プロローグ8
「ハイそうですか……と言って大人しく渡すと思ったのか」
そう言いながら私にもっと離れるように手を降っていた
私は離れながら相手を観察した
少し離れた所に女性がいて、手にしているのは
「白い………あれが白の魔法書………」
私が手にしているのが黒の魔法書………
あれは確か魔法書は七冊あると………言っていた
残りは五冊………
「集めて何をするんだ!」
思わず大きな声が出て
「知らないのか?」
脇にいた女性が反応した
確か七冊集まるとどんな願いも一つだけ叶うんだった気がするが
「知らない………私は巻き込まれただけ、早く帰りたいの」
惚けることにした
「……………………巻き込まれただけ…………じゃそれは何?何か願いをしたんでしょ」
私の願いの形を指さした
確かにした、私を助けてと、しかし
「していない……これはいきなり私の前に現れたの………もう一度聞くね、集めて何をする気」
「認める気がないのね………まあいいか………私は知らない………上から集める様に命令されているだけだから」
こいつは組織の一人らしい
「何ていう名前の組織かしら」
「……………黒の会…………さあ無駄話しはおしまいよ、さああれから黒の魔法書を奪いなさい」
それに反応して女性の願いの形はゆっくりと動き出した
「万理……何か命令をしろ」
私がするの……命令を……じゃとりあえず
「なんとか此の場から逃げれないかしら」
「………逃げるのか……それは命令か」
「そう命令よ、誰も傷つけたくないの、なんとかしてアリア」
「アリア………それは私の名前か」
「いちいち願いの形と言っていたら大変でしょ、それに名前があると便利でしょ」
「アリアか………まあいいか……じゃ命令を遂行する、万理私に近づいてぎゅっと抱きつきなさい」
言われるままにアリアに抱きつくと相手の願いの形は眼の前まで来ていて右手を振り下ろしてきた直後体に重力がかかってきた
周りを黒い煙があり何も見えない
「アリア………どうなったの?」
「私の能力………場所移動を使った……あまり遠くには行けないし、一日に一回しか使えない、もうすぐ着くぞ、衝撃に備えろ万理」
その直後激しい揺れが襲ってきた
なんとか振り落とされないようしがみついて、収まるとあたりを見ると屋敷の外に出ていた
「万理……早く此の場から離れよう、あまり離れていないみたいだし」
そう言われて慌てて歩き出した
アリアは私の横を浮かびながらついてきていた
「奴らはどこに消えた!願いの形あたりを探せ」
慌てる女性にスマホがなった
「こんな時に………」
画面を見た女性の顔色が変わって慌てて出ると
「……総帥………はい………実は………逃がしてしまい……ごめんなさい……もう一度チャンスを………ありがとうございます………次は必ず……いい報告が出来ると………大丈夫です……必ず黒の魔法書は総帥の手に………作戦は考えてありますが………部下を何人か手配して………ありがとうございます……手配しいただけるんですね……それなら………いけます………では失礼します」
スマホをしまうと
「願いの形………作戦を実行する……用意しろ」
そう言うと女性は歩き出した