タイトル未定2026/08/08 14:41
わたしとこのちゃんは公園の入り口で立ち話をしていた。
ふいにこのちゃんが時計を見る。
「もうすぐだ……」
「何がもうすぐなの?」
このちゃんは不安げな顔で公園の斜め向かいにある一軒家を指差す。
「あの家の階段はね、18時を過ぎると階段の数が増えるの」
「え、なにそれ」
わたしはこのちゃんがあまりによくわからない話をするので笑ってしまった。
「本当なんだよ!この、この前見たの!」
「う~ん、じゃあちょっと一緒に待ってみる?」
ただの興味本位だった。
わたしはオカルトが好きだった。
そんな嘘のような実話があるのだとしたら、つきとめたい!
そんな一心だった。
「でもさ。そんな階段があってそのないはずの階段を踏んだらどうなるのかな?」
「怖いよ…もしかして死んじゃったりして?」
「じゃあわたしたち明日にはどこにもいなくなってたりして」
興味本位だったはずが鳥肌がたってきた。
Tシャツから見える腕がぶつぶつしている。
「なんか2人じゃ心もとないよ」
このちゃんが呟いた。
「お!真希絵!この!またな!」
自転車に乗った同じ小学5年生の真也が手を振って来た。
「あ!真也!待って!」
「こっちに来て!」
このちゃんとわたしの呼びかけのもと、真也も一緒に階段を見ることになった。
そして17時59分。
―――あれは何?
わたしは階段と階段の間にうっすら線みたいなのが出てきているように見えた。
真也は顔色一つ変えない。
「えっさっきからあったんじゃねーの?」
「なかったんだよ!それにその階段の横にも線が伸びてて陰になりそうな予感」
わたしの話を聞いてこのちゃんが青ざめる。
18時。
あろうころかその線から階段が生えたように階段と階段の間に一段低い階段が増えた。
「ほらやっぱり!」
「え?」
「は!マジか!」
取り乱しているとその家の住人で50代くらいの女の人が玄関の扉を開けてゆっくり口を開ける。
「その階段を踏むとね、あの世から戻って来れなくなるの」
「どうして?」
「わたしの旦那が死んでから出てきた階段なんだ。息子がその階段を踏むとね、寝たきりになっちゃった。多分旦那が連れて行ったのかもしれない」




