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例えるなら

作者: 如月蓮

人の人生にはその人自身が作るテーマがある。


例えば欲。

欲に忠実に生きた人は、物であったり、人であったり、心であったり。

ひたすらに何かを欲する事で人生を成り立たせようとする。


また例えば譲る。

何かを人に譲る。ある人のために譲る。それが自分にとって直接的に利益にならない事を知っているはずなのにその道を選んでしまう。

それ故に自分のしたくない事をするのはもちろんのこと、自分に不利益になることさえしてしまう。

ただそれが作ったテーマであり、その人の運命は不利益を作ってしまうものであるため、仕方ないものである。


そんな中で私の人生におけるテーマは

【目移り】である。

このテーマは何かと言うと色々なことに手を出してしまうと言う事だ。


スポーツクラブに入ろうと思うがあらゆるスポーツが私に声をかける。

また、そのスポーツ1つ1つにやることでのメリットがあり、逆にデメリットがある。そのため、1つに絞ることが難しい。

大抵の人間はこの場合リスクやメリットなどを考える前に決めてしまうだろう。

私の場合はそうはいかない。色々な事を考えてしまい目移りしてしまうのだ。


例えば好きな人ができる。

あの人は顔が可愛くて好きだ。しかし、話しやすくはない。

あの人はそこまで可愛くはないが話があい、毎日喋る。

あの人は顔は普通だが、それなりに話しやすいし、私に優しくしてくれる。

この場合皆さんならどなたを選ぶのか。


私なら全員が好きだと答える。

それぞれの人に良さがあってこの人だけと選ぶ事は難しい。

こんな曖昧な基準で好きとも言えないだろう。

よっぽどのことがなければ私は誰かを好きになったりしないだろう。


更に私は趣味が多い。

カードゲーム。テレビゲーム。漫画、アニメ。小説。

歌手。バンド。映画。スポーツ。

どれもそれなりにお金をかけ、それなりに時間を費やしたものだ。

だがどれを取っても県で1番や、全国大会に出場まで極めたものは1つもなく、それなりで終わってしまうものばかりだ。



側から見ればこの生き方は、めんどくさく、優柔不断で良い方に捉えられる事はまずないだろう。


しかし、意外にも自分自身この生き方に不満はない。

どんな生き方のテーマにしろ、自分が決め、心の奥底では求めているテーマなのだ。


それを自分で変えたいと思った時、人間は初めてテーマを失う。

新しいテーマは変えたものであって、代わりであって、本物ではない。

テーマを失った時、人間は心を失う。

心を失った時、人間は人間という括りを失う。


私は自分のテーマに囲まれ、美しく、自分らしく死にたい。

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