プロローグ10
屋敷を出ると東の空が明るくなってきた
もうすぐ朝か
そんなにあの屋敷の中にいたのか
まあ今日は日曜日だし、家に帰ったらとりあえず寝るか
ふと脇にいるアリアに目を向けると
「ねえ本当に私以外には見えていないんだよね」
「前にも言ったが、魔法書に触れなければ私は見えない」
そう言うが………そう言うが………
一糸纏わぬ姿………目のやり場に困る
「アリア………服とか着てくれないかな………」
「同性なのに気になるのか」
「………気に…………な………ら…………な…………」
気になる!気になる!気になる!
とくに胸の辺りが………私より………大き……いのが
「仕方ない万理だな」
そう言うとアリアは煙に包まれ、服を着た姿で現れた
「これで文句は無いだろう」
「………はい………ありません」
ちょっと残念な気もするが………
「 万理!前を見ろ」
「えっ?」
その直後何かにぶつかって前方を見ると少女が尻餅をついていた
「私ぶつかったの?大丈夫?」
慌てて駆け寄り少女を立ち上がらせながら
「ごめんなさい、よそ見をしてたから気が付かなくて………怪我とかしていない」
そう言いながら少女の姿に視線が離されなくなった
白い服に白い靴、髪は染めてるのか地毛か解らないが白色、肌は透き通る白
全身真っ白……しかし………目が………瞳が………赤……血の色に似た赤……その目で見つめられると………吸い込まれそうになる
「あたしは大丈夫だよ、お姉さんこそ大丈夫なの」
「大丈夫大丈夫大丈夫……」
「良かった…………実はあたし……目が………見えないの……」
だから時折別の方を見ているのか
「それに殺気を感じない者には反応できなくてごめんなさい」
殺気を感じない者には反応できなくてって何
私殺気なんて無い筈…………………
ふとアリアを見るとその少女を見ていた
少女も時折見ているような気がした
そして私にもわかる………アリアは殺気を抑えているのが
「じゃ私行くね………バイバイお姉さん、また会えるかも…………」
そう言うと少女は歩き出した
時折石に躓きながら
「万理………あの子は私を感じていた………かもしれないぞ………」
懐にある魔法書を指さしながら
「でも魔法書には触れていないけど」
「…………そうだよな……気のせいかな」
まだ腑に落ちない感じだが
「そうだよ……気のせいだよ、それより早く風呂に入りたいよ、さあ帰ろうよアリア」
歩き出した私に合わせるようにアリアもついてきた
それにあの赤い瞳が目に焼き付いて離れなかった
以上でプロローグはおしまいです
次回から第一章が始まります




