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〜HSPの少女〜 三限目

4月はとても忙しい。委員会や学級の役員、教科の係ぎめや掃除場所などさまざまな事が決まっていく。


そんな中、二見さんと前山くんが順当に級長になっていた。


「ふーちゃんってすごいんだよねー」

と谷さんがつぶやく


「そんなすごくないよできる事がみんなの前で話す事だから」

と二見さん


「私みんなの前に立つだけで緊張しちゃうな」

と市木さんがつぶやく。


「私だって緊張しないわけじゃないんだよむしろ苦手な方でも信頼されているのにやらない方が自分にとって心の負担になってしまうのよね」

と少し真剣な顔で言った


市木さんは心の中で

二見さんでも緊張するんだと少し安心した。二見さんみたいなタイプの人は緊張しないのだとばかりおもっていた。


「私は指名されて答えるのすらまともにできないことあるんだよね。あってるか間違ってるか怖くて」

と市木さんが言う


「私もだよー。だから予習めちゃくちゃするもん」

と二見さん


「えー。すごい。そんな努力をしてるんだ」

「もちろん毎回じゃないけどねー」

「だから点数もとれるんだね」

「なんか一回点数取れる人って思われたらやらないといけないじゃん」

「それはわかる。私もだから塾に入れてもらって勉強してるんだ」

「大変だけど自分たちのためになるしね」

「2年生になると少しずつ受験に近づいてくって感じもするしね」

「そうだよね。勉強頑張らないとね」


その時チャイムが鳴る

「あー話し込んじゃったね席に戻ろー」

と谷さん


「やばっそうだねー」

と二見さんと市木さんは声が重なり2人で微笑み合い席についた。


放課後

「今日の帰りもカフェ行こうよー」

と谷さんがが2人に声をかけた


「ごめん塾」

と二見さん


「私も」

と市木さん


「そうかーまた今度にしようか」

と谷さんが寂しそうにつぶやく


「ごめん、ごめん絶対に行こうね!」

二見さんが谷さんに申し訳なさそうに微笑みかける。



何気ない会話


何気ない1日の光景


何気ないできごとだけど


何気ないことだと思えない人がいる







谷さんは次の日学校に来なかった


その日の昼休み


「たーちゃんお休みだね風邪でも引いたのかな?」

二見さんが心配そうに市木さんにたずねる


「おやすみだね。なんか昨日最後寂しそうな顔してたからなんか気になっちゃって」

「そうだよね。やっぱり寂しそうな顔だったよね」

「なんか2人の間に私が入っちゃうカタチになっちゃってそれで来にくくなってるとかないかな?なんか申し訳ないなと…」

「全然大丈夫!体調悪いだけだろうし」

「いややっぱり私のせいかもしれない」

「1日休んだだけだし大丈夫だよ気にしすぎ気にしすぎ!」

「でも、昨日2人だけでいたらあんな顔しなかっただろうし…」

「そんなことないよ!考えすぎだってー明日になったら風邪ひいてましたーって元気にくるから!」

「そうかなー」

少し涙目になってしまう市木さん


その様子を見て居ても立っても居られないなくなり

「なら先生になんで休んだか聞いてみようよ!何か教えてくれるかもしれない」

と二見さんは先生のところへ向かって行った。


「谷さんなんでお休みなんですか?」

と二見さん

「谷さんのお休みの理由ですか?体調不良とだけ…」

馬締先生が濁しながら答える


「そうですよねー。でもなんか言ってませんでした?」

少し不安そうに二見さんが馬締先生に聞いた。その時馬締先生の目に同じように不安そうな顔をしている市木さんの様子が目に入った。


「何か不安な事があるんですか?」

馬締先生が2人に聞く


「実は…」

二見さんが答えかねてると谷さんが勢いよく

「私が仲のいい2人の間に入ってしまい楽しそうに二見さんに勉強の話ばかりしていたから谷さんに嫌な思いさせちゃったかなってしかも昨日誘われたのにカフェに…せっかく誘ってくれたのに塾ってじゅくって…断っちゃって…」


勢いよく話したと思ったら泣いてしまっていた。


「落ち着いて話せるところに行きますか?」

馬締先生から声がかかり

2人は頷く



〜保健室〜

「さっきの話をまとめると市木さんは自分が2人の関係に入って行ったことが原因で谷さんが休んでしまったと思っている。それが事実かどうかを、確かめて安心させてあげたくて二見さんは来てくれたということでよかったですか?」


「はい」

「ゔぁぃ」


「泣かなくて大丈夫ですよ!出ちゃう涙を止めて!と言っても無理なのは分かってますが(笑)大丈夫落ち着いて気持ちを整理していきましょう!」

市木さんをなだめつつ二見さんに向かう馬締先生

「まず、欠席の理由ですが個人の情報になるのでなぜ休んだか詳しい理由まではお答えできません。ルールだからということもありますが、私が知っていることを伝えることが谷さんにとってプラスになるかマイナスになるかわからない中でお伝えすることができないことをご理解いただけますか?」

二見さんは頷く。

「そして市木さん。いろいろ不安になってしまう気持ちとてもわかります。自分が相手のためにならない行動をとってしまっているのではないかと考えてしまっているんですよね。」

市木さんも頷く

「ですが、事実はわからない。ただ風邪で休んでるだけかもしれないですし、市木さんのことが原因で休んでいるわけではないとも言い切れない。わからないことで悩むなと言っても難しいのはわかっています。恐怖はわからないからこそ出てくるものなのですから。」



「じゃあ私はどうすればいいですか」

市木さんが不安そうに聞く。


「友達を信じてあげましょう。そんなに思い詰めなくてもと言ってもいろいろ考えすぎてしまうんですよね。でも自分だったらどうでしょうか。自分が休んだ理由は、二見さんが取られたから、話には入れなかったからだと、谷に思われている状況を。いやですよね。友達として信じてあげてください。体調不良ですけどね(笑)」


その場はそのまま解散となった


その日の帰り

「たーちゃん明日はくるかなー」

二見さんが市木さんに問いかける

「体調不良だしくるよね」

と不安そうにだが市木さんがかえしていた

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