朝の約五分の出来事
朝起きたら猫になっちゃっていました~。
人間に戻るため、壮大な冒険が始まる……なんて話じゃありません~。
朝の五分くらいで解決しちゃったのです~。
話す必要がどこにあるのか不明なお話しですが読んでみてくださいな~。
おはようございます~。光です。
誰? とか言わないで下さい~。高山光ですよ~。
「おとーさんが語るお話 ~桃太郎~」の語り手、忍お姉ちゃんの妹ですよ~。
知らない人は読んでください。ぶっちゃけ読まなくても大丈夫なんですけどね~。
あのお話は私がいたからこそ出来たんですよ~。えへん。
はい、自己紹介はここまでにしまして~。私は今とてつもなくびっくりしています~。
……びっくりしているのになんでこんな喋り方なのか~?
ほっといてください~。私は元からこんな喋り方なのです~。
え~と、何にびっくりしているかと言いますとね~。
……私、朝起きたら猫になっちゃってるんですよ~。
ナンデ?
いえ、猫には前からなってみたいな~と思っていたので何の問題も無いのですが~。
……ハテ? 今「いやそこ問題だろっ!?」というお姉ちゃんの声が聞こえたような……。
まぁ、いいです。とりあえず一階に下りましょう~。
「ハァ? 猫になったぁ!?」
最初に会ったのはお姉ちゃんでした~。
お姉ちゃん凄いんですよ~。猫語がわかるんです~。
小さい頃から猫ににゃーにゃー話しかけてたらわかっちゃったらしいんです~。
ナンデ?
まぁそんな訳で今にゃーとしか話せない私にとってはものすごくありがたい存在です~。
……最初いきなり外につまみ出されかけたんですけどね~……。
「何をどうしてどうやったらそんなことになった!?」
お姉ちゃん、興奮気味です~。
『わかんない~。朝起きたらこうなってたの』
『』の中は猫語です~。
「は? ……光、アンタ最近猫に悪さした? 猫を蹴ったとか蹴ったとか蹴ったとか」
全部蹴ったになってます~。
『そんなことしてないよ。なんで~?』
「いや、昨日学校帰りにね、猫のオクサマの噂話でどこぞの猫が蹴られたとかいう情報を盗み聞きしたからさぁ……」
わざわざ「盗み聞きした」というのがお姉ちゃんです~。
正直でよろしい~。
『でも猫にもオクサマとかあるんだね~』
「いや、その話をしてたのは子猫なんだけどね。口調が何か漫画でよくあるオクサマの噂話風だったからさ」
もしそれが人間だったら変な子だね~。
「さて、それはそうと何で光は猫になったのか……」
お~、お姉ちゃんが考え込んでる~。
これ、ものすごく珍しい光景なんですよ~。
だってお姉ちゃん何でも勘で当てちゃうんですもん~。
『あ、あの~、すみません……』
『あれ~、誰か外で謝ってるよ~。私を猫にした犯人かな~』
「んな馬鹿な」
お姉ちゃん、そう言いながら窓を開けます~。
そこには黒猫が一匹~。かあいいです~。
『あ、すみません、え~、とあのですね』
『話し進んでないよ黒猫君?』
お~、お姉ちゃんの猫語発動~。
『あ、ごめんなさい。そっちの猫の方……元人間ですよね?』
『そ~ですよ~』
『ごめんなさい間違えました!』
間違い電話~?
『え~とですね、実はですね……』
この黒猫さんのお話には『え~と』とか色々余計なモノが入っていたのでそれをまとめますと~。
・昨日、黒猫さんは人間の女の子に蹴られた。
・なので、仕返しをしようと魔法をかけてその子を猫にしようとした
・そしたら、コントロールをミスって私が猫になってしまった~
「理由ばからし……」
ごもっとも~。
『え~、と私はどうやったら人間に戻れる~?』
『え~とですね、寝てください。起きたら直ってます。それでは』
あ、黒猫さんいっちゃった~。
「てな訳で、寝ろ。光」
『りょうか~い』
寝るの得意なんですよ~私。
おやすみなさい~。
起きたら人間に戻ってました~。
お姉ちゃんに聞いてみたら夢ではないらしいです~。
結局何だったんですかね~、ホント。
……あの黒猫さんどこ行ったのかな。
ただいま暴走中!(全410話)掲載前に、書いていた話です。番外編に当たります。
本編もどうぞよろしく(という宣伝をしてみる)