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第五話
「そんな怒んなよ。帰りにあの店、寄っていこっ」
僕の肩に手を回し、にこっと微笑む吉竹。
「なにこいつ、きもい。語尾はねるとか女かよ」
「お前ひでぇ!それ、ひでぇよ!」
「え、口に出してた?それさ、本心だから」
「うん、分かってるよ…ってひでぇ!!本心だからって追い打ちかけてんじゃねぇよ!!」
吉竹がまた、女みたいにしくしくと鳴き真似をした。
いや、違う。ほんとに涙目になっている気がする。
元々の顔がアホ丸出しなのに、涙目の吉竹はなんか…こう…
胸がぐちゃぐちゃとして、吐き気をもよおすというか
出来れば二度とみたくない顔だった。
まぁ、一言でいうと気持ち悪い。
吉竹、実はオカマ!?疑惑が浮上しなら
僕達はどうでもいい話をしながら、あの店に向かった。