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No.11 いざ、対戦の場へ

 さて、デッキの改良も済んだし、対戦しよう。対戦相手は――



 ――架空のプレイヤー!! お前だ!!!


 よくもチュートリアルで初めての奴相手に、大人気なく勝ってくれたな。俺のこの憤りはお前を潰すまで治まらんぞ……。絶対に潰す。

 俺はメニュー画面トップを開き、インフォメーションからチュートリアルを――



 ――――

【水谷嶺】

 レート:0

 通算戦績:0勝 0敗

 CP:0

 G:0


 -インフォメーション-

  ・ 『ギブン・ザ・カード』の世界へようこそ

 ――――



 ――あれ、ない? いや、1回やったからトップページから消えただけか。あぁいうのは大抵こういうところにあるんだよなー。

 俺は左側の項目の〈ルール・ヘルプ〉を選択した。そして、そのページを見回した結果、ある文面を発見した。



 ――――

 Q&A


 Q. チュートリアルをもう一度プレイしたいのですが。

 A. チュートリアルをプレイできるのは、お一人につき一回だけとなっております。

 ――――



 はああああ!!? なんでそんな仕様にしたあああ!! 

 勝ち逃げ! 勝ち逃げ酷いぞ!!


 ……あぁそうですか。クソッ。勝ち逃げかよ〜。


 俺は項垂れた。そしてしばらくして、「まぁ仕方ないか」と思ったところで、新しいウインドウが現れた。



 ――――

 チュートリアルもいいけど、実際のプレイヤーと対戦してみよう!


 神より

 ――――



 おいちょっと待て神いいいい!! この狙いすましたタイミングでメッセージ飛ばしてきやがって! なんなの? 暇なの!?




 ……神のメッセージによって再度感情が高ぶったが、俺はなんとか治めた。


 はぁ……まぁ仕様だからな。チュートリアルは諦めよう。ちょっとスッキリしないが、神の言う通りプレイヤーと対戦するか。

 別にプレイヤーと対戦するのが嫌な訳じゃないしな。先に架空のプレイヤーにリベンジしておきたかっただけで。



 よし、それじゃあ気を取り直して対戦相手を探そう。

 チュートリアルを行う時に人気(ひとけ)の少ない場所まで離れていたので、俺は人の多い方向へと向かう。


 それにしても人が多い。かなり遠くを見ても、人の壁が続いている。俺はたまたま端の方に居たようだから、広いスペースでチュートリアルを行うことができた。だが、中の方に居る人は、かなり狭いスペースで対戦しているのが見受けられた。


 ……一万人くらいは居そうだな。神様は世界各地に人々を転移させたようだが、この草原だけでも結構な人数が居る。対戦相手に困らないようにだろうか。



 そんな風に辺りを見回していると、同じように辺りを見ていた男と目が合った。


「あ、えっと……」


 その男は身長が高く、180cm以上あった。そして長めの髪を後ろで縛っている。

 この世界には色んな種族の人たちが転移してきたようだが、この人は見た感じは普通に人間っぽい。黒髪だけど、顔立ちは日本人とは少し違うな。

 何より、民族衣装っぽいものを着ているのが彼が日本人でないのを示していた。


「対戦、しますか?」


 男は俺と目が合った直後から、こちらに向かって歩いて来ていた。彼は俺の側まで来ると、俺の目を見てこう言った。


「あぁ、よろしく頼む」




 俺たちは人の多い場所から少し離れ、10メートルほどの距離を取って向かいあう。


「それじゃ、よろしくお願いします!」


「あぁ」


 えーっと、どうやって対戦を始めるんだ? と思ったのも束の間、目の前にウインドウが現れた。


【対戦を開始しますか?】

【はい】【いいえ】


 お、来たな。こういうところが自動なのが地味に良い。流石神様の力だな。

 俺は、【はい】を選択する。


【両者が対戦に合意しました】

【対戦を開始します。使用するデッキを選択してください】


 おっしゃ、初の対人戦、勝つぞ〜。デッキは当然、デッキNo.1『魔術師様と肉盾たち』だ。




【ゲームスタート】

【ファーストフェイズ:デッキから6コスト分まで、フィールドに出すカードを選択してください】


 まず最初の6コスト。これはデッキを考えた時点で決めてあったぜ。

 俺は早々に選択を決定したが、相手さんはまだ考えているようだ。【相手の選択を待っています】というメッセージが表示されたまま、俺は少しばかり待機した。


【両者の選択が完了しました。召喚を行います】


 俺のフィールドには、魔術師と剣士2体が召喚された。全員初心者っぽい装備だが、俺の目には最早『魔術師様』と『魔術師様を身を呈して庇う肉盾』の構図にしか見えない。


 そして相手のフィールドは、トロール2体だった。


 ふーん、トロールねぇ。まぁ強いもんな、トロール。

 計らずもチュートリアルと似た構図になったな。架空のプレイヤーとは戦えなかったが、相手がトロールを使ってくれるならそれも良いだろう。あいつのトロールにやられた憤りを、同じトロール使いのこいつに勝って晴らす!




【第1ターン】

【セレクトフェイズ:デッキから6コスト分まで、フィールドに出すカードを選択してください】


 さて、さっき俺が魔術師と剣士2体を選択したのには理由がある。

 フィールドに召喚されたカードは、そのターンは行動出来ない。だが、ファーストフェイズに出したカードは別だ。ファーストフェイズの時点ではまだターンが始まってないから、その時に出したカードは1ターン目から行動出来るのだ。


 俺が最初の12コストでやりたいことは、「魔術師」と「盾役である剣士」の召喚、そして魔術師の強化だ。ファーストフェイズで魔術師の強化を行い、セレクトフェイズで剣士を出すという順番もあるが、そうすると剣士は行動出来ない。それを回避するために、魔術師と剣士2体を先に出したわけだ。


 つまり俺のこのターンの行動も既に決まっている。んじゃ、魔術師を強化するとしますかね。




【相手の選択を待っています】


【両者の選択が確定しました】

【サモンフェイズ:選択したカードの召喚を行います】


 今回も待機メッセージが出たが、さっきよりは短かったかな。

 さて、現在の状況は……。



 ――――

 [敵軍前衛]

【トロール】+【体力増強】×2+【魔力付与】HP:410/410 ATK:70

【トロール】HP:170/170


 [自軍前衛]

【見習い剣士】HP:105/105 ×2


 [自軍後衛]

【見習い魔術師】+【体力増強】+【魔力付与】×2 HP:190/190 ATK:100

 ――――



 ……ほう、相手も強化で来たようだ。

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