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19話 学園生活は前途多難

更新、大幅に遅れて、申し訳ありませんでしたぁあああああ!


今、この作品は書き溜めをしている途中なんですが、ある程度の書き溜めが出来たので、早めに一話だけ投稿することにしました。

次話の更新がいつになるかは分かりませんが……とりあえず、今回の話をどうぞ!



「やっはろー!みんな、ゲンキィ?私は、皆の担任になった、ファナリス先生だよ!気軽に、ファナッチって呼んでくれると、先生はとてもうれしかったりするかな?うんうん!」


『『『………。』』』


 えっと…一応、今の状況は説明しておいた方がいいかな?説明しておいた方がいいよな。


 まぁ、簡潔に状況を説明すると、今は室内アリーナでの入学式が終わった後の、自教室でのLHRロングホームルームの時間だ。ちなみに、僕は一応、入学式にはギリギリ間に合ったのでご安心を。……って、誰が安心するのかは自分でも分からないんだけど。


 そして、そのロングホームルームの時間、僕のクラスの担任である若いエルフの女性が教室に入ってきた途端、いきなりテンションマックスになって自己紹介を始めたと……


 気のせいかは分からないけど、僕の周りって、色々と変な人が多い気がする。

 父親のトールは戦闘狂だし、幼馴染のエリスはヤンデレ化しつつあるし、最近友達になったミチェルは男の娘だし、校長はオカマッチョ、更に担任はテンションマックスのウザい系。


 ……もうね、僕に一体何をしろと?


 一応、僕は今はか弱い子供のはずなんだけどな……まぁ、一人で五千匹の魔物を殲滅できる子供がいるのか?と突っ込まれればそこまでなんだけど。


 …って、そんな事よりも、今は目の前のエルフだ。

 相変わらず、無駄にテンションの高いエルフは長々と自己紹介を続けている。


「ちなみに、ファナッチは今は独身だよ!」


 だれも、そんな事は聞いてないですけどね……まぁ、確かに先生は綺麗だけどさ。


「だから、男子生徒諸君はねらい目だよ!ちなみに、先生のお付き合いする相手の基準は、高収入、顔、この二つだけだから簡単だよ!」


 うわっ!?このエルフ、簡単って言いながら結構高いハードルを設置しやがった!そりゃ、いつまで経っても独身なわけだわ。それにしても、よっぽど結婚願望があるのか、未だに六歳の僕らにねらい目って……うん。なんか、お疲れ様です。


「とりあえず、先生の自己紹介はここまでにしておこうかな?……それじゃあ、次は皆の番だねっ!一番前の窓際の人から好きなように自己紹介していってみよう!」


 ファナリス先生のその一言で、窓際の先頭の席に座っていたエルフの女子生徒が優雅にという表現がぴったりはまるような仕草で椅子から立ち上がった。そして、他の生徒の方を向いて、これまた優雅に一礼する。


「皆さん、御機嫌よう。私はディクレ・アティストラータと言いますわ。これから一年、よろしくお願いしますわ。……ちなみに、私は時間を守れない人は大嫌いですので」


 そう言うと、ディクレは自分の席に着席した。


 あー、最後のフレーズって、多分、僕に向けて言ったものなんだろうなぁ。その証拠に、ディクレさんが着席するとき、僕の事を睨んでいたしな…


 とその時、僕はすぐ横から、何か異様な気配を感じ取った。そちらに目を向けると、僕の隣の席に着席しているエリスがものすごい形相でディクレを睨みつけていた。


「あ…あの、エリス?」

「ユリウス…私を止めないで。私は、あの、くそ女を…私のユリウスを貶した、くそ女を叩き潰してやらなくちゃいけないの」

「だから、それは止めろって!」

「どうしてなの……どうしてなの、ユリウス!それじゃあ、私はユリウスを倒して…」

「それじゃあ、本末転倒でしょ?!」


 本日も、エリスのヤンデレは絶好調な用です。……いや、デレの部分を自分に向けられているというのは悪い気はしないんだけどさ、ヤンの部分が出てくるたび、なんだかとても疲れるのはどうにかなんないのかな…?今度、神様にでも相談してみようか?


「まぁまぁ、ユリウスも、エリスも。今は自己紹介の途中なんだから……ね?」


 僕とエリスが茶番をしていると、僕の前の席に座っていたミチェルが僕たちの方に体を向け、そう言ってきた。その言葉に促されて周りを見ると、周りは少し迷惑そうな表情を作りながら、僕達の方を見ていたので、とりあえずエリスを落ち着かせると、即座に黙った。

 僕のそんな対応を見て、自己紹介は再開される。……ディクレから向けられている視線が一段と鋭い物になったのは、おそらく気のせいだろう。…気のせいのはずだ。うん。


 そしてしばらくして、自己紹介は僕の番となった。

 僕は、前の席のミチェルの自己紹介が終わったのを確認し、席を立った。


「皆さん、初めまして。僕はユリウス・バラージと言います。これからよろしく言お願いします」


 僕は簡潔に自己紹介を済ませ、一礼すると、席に座った。


 周りからは「ユリウス・バラージって……あの、大量殺戮少年バーストプリンス?!」「いやいや…あの大量殺戮少年バーストプリンスが僕達と同じ世代なわけが…」

 と、主に僕の二つ名の事についての話がされていた。どうやら、思っていたよりも僕の二つ名は有名になっていたらしい。ただ、僕自身の事については、あまり知られていなかったようだ。あちこちで上がっている議論の輪は、一向に収まる気配が無い。


 そして、そんな中、僕の後ろの席に座っている生徒の自己紹介が始まった事により、その議論は収束していった。


 それにしても、さっきからこちらを睨みつけているディクレの眼光が一段と鋭くなったような……あぁ、何も起こらなきゃいいけど。


 そんな事を考えながら、僕は残りのLHRの時間を過ごしたのだった。








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