襲撃14
私だって料理ぐらいはする
手だって何回も切っているが
この痛みはそれらをすべて超えている
これが斬られる痛みか
痛みが全身を駆け抜け気を失いかけるがなんとか踏みとどまった
「これで刀は振れまい、まあ振りたくてももう無いがな」
その通り………殺鬼姫に刀は砕かれ、残っているのは腰にさしている鞘だけだ
「さあ次は何処を切ってほしい?私は優しいから希望は聞いてやる」
さてどうする
戦うにしても鞘だけでは話にならないし
今更魔法書を渡しても無駄な気がする
「早く決めろ!それと素顔見たからには簡単に死ねると思うな」
もう駄目な気がする
それなら一気に殺って欲しいが、私を見る目にはその気はないようだ
諦めてその場に座ると
「もういいや、好きな所を斬って」
「そうか……諦めたか……まあ人間にしては健闘したほうだな」
そんな私を観察しながら
「じゃ左手かな………動き回ると厄介だから足の方かな………」
[万理!何を諦めている!]
(えっ?刀は砕かれたはずだけど)
[砕かれる直前に鞘の方に移動した]
(………何その設定は?まあいいか………それよりまだ殺鬼姫に勝てる望みがあるの)
[…………99%望みはない………]
(………そうなの………でも1%はあるのね)
[あるにはあるが………かなり危険な作戦だ……下手したら一撃を受けて死ぬかもしれないが……………それでもやるか]
このままだと遅かれ早かれ殺られるのは間違いない
駄目元で
(やってみる)
[わかった……一回しか言わないからよく聞け、……………………………………だ]
(えっ?そんな簡単なことで………でも近づく必要もあるし………確かに………危険………かもしれない)
「決めた!動き回る前に右足から切り落としてやる」
私が諦めたかと思っているらしくゆっくりと刀を振り上げてゆく
[万理合図をしたら鞘を抜いて受けとめろ]
(……………わかった、やるだけやってみる)
出来るだろうか?こんな鞘で受け止められるのか
それよりその先も………でもやらなければ…………
[万理……くるぞ]
言われるまま鞘を抜いて構えた場所に刀が
「貴様!諦めたのではなかったのか」
驚いて動きが止まった殺鬼姫に
[万理!今しかない!]
あの言葉を思い出した
[わかった……一回しか言わないからよく聞け、斬り掛かってきた殺鬼姫の刀を鞘で受けとめろ、多分諦めていると思っているから、動き方止まったらそのまま]
抱きついた
「ききき………きさま!何をしている!私にそんな趣味はない……と思う」
明らかに動揺しているのがわかる
[抱きつくのに成功したら後は]
両手を離して頭にある角を強く握った




