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A面マコトとマサキ

社員寮五階角部屋、六畳弱の洋室。体育座りでスケッチブックを太腿に立掛ける青年。夕食をテーブルに並べる男性

「そう根詰めるな。飯にしよう」

テーブルに着く青年と男性

「描きたいモチーフは目の前に色々有るのに、いざスケッチを始めると海辺の活き活きとした所が全然表現出来ないんです。――頂きます」

「絵の事については素人だから偉そうな事言えないが一つ提案がある」

「どんな提案ですか」

「フミヤに頼まれたんだが、あいつの妹が所属している劇団に新人の少女がいてな、そいつの似顔絵を描いてくれる人を探しているんだと。どうだろう?風景画の事は一先ず置いて、人物画を描いてみないか?」

「そうですね。やってみます」

「よし。フミヤには自分から伝えておこう。――醤油掛けないのか?」

「有難う御座います。――確り下味が付いてますから掛けなくて大丈夫です」

「そうか」

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