襲撃5
まだ動かない白兎を見ながら
「あれは確実に入った、もう動けないだろう、それより早く逃げないと」
振り返り走り出した私の前に黒兎が
「よくも……よくも……妹を……妹を……」
立ち塞がると直後腹に強烈な痛みがありその場に蹲ってしまったのを見て強烈な一撃を横腹にいれてきた
「妹の受けた痛みはこんなものではないはず」
「……………」
あまりの痛みに声が出ない
どうやら間違っていたみたいだ
ほんとに怖いのは白兎じゃなくて…………
黒兎は私を掴み上げると放り投げた
「さあ立ちなさい!」
なんとかしないと………殺られてしまう
ゆっくりと立ち上がる私の前に黒兎がいて
「さあ再び地面に寝なさい」
あれを食らったらもう立ち上がれないかも
そして黒兎が蹴りをいれる瞬間
「 待ちなさい!馬鹿お姉さん」
いつの間にか白兎が私の背後にいて黒兎の動きが止まった
「大丈夫……妹」
「人間ごとき蹴りにやられるわけ無いでしょう、それより馬鹿お姉さん何をしているの」
「えっと……その………」
「殺ったら駄目とあの女に言われているでしょう、まさか馬鹿すぎて忘れたのかしら」
白兎は私の脇を通り過ぎ黒兎の横に来るとため息をつきながら
「まあ死ななきゃいいのよ、肋骨二三本……腕や足が切れても……あの方が治してくれるし………」
「妹………あれに頼むの……私苦手だな」
「私も苦手だけど……仕方ないよ……七人組第三位のあの人は腕は確かにあるから」
「でも医者じゃないよね」
「確か自称科学者だと言っていたような気がするが…そんな事どうでもいい……」
そう言うと白兎はこっち見て
「さあお姉ちゃん大人しく拉致されるか、痛い目を見たいか選びなさい」
(このまま大人しく拉致されるのが一番楽……………だけど……………)
ふと万理の事を思い出した
負けず嫌いであるが優しい一面もある
何でこんな時に思い出すんだろう
………………………諦められないな……………
ここで諦めたら万理に笑われてしまう
何かないか………今の状況をひっくり返す…何か
あたりを見渡している私に白兎が痺れを切らしたらしく
「お姉ちゃん……返事はまだかな?」
催促してきた
あまり時間は無いみたいだ
「そうね………諦めない………あなた達には拉致されない!」
「それが答えでいいのね……じゃ行くわよ……………お姉さん隠れてないで行くわよ」
白兎と黒兎は同時に突っ込んできた
避ける事はできない………背後に逃げても直ぐに追いつかれてしまう………なら………
私は地面に力を込めて立つと、二人の蹴りを両手で防いだ
全身を痛みが走り意識が飛びそうになるがなんとか耐え、渾身の一撃を前にいる白兎にいれると後方にいた黒兎を巻き込みながら吹き飛ばれ壁にぶつかった
(お願いだからもう立たないで)
「ほんとに諦めが悪いんだから……これだから人間は嫌なのよ」
白兎に続いて黒兎も立ち上がってきた
(もう…………終わり………かな)
木崎は諦めるようにゆっくりとその場に倒れてしまった




