うらしまたろー
今回名無しの(笑)おとーさんが話すのは『浦島太郎』! 何かよく分からん浦島太郎と、マヌケなカメ。さらに乙姫様は……。
むかーしむかし、あるところに。
名無しの父だ。
あ、自分で言ってちょっと悲しくなった。
え? 早く続きを話せ? ……うぅ。はい。
浦島太郎という若者がおりました。
「はーい」
なんだ岳。
「若者って何歳から何歳までですかー」
知らん。
「えっとね~、0歳から9歳までだよ~」
若すぎだろそれは!?
あ、息子&娘が失礼した。
では続き。
浦島太郎が浜辺を歩いていると、カメをいじめている子供たちがいました。
そこで、浦島太郎は言いました。
『こら、カメをいじめてはいけないよ』
すると、子供たちは浦島太郎の釣竿を見て、
『じゃあ魚を釣って殺すのはどーなんだ!!』
「わぁ~、凄くもっともだね~」
浦島太郎は言います。
『魚は食べるからムダにはしない』
『じゃあカメを食えばいいんだな!?』
「何でそーなるんだ!?」
浦島太郎は何も考えずに、
『そうだ、それでいい』
「いーのか!? それでいーのか!?」
子供たちはカメを持ち上げ、母に料理をしてもらうべく走り去っていきました。
カメはなみだ目になりました。
「食べられちゃうんだもんね~」
そして、卵を産みました。
「そっち!? そっちなのか!?」
地面に落ちた卵はつぶれ、中から親ガメと同じ大きさの子ガメが生まれました。
「早ぁ!?」
「どうやって親ガメと同じ大きさに~?」
子ガメはよちよちと浦島太郎のほうへ歩み寄り、
「よちよちってっ!? 二足歩行!?」
『助けてくださって有難うございます。竜宮城へご案内いたします』
と言いました。
「いや助けてねーから!!」
「むしろ煽っちゃってた方だよね~」
『さあ、わたくしの背中にお乗りください』
そう言ってカメは背中を浦島太郎に向けました。
浦島太郎はそれに乗り、カメは海のほうへ歩き始めました。
が。
『重い…………』
「おーい!!」
カメが倒れてしまったため、浦島太郎は海まで運んであげました。
『失礼しました。海の中なら大丈夫です。さ、お乗りください』
浦島太郎を背中にのせたカメは、海の中へ潜り始めました。
そして、五分したころ、今度は浦島太郎が
『く、苦しい……』
「うおーい!!」
「よく五分も息持ったね~」
文字通り泡を吹いて気を失いました。
カメはそれを見て、
『しょうがないなぁ、とりあえず銜えて持っていこう』
そのまま竜宮城へもっていきました。
『乙姫様、乙姫様、コレどうしましょう』
『あら~、ニンゲン? そうねぇ、起きるまで待ってみましょうか』
『はい、分かりました。
それはそうと、今日も醜い顔ですね、乙姫様』
乙姫の額に青筋が浮かび上がりました。
……しばらくして。
空気がある竜宮城で目を覚ました浦島太郎が見たものは……。
青筋を浮かべた口裂け女が、暴れるカメを頭から口に突っ込んでいる所でした……。
『ッぎゃああああああああああああああああ!!!!』
「こえーよ!!」
……だよねぇ。