桃太郎 そのさん
どうも、父です。
いまだ名前はない。
今日も今日とて桃太郎を話す所である。
他のはないのかって? 思いついたら話すよ。多分。
はじまりはじまりー
むかーしむかし、ある所におじいさんと言う名のお姉さんとおばあさんという名のお兄さんがおりました。
「ややこしいな!?」
文句はおじいさんとおばあさんの親に言ってくれ。
「……それって親父じゃねぇか?」
……しまった。
とにかく! おじいさんは川へ洗濯へおばあさんは山へ芝刈りに行きました。
おじいさんが川で洗濯をしていると、犬がやってきました。
「ここで!?」
犬という名の猫です。
「ややこい!」
『あら犬、何銜えてるの?』
犬が銜えていたのはゾウアザラシでした。
「無理があるでしょ!!」
ゾウアザラシという名の金魚です。
「ややこしいと言うに」
『ねぇ、ちょっと見せて』
犬は一目散に逃げていきました。
「何故に」
おばあさんにとられると思ったのです。
「まっさかー。ねーちゃんじゃあるまいし」
「岳、ちょっとこっちにいらっしゃ~い?」
――フルボッコ中につき、しばらくお待ちください――
……はい、失礼しました。
おばあさんが選択を続けていると、川上の方からどんぶらこっこ、どんぶらこっこ、と桃が流れてきました。
「今度は〇〇という名の……じゃないんだね~」
桃と言う名の赤ちゃんです。
「いきなり!?」
だって……桃が流れてきてそこから持って帰ってそれでやっと生まれるって面倒だったんだもん。
「いや、面倒って……」
おばあさんは桃を拾って、言いました。
『何で桃太郎なのに桃しか来ぉへんねんーっ!! おかしいやろーっ!!』
「何故関西弁!? そして話に突っ込むな登場人物!!」
その叫びが山にこだますると、今度はどんぶらこっこ~、どんぶらこっこ~、と、太郎が流れてきました。
『あぁよかった。これで桃太郎になったわ』
「それでいいのか……」
数年後、桃と太郎が大きくなってから。
「途中はしょりやがった」
二人が町を歩いていると、向こうからおじさんが歩いてきました。
「おじさんという名の、何?」
いや、今度は本当におじさんなんだよ。
『え!?』
そんなに喜ぶな。
……喜んでない?そうですか。
おじさんの名前は犬猿雉と言います。
「混ぜた……」
『桃さん、太郎さんこんにちは! 聞きました? 最近鬼が島が出るらしいですよ』
『鬼が島が出る?』
『そうです、確かあっちの方に……』
桃太郎は犬猿雉が指した方へ歩いて行きました。
「鬼が島に歩いて行けるの~?」
しばらくすると、縞模様の鬼が居ました。
「え、鬼が縞!?」
本来なら鬼を退治して宝物を取り返さなければいけないのですが、その鬼は貧乏そうでした。
『桃さん太郎さん、どうしましょう……コイツ人間にも優しいんですよ』
「まるでそれが悪いこと見たいじゃん」
『うー……ん、じゃあこうしよう!』
桃太郎達は鬼を捕まえて、見世物にしました。
「おい」
とっても珍しい鬼が縞のお陰で、たっぷり儲けることが出来ましたとさ、お終い。