表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

男子高校生にとっての寮生活とは

作者: Jウォーカー
掲載日:2026/04/10

寮生活って憧れますか?男子高校生初心者には、けっこうなハードルですよ。

4月。桜も葉桜になり、三日に一回は大雨が降る今日この頃。母さん、姉さん、弟よ、いかがお過ごしでしょうか。


 愛知モビリティ高校に入学して、3日たちました。そう、寮に入ってまだ、1週間しかたっていません。


 世界有数の自動車産業が出資しているこの学校の寮は、何もかも豪華で、小市民の自分は毎日異世界に迷い込んだ気分です。

 自分個人の部屋が存在するっておかしいでしょ。

 というか、マンションの一室借りて、3人で住んでるみたいなんですよね。


 3人部屋なんです。同室者がいるんです。


 現実は厳しいです。


 ちょっと、男子高校生初心者には、厳しすぎる現実を聞いてください。


 洗濯ものについてです。


 この寮のルールでは、自分で洗濯するか、金出してクリーニングの2択です。

 自分のことは自分で、とはっきり寮の手引書に書いてあるんです。


 でも、同室のチャラ男(どうみても金持ちのお坊ちゃま)が、小市民の俺の洗濯カゴに、自分の洗濯ものをいれてくるんですよ。


 3日目にやっと気づいた自分も馬鹿ですが。


 チャッピーに相談して、チャラ男君にどう声かけるか、ちゃんとシュミレーションしたんです。


 以下チャッピーの設定です。


シーン:部屋で2人きりのとき、軽く声かける


自分:「あ、ちょっといい?全然大した話じゃないんだけどさ」


相手:「ん?」


自分:「最近さ、洗濯のかごに一緒に入ってるの、もしかして○○のやつだよね?」


(※ここで“決めつけすぎない”言い方)


相手:「あー、うん…」


自分:「ごめん、全然嫌とかじゃないんだけど、この寮って“各自で洗うかクリーニング”ってルールあるじゃん?俺もまだ慣れてなくてさ、ちょっと混ざると分かんなくなっちゃって」


相手:「あー、そっか」


自分:「だからさ、お互い間違えないように、洗濯は別にしとこって感じでいい?俺もちゃんと気をつけるし」


(※“お互い”を使うと柔らかい)


相手:「了解!」


自分:「ありがと!もし困ってたら洗濯のタイミングとか一緒に行くのは全然OKだからさ」


 ありがとう、チャッピー!俺、頑張ります!



 いける!俺は、何度も自室で練習し、リビングで二人っきりになる瞬間を狙ったんです。


「あ、ちょっといい?全然大した話じゃないんだけどさ」


 俺のその言葉にチャラ男は、こちらを振りむいた。

 チャラ男は左手で髪をかきあげながら「なに?」と

 なんかよくわからんブランドっぽいチェックのシャツがよく似合う。左袖から、ごつい高そうな時計がちらりと。


 俺は、金持ちオーラに気おくれしながら、伝えたんです。


「最近さ、洗濯のかごに一緒に入ってるの、もしかしてきみのやつだよね?」


「ついでだろ。やっておいてよ」


 レスポンス早!いや、違う。そうじゃない!

 チャッピー、まずい、まずい、まずい。


 俺は、口元がひきつくのを隠すため、右手で口を覆いました。

 マジで、叫びそうになってしまった。


「いや、ついでっぽく見えるよね」


 俺は笑顔(ひきつり笑い)で伝えてみましたよ。


「でもさ、これだけはちゃんと分けときたいんだよね」


「えー、別にいいじゃん」

 チャラ男のめんどくさそうな顔と声に、自分の小市民が怯えだす。

 金持ちオーラが怖い!


 怯えた俺は、正直にぽろっと言ってしまった。

「自分のパンツに、他の人のパンツが絡むのって、嫌じゃない?」


チャラ男の顔が驚愕に変わったんだ。初めて気が付いたと言わんばかりに。


 やばいと感じた俺は、慌てて

「ごめん、全然嫌とかじゃないんだけど、この寮って“各自で洗うかクリーニング”ってルールあるじゃん?俺もまだ慣れてなくてさ、ちょっと混ざると分かんなくなっちゃって」

と叫ぶ。


 チャラ男の目が揺れている。

 今だ!今しかない!俺はさらに叫ぶ。


「あとでトラブルになるの嫌じゃん?なくなったとかさ。だから最初から分けとこって感じで」


「お、おお」

 チャラ男が引いた。

 俺はそそくさと、自分の部屋に「じゃ」とダッシュで飛び込んだんです。


 部屋に入ってから、扉にもたれ、ずるずると座り込みました。


 「怖かった」

 ちょっと涙もでました。チャラ男の名前も覚えていなかったので、さらに怖くなりました。あとで、表札のチェックをしましょう。


 気まずくなったので、チャッピーに相談しようと思います。



 最初の手紙がこんなので、ごめんなさい。

 来週から授業が始まるので、もう少し、まともな手紙がかけると思います。


 じゃあ、みんな元気でね。俺は、元気です。

こんな男子高校生もいるかも、と思って、楽しんでいただけたら、幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ