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18話 遅刻には気をつけよう

大体4日ぶりの更新です。お待たせいたしました!・・・遅れたのは、主に大掃除が原因です。年末のお邪魔もの、大掃除。正直面倒なのですが、これを怠ると来年に響くのでグッと我慢してやりきってやりました(。-`ω-)



 生活場所が魔法学校の男子寮に変わっても、僕の朝は早い。


 今日もサリアの実家にいた時のように、いつもと同じく日が上る前に目が覚めた。


 そういえば、こっちの世界に転生してきてから、かなり早起きになったなぁ。転生する前は深夜までネットゲームとか、読書していたから、起きるのはいつも遅刻ギリギリだったし。


 目が覚めた僕はすぐさま飛び起き、大きな伸びを一つする。

 最早見慣れつつある同部屋のミチェルの顔を覗きこむ。・・・うん。やっぱりミチェルの天使みたいな寝顔は本当に癒される。これが男だなんて、本当にもったいないよなぁ。

 いかんいかん。何か、いけない扉を開いてしまいそうだ。


 僕は雑念を頭から振り払うと、ミチェルを起こさないように気をつけながら、寮の部屋を後にする。その足で、僕は学校のほぼ中央にあるグラウンドへと向かった。ちなみに、今の時間帯では、既に寮の鍵は開けられている。ごく少数らしいが、この時間から魔法の自主鍛錬をする生徒がいるからなんだそう。とは言っても、僕が今から練習するのは魔法じゃない。これから僕が鍛錬するのは武芸系統だ。これは、サリアにいた頃と全く変わらない。


 まず、グラウンドの周りを十五分ほどランニング。しかも、行っているのは普通のランニングじゃない。全速力と軽いジョギング程という二つのペースを三十秒刻みに行い、心肺機能に大きな負荷をかけるという方法だ。

 僕はこれを二年近く続けているので十五分持つけど、始めた当初は五分くらいでぶっ倒れた。あれは地獄だったよ、本当に。それにしても、最近はランニングが十五分じゃ物足りなくなってきた。思い切って、もう五分増やそうかな?


 まぁ、それはまた今度考えよう。


 僕は十五分のランニングの後、今度はグラウンドの隅に移動して、軽いストレッチ、そして筋トレを行う。


 この頃になると、今まで僕以外に誰もいなかったグラウンドにチラホラと、他の生徒が自主鍛錬のために来るようになる。ちなみに、全員上級生、しかも成績上位者だ。あれだね、天才は陰で努力するってやつだよね。これ。

 僕は腕立て伏せ二百回をしながら、横目で先輩生徒たちの自主鍛錬を盗み見た。元宮廷魔法士であったティオナから直接指導を受けていたためか、彼らから得られるものは少ない。でも、全くのゼロと言うわけじゃない。


 例えば、中央で火属性魔法と風属性魔法の鍛錬をしている金髪のイケメン。周りには「キャーッ、キャーッ」と四、五人の女子がいる。・・・チッ、リア充か。


 おっと、もう少しでわら人形を取り出すところだった。ここは自重せねば。


 とりあえず、色々とムカつくリア充だけど、彼の火と風の複合魔法には目を見張るものがある。例えば・・・


「炎よ、風に乗って舞い踊れ!『赤化暴風クリムゾンストーム』!」


 比較的短い詠唱と共に、男子生徒の前に炎を纏った小さな竜巻が形成される。あれは、初級魔法を組み合わせた比較的簡単な複合魔法だけど、熟練度が半端じゃない。周りに被害が及ばないように、威力が良く抑えられているのがその証拠だ。魔法の威力はINTステータス、魔法を発動するときのMP効率はDEXステータスで決まるけど、魔法の威力調節は自分で地道に磨いていくしかない。その点、彼の魔法制御の技術はティオナと肩を並べることが出来るレベルだと思う。僕でも、あんなに細かく魔法を制御することは難しいだろう。

 どの世界でも上には上がいるという事だ。


 さて、そんな事を考えている間に筋トレも終わったので、次は素振りを行う。


 まず、アイテムボックスから銀色に輝く宝剣、レーヴァテイン・・・ではなく、先日購入した普通の鉄の剣を取り出す。まぁ、こんな所で宝剣なんて見せびらかすことはないだろう。

 そして、そのまま素振りを五百回。次に、「物体形状変化」を使って、鉄の剣の形を槍や棒、斧に変えてスキルを成長させるために練習を積む。


 そして、次は弓の練習だ。でも、さすがに日が昇って自己鍛錬をする生徒も三十人ほどに増えたグラウンドで長距離武器の練習をするわけにもいかないので、僕はグラウンドに隣接されている射的場へと向かう。ちなみに、ここは魔法の命中精度を高めるための施設で、的まではおよそ五十メートルほどある。でも、特に弓の練習に使ってはいけないとは言われていないので、僕はここを利用させてもらっている。


 所定の位置に立ち、弓を構える。ちなみに、この時に一緒にスキル「遠見」を発動すると狙いが付けやすくなる。そして、その状態から狙いを付けて発射。「ヒュンッ」という風切り音を立てながら、かなりの速度で飛んでいった矢は、的のど真ん中をぶち抜いた。


「うん、最近弓術が上がったせいか、命中率が良くなってきた」


==================

ユリウス・バラージ

種族:ハーフエルフ


レベル33

HP:1250/1250

MP:2373/2373(2873ー500)

STR:2437

DEF:2200

INT:1630

DEX:1741

AGI:2621

LUC:400


スキル:「神通」「看破」「ステータス吸収」「スキルコピー+2」「アイテムボックス」「ステータス隠蔽」「幸運」「剣術+4」「無詠唱」「加熱」「冷却」「槍術+3」「弓術+3」「身体能力強化+3」「精神力強化+2」「遠見+4」「棒術+2」「装備強化+3」「付与+」「徒手格闘術+2」「投擲術+」「斧術+」「物体形状変化」「リジェネレイト+」


魔法適性「火」「水」「地」「風」「光」「闇」


称号:「魔導の申し子」「神性者」「模範者」「大量殺戮兵器」

=================


・・・うん。あれだね。異常なステータスの伸びは、もう気にしないようにしよう。


 弓の練習も終わった僕は、次は魔法の練習をすることにする。射的場から再びグラウンドに移動した僕は、さっきと同じく、グラウンドの隅っこに陣取る。そして、早速、新しい複合魔法を開発するために実験を重ねる。


「うーん、ここはやっぱり水の分子をもう少しいじった方がいいのか?・・・でも、そうするとMP効率が極端に悪くなるし、何より少し時間がかかる。・・・あ、そうか。定義的に言うと、この作業は風属性魔法で代用が可能か・・・それなら・・・」


 その後も、僕の新魔法開発はおよそ三十分に及んで続いた。







 そして、その後。


「・・・って、遅刻だァァァァァァァァアアアアアア?!」


 自室に戻った僕は絶叫と共に、準備に追われていた。


 今日は記念すべき、レゾナンス魔法学院の入学式。そんな大事な日だという事をすっかり忘れていた僕は、朝の鍛錬で思いっきり時間を潰してしまい、入学式が始まる十分前までグラウンドで魔法の練習をしていたのだった。

 そして、やっと入学式の事を思い出した時には、既に後の祭り。急いで戻った寮の部屋にはミチェルはおらず、地味に机の上に置手紙で「ドンマイ」と書かれていた。


 あぁ、叫びたい「図ったなァァァァぁ!図ったなミチェルゥゥゥゥゥゥウウウウ!」と。


 そんな欲求は無理やり押さえて、僕は急いでレゾナンス魔法学院の制服に着替える。


 この制服、魔法がかかっており、僕が着ると、自然に僕の体にフィットするようにサイズが変わるのだ。うん。こういう所は本当にファンタジーだな。・・・って、こんな所に感心している場合じゃない!


 手早く一分で着替え終わった僕は、昨日の内に用意しておいた鞄を持ち、ステータス全開で二百メートルほど離れた、室内アリーナへと走り出した。







いや、懐かしいですね。「遅刻」。

僕も、中学生の時は三日に二日ペースで遅刻してました。中高一貫だったので、高校には響かないと余裕ぶっこいてたんでしょうね。


そして、主人公はまた、怪しげな魔法を実験していましたが、これは後々分かります・・・粉塵爆発ではないのでご安心を。(笑)


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