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6話 組手をしよう

前回に引き続き、ランキングの日間連載小説部門で100位に入りました!

本当にみなさまのおかげです!これからもよろしくお願いいたしますm(__)m


 僕、ユリウス・バラージは五歳になった。


 体つきも年相応にしっかりして来たので、半年ぐらい前から父であるトールから剣技を、母であるティオナからは魔法を本格的に習うようになっていた。

 朝早く、日が出る前から起床し、まずは基礎体力作りのためのランニング、それが終わったら朝食を取り、素振り、筋トレ、その後にトールと僕で実践的な練習。

 そして昼食を食べたら今度は魔法の練習だ。これを三時間ほど続けたら終わり。その後は自由時間になる。これを一週間の内に五日繰り返す。


 普通の子どもだったら、肉体的にも精神的にもきついサイクルだろう。

 でも僕は、肉体的な面はスキルの「身体能力強化」を使えばなんともないし、精神的な面ではむしろ自分が出来ることが増えるのは嬉しいし、何より、学べるのに学ばないのは損だ。


 僕は両親二人の方が心配になるようなぐらい、魔法と武芸を身に着けていった。


 特に武芸には力を入れた。僕は一年後に王都にある魔法学院に入学することが決まっている。だから、一年後からでも魔法の事は学ぶことは可能だ。でも、魔法学院に入学した場合、今のように武芸に当てられる時間は極端に減るだろう。


 それにだ。僕は剣術以外にも武芸のスキルを持っている。


 ちなみに、今現在の僕のステータスはこうだ。



==================

ユリウス・バラージ

種族:ハーフエルフ


レベル1

HP:80/80

MP:1010/1010

STR:48

DEF:43

INT:210

DEX:210

AGI:73

LUC:310


スキル:「神通」「看破」「ステータス吸収」「スキルコピー+」「アイテムボックス」「ステータス隠蔽」「幸運」「剣術+3」「無詠唱」「加熱」「冷却」「槍術+」「弓術+」「身体能力強化+3」「精神力強化+2」「遠見+3」「棒術+」「装備強化+3」「付与+」「徒手格闘術+2」


魔法適性「火」「水」「地」「風」「光」「闇」


称号:「魔導の申し子」「神性者」「模範者」

==============


 つい半年前に新しく徒手格闘術もコピーして手に入れた事により、動体神経や運動能力が強化されたためかここ最近はやたらと体が軽い。


 それに家の父親が元宮廷騎士だったためか、地下にある倉庫には色々の武器が保管されていて、それを使い、我流ながら剣術以外の武器を扱った練習も自由時間や特訓が休みの日にこつこつとやってきたためか、ついこの前に槍術と弓術と棒術のスキルレベルも上がった。


 トールが言うからには、スキルと言うのは最大レベルは8らしい。つまりは+の数で言うと七個だ。

 その武器に関してのスキルがある者と無い物では明確な差があり、さらにスキルレベルが一つ上がるだけでかなり戦闘能力を増加させることが出来るという。

 武芸スキルがどれくらい強いかと言うと、スキルレベルが2、つまり+が一個付いた剣術スキルを持っているものならば、多少のレベル差があっても剣術スキルなしの人たち10人相手に圧勝できるぐらいだ、と言っていたから武芸スキルがどれだけ強力かが分かる。


 あと変わったことと言えば、訓練で筋トレや組手などをしていく過程で少しずつだがステータスが増えた。これもトールから聞いた話だが、訓練などで体を酷使することで体が一回壊され、より強い体に生まれ変わる。まぁ、これは日本でもよく聞く話だ。より強い体に生まれ変わると、それに応じて肉体的なステータスも多少ながら上昇するらしい。これは、子供の時の方が伸びる率が高く、獣人といった身体能力が高めの種族とかは小さいころから体を鍛えているのだとか。

 でも、ティオナをはじめとしたエルフなどは元々肉体的なステータスの伸びが悪く、逆に魔法関係のステータス伸びはいいため、ほとんどのエルフは体を鍛えることをしないという。


 その点、僕はハーフエルフだからヒューマンがより伸びやすい肉体的なステータスも伸びやすい。


 って、こう考えると本当に親様様だな。




「まぁ、今はそんな事は関係ないけどね」


 僕はそう呟くと、手にしていた片手剣―――アイアンブレードを握り直し、半歩右足を引いた状態で構えた。


 今は訓練日の正午近い時刻。僕とトールは裏庭で組手を行っていた。


 僕が構えたのを見て、トールも己の獲物を構えなおす。

 その構えは長年の鍛錬の賜物か、洗礼されていて、単なる剣の技量では到底僕では敵わないという事が分かる。


 それもそのはず。元宮廷騎士だったトールのステータスはかなり高い。

 

=============

トール・バラージ

種族:ヒューマン


レベル:69

HP:823/823

MP:100/100


STR:700

DEF:592

INT:100

DEX:100

AGI:689

LUC:203


スキル:「剣術+5」「身体能力強化+5」「徒手格闘術+4」


魔法適正: ―――


称号:「剣聖」「クロスレンジの覇者」

============


 この偏ったステータスからも分かる通り、トールは近接戦闘がべらぼうに強い。

 僕が無策で飛び込めば一瞬でやられることは必須だろう。


「ユリウス!準備はいいか?」

「いつでもいいよ、父さん」


 トールの目が変わった。その眼は最早、阿修羅の様。僕が自分の息子だとか、相手が圧倒的に格下だとかそんなのは関係ないとばかりに僕を睨みつける。


 そして、トールの体がぶれた。


「―――っ!」


 僕は本能的に風魔法を使い、後ろに跳んだ。


 この半年、ティオナから手ほどきを受けたためか、僕の魔法の構築速度はかなり早くなっている。


 僕が元いた場所を離れた瞬間、その場にトールが現れ、剣を横なぎに払ったのが辛うじて分かった。使っている剣の刃は潰れていて切れる心配がないとはいえ、あれのスピードで鉄の塊が体に直撃すれば大けがは免れないだろう。

 相変わらず戦闘狂な父親である。


 しかし、僕がトールの動きが見えたのはそこまでだった。

 また次の瞬間、再びトールの体がぶれて消えた。


「―――っ!フレイムスピア!」


 僕は背中に冷たい視線を感じ、咄嗟に振り向きざまに中規模の炎魔法を放つ。


 しかし「ザンッ!」僕が放った炎の槍はトールが一閃した刃の軌道により、真っ二つに割られて消えた。


「・・・うっそーん」


 僕は相変わらずの父親の規格外っぷりにため息を漏らす。


 ってか、反則でしょ。魔法を切るって。


 いともたやすく魔法を切るという離れ業を披露したトールは、僕の首筋に剣を突きつける。



 結局、僕は半年前から数えて五百六回目の降参宣言をしたのだった。










誤字報告、感想、評価等々お待ちしてます!


・・・てか、トール父さん強すぎ(;゜Д゜)

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