metalほか
『metal』
文化を求めて
瓦礫に埋もれ
ああと答えて
席に着く
並べる食器に
向かいのあなた
浮上する機体
こんなにも
水浸しの系統樹
死に滅び絶える種の
しかし主を待つシステムは
なお稼働し
命が多くても少なくても嘆く命の
傲慢に惚れたの
ささやくような唇
その歌声が君でした
『aphantasia』
この世の中に「きれい」なんてあるの?
愛するって、愛されるって
どこのページに書いてあんだか
小間切れの希望抱いて、他人はラクだと言い張って
背中が痛いよ。眠ろうか
浮遊した感覚は指先の痙攣
性善説をもっぱら信じるわ
だってそれしかないもの
誰かを抱こうとする権利さえ
見下す心の安寧は
すぐに疲れて飽きるから
空振ったどれそれの主張も
ひたすらに孤独、安寧
ねえ
きれいな人って死んでもきれい?
裏返ったカーテン また落ちて
言葉だけが巡る白亜
どうせいつかは骨か土
『ocnophilia』
死にたくないわけではない
死んで無になるのか知らんが
今まで生きてきたことが
間違ってたと
なんの意味もなかったと
そう告げられるのがなんとなく虚しい
寂しいなんて通俗な
それはもっと美少女が言っていいセリフ
野獣だかスパダリだか知らんが
きっと誰かが助けてくれるね
どっかしらに下心を持ちつつ
まあいいじゃないか下心を持たれるだけ
一人じゃないってことだ
生きてていいってこと
性的な価値がすべてだと
誰が言ったわけでもなく
精密機械を作れたり
新しい概念を発掘したり
人々を感動させる文を書いたり
一人ひとりに
この世はすべて
分担作業だと
アリの法則で
できないやつと頼れないやつ
世間はこれに厳しいが
全くできないやつと全く動けないやつ
世間はこれに優しい
自分がそうなりたくはないからだ
生まれつきでも
そうでなくとも
命は素晴らしいものだと
子どもとかかわいそうな人とかが
作文を読んでハキハキと
それに涙する人たちは
今日も朝ごはんを食って
便をして
寝る
平等も平和もイロイロも
どうせこないけど
生まれくる者にはそれを伝えて
なにかを守っていい気になっている
サンタクロースども
残すモノと残さないモノを
ひと粒ずつ選別している作業を
一体誰がしているのだろう
私か?
私がそこに入れるのか?
だったらいいなあ
私もその
素敵な組織に加わりたい
無理か
残す作業も
それをする役目にも選ばれず
ただ今日も子宮を持て余し
誰かいればいいと
誰か来ればいいと
祈るだけの
ゴミ
ごめんなさい




