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色々、書きたいから。  作者: 呪理阿
おとーさんが語るお話 シリーズ 【ギャグ】
4/24

桃太郎

妹に頼まれ、おとーさんが話始めたのは桃太郎のおじいさんと

おばあさんをちょっと(ちょっと?)ダークにしたお話だった。

とにかくギャグ。最初もギャグ、最後もギャグ。

シリアスなんて物はない。そんなお話。

 始めまして。

 あたしは高山たかやましのぶ

といいま「お父さん~、何かお話して~」

 ……ろくに自己紹介もさせてくれないのでしょうか、こいつは。

 この自己紹介を途中でぷちっと切りやがった……いえ、切ったこの小娘……。

 ではなくて女の子はあたしの妹で高山たかやまひかり

 あたし達(おとーさん、おかーさん、あたし、光)はただいま晩御飯を食べていて、

 光がおとーさんに何かお話をするように頼んでいる訳であります。

「よーし、じゃあ『桃太郎』を話してあげよう」

 桃太郎?



「むか~し昔、ある所に、おじいさんとおばあさんがおりました。

 ある日、おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯をしに行きました

 おばあさんが川で洗濯をしていると、川下の方からどんぶらこ、どんぶらこと、大きな大きな桃が」

「ちょっと待て! 何で川下から桃が流れてくんの!?」

「誰がいつ『流れてくる』と言った」

 む、確かに流れてくるとは言ってなかったけど……。

「大きな大きな桃が、流れてきまし」

「今言ったぁ!!」

「うるさいな~。黙って聞いてよ~、お姉ちゃん~」

 黙ってられるかっ。

「流れてきました。

 おばあさんは、『おいしい桃ならこっちへ来い、不味い桃ならあっちへ行け』と言いました」

 贅沢だな、ばーさん。

「すると、桃はすすすすすーと、」

 近寄ってきたのか。

「遠ざかっていきました」

 おいっ! それじゃ桃太郎生まれないじゃん!

「『あら、残念。今の桃はおいしくなかったの』と、おばあさんは言い、また洗濯を始めました。

 最後のおじいさんのジーパンを洗い終わっ」

「なんで桃太郎の時代にジーパンがあるんだ!?」

「細かいことは気にしちゃ負けだよ~、お姉ちゃん~」

 ……細かい、かなぁ。………………百歩譲ってそういうことにしておこう。

「終わった時、洗濯籠の中に男の子の赤ちゃんがいるのを見つけました」

 なんでそれまで気付かなかったんだばーさん!

「『あら、可愛い男の子だこと。おじいさんにも早く教えてあげなければ』と、

 おばあさんは喜び、タップダンスを踊りながら帰」

「なんで桃太郎の時代にタップダンスがあるんだ!」

「お姉ちゃん~、気にしない~、気にしない~」

 むむむむむ……

「帰っていきました。

 おばあさんが家に帰ると、おじいさんはもう帰ってきていて、ヒーターの前に座っていました」

 なんでその時代にヒーターが!?

 ……口には出さない。また光に『気にしない』って言われるだけだから。

「『おお、ばあさんや、今日はいいものを拾ったぞ』そう言っておじいさんは懐から、

 あの大きな大きな桃を取り出しま」

「桃、山まで行ったの!? ってかおじいさんの懐どうなってんの!? 四次元ポ○ット!?」

「『あら、わたしも今日男の子を拾ったんですよ』おばあさんは言いました」

 え? スルー?

「おじいさんは言いました。『ばあさんや、今日の夕飯は豪華じゃのう。

 桃のソテーに赤子のパフェか』」

 ……もう、突っ込む気力もないや。どうにでもなれ。

「おばあさんはニコニコして『いいですね』と答えました。

 そして、二人は桃のソテーと赤子のパフェという、

 今までで一番豪華な食事にたどり着けたのでした。 おしまい」



「……ごちそうさま」

「あら~、忍~?もうご飯いいの~?」

「もういい」

 食欲なくなった……。

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