声だな……と思ったら奴だった。
やっぱりな。でも、1人だけ戦闘服の色が違うな。
「ただし! コビト同士の攻撃は受けるので、細心の注意が必要となる。これは、集団行動にあたる。1人でも遅れたり、和を乱すような奴がいると、モンスターに与えるダメージが半減してしまう」
奴が、リーダなんだな。
「よく聞いてくれ! これから、エンブレムアタックの攻撃練習をする。向かって右1列。バスターソードを左斜め下に構えて、モンスターの横を、一斉に通りながら上に切り上げろ!」
「やれ!」
『ヤァーッ!』
「よし、次。左1列。右斜め下に構えて、走りながら上に切り上げろ!」
『ヤァーッ!』「ヒャッ」
「1番後ろ。遅れている! もう1度!」
『ヤァーッ!』「ヒャッ」
「よし、わかった。右1列攻撃に入った、終わる頃に、左1列入って、Xの文字を作れ!」
『ヤァーッ!』『ヤァーッ!』「ヒャッ」
「よし。先頭の者、タイミングを間違えるな!」
ワンテンポ遅れているのが俺だが、大勢の中の最後の1人だから、見なかったことにしているに違いない。
「次に、フラッシュボムの説明をする」
カゴを設置してから、ボールを全員に取らせた。
「この、カゴをモンスターだと思ってくれ。実際は、この必殺技を使う対象になるので、大きいモノになる。外すことはまず無いだろう。周りに円を組むように囲め! ボールを、正面の奴から流れるように投げていけ! 始め!」
ポン、ポン、ポン……ポン、あ。ボーン、ポン、ポン、ポン。
「よし。正面、遅れた者と替われ! もう1度やれ!」
ボーン、ポン、ポン、ポン……ポン、ポン、ポン、ポン。
「よし。それで行け!」
そうか、俺が最初に投げればいいのか。さすが、奴は頭がいい。
「準備はいいか? くるぞ!」
∈∈∈∈
「くらえ! 必殺技エンブレムアタック!」
食虫植物のモンスターの、触手に、右から左からと、バスターソードで切り上げる。
コケッ。はっ! テテテン。
Xの形に、集まる。テケテケ追い付いた俺。
奴が双劍で、Xに衝撃波を放つ……が、あれ?
「えー! 失敗したよ」
プレイヤーが呆然とする。
勢いを増したモンスターは、プレイヤー仲間に次々と酸を浴びせた。
自棄になったプレイヤーは、次のターンに、「必殺技フラッシュボム!」を使用(発動)。
正面、最初が俺なのに、真後ろに居たらしい。どっちが前かなんて、わかるかあ!
ポンボーン、ポポン、ポポン、ポポン……ポポン。半分の時間で終了。
ふと、見ると……ヤバイ! 俺さっきのボール投げとった。(汗)
取り合えず投げとこう。
そう思って、ボーンと放った俺の手榴弾と、奴のスペシャル彈が衝突して……。
チュドーン!
大爆発!
「あ~れぇ~」
きれいさっぱり、全員吹き飛ばされましたとさ。
∈∈∈∈∈∈∈∈
目覚めた先は、医務室だった。
「ウヒャヒャヒャ」
「ギヤハハハ」
「ヒーッ」
そこには、サトラ様、医者? そして、奴が動画を見せていた。
「いやぁ、何度観ても笑えますよ。このプレイヤーが、ブログにコビト達の爆散を上げたから、人気がうなぎ登りになってるようです。今回の部下は、全員戦闘不能ですが、需要が増えてウハウハですよ」
「み、みみず」
「親ビン、目覚めたんですね。今回も大活躍でしたね。俺は、笑いをこらえるのが大変でしたが、沢山のコビトから、恨みを買ってますよ。独り歩きのときは、気を付けて下さいね」
お前、病人の俺に、そんな話を普通するか?
あ。コヤツ、普通じゃなかったな。
全治3週間の怪我をしました。




