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〜HSPの少女〜 一限目

今年度は、このクラスをお願いします。


校長先生から言い渡された。


2年5組

5クラスある中で端っこのクラスである。職員室からとても遠いところに教室があり、少し気分が重くなる。


そんな中、1番近いクラス(一組)

担任&副主任&生徒指導の猪狩卓先生が


【今年もよろしくお願いしますね。馬締先生】


と話しかけてきた。

私は猪狩先生が苦手だ。怒るのが早い。名前の通りである。そして声が大きい。


そろそろ落ち着いてほしい。


大きな声を聞くと私も怖くなってしまうのである。


ただ、悪い人ではないのだ。明るい人で生徒からの信頼はとても熱い。教科はもちろん保健体育。絵に描いたようなスポーツマンである。プールの時期には、女子が見惚れてしまうほど。


まあ、猪狩先生の話はここまでとして…


「今年もよろしくお願いします!」


と明るく返す。今年度はたぶん、たくさんお世話になるだろう。なんだかんだ言って頼りになる先輩だとは思っている。


【そういや今年先生のクラス不登校傾向の生徒が多めなクラスだよね】


「そうなんですよー」



〜情報〜

文部科学省の調査によれば、2023年度の中学校における不登校生徒数は約19万人で、在籍生徒に占める割合は6.0%に達しています。 これは前年度と比較して約3万人の増加となっており、10年連続で増加傾向にあります。


不登校の主な要因


不登校の背景には多様な要因が存在しますが、主なものとして以下が挙げられます。


不登校の背景には多様な要因が存在しますが、主なものとして以下が挙げられます。

• 学校生活への意欲の欠如: 不登校生徒の32.2%が「学校生活に対してやる気が出ない」

• 不安・抑うつの増加: 23.1%が「不安や抑うつ」を訴えており、心理的な支援が必要とされています。

• 生活リズムの乱れ: 23.0%が「生活リズムの乱れ」を理由に不登校となっており、夜更かしやゲーム依存などの影響も懸念されています。

〜情報〜




【まあ、主任からメンタル面は馬締先生がフォロー生徒指導面は俺が受け持つと言われているしやるしかないよな】


「そうですね。去年から知っている子も多いですし、なんとか頑張っていきましょう」


《今年もよろしくお願いしますね。》



どこからともなく主任が現れた。

主任の名前は髙橋愛先生

女性主任でかなりのやり手。どんなヤンチャな生徒も髙橋先生の手にかかれば、前向きに頑張り始める。特殊能力みたいなものを持っている。


《私抜きで楽しいお話してたんですか?》


【いやいやそんなつもりはないですよー】


「今年もお願いしますといつもの挨拶してただけです」


《そろそろ学年の打ち合わせ行いますよ》


【「はーい」】


年度当初は会議が多い。学校の運営についてや、学年の運営について、アレルギーの確認や気になる生徒について話をしていく。


《今年の5組は不登校傾向の生徒が多いです。》




さっきも聞いたような…


《まあいろんな生徒がいるので楽しくやっていってください。私が今現在特に気にしているのが市木さんです。》


【去年私が担任していた生徒ですね。少し情報提供をさせていただきます。資料にも書いてある通り、昨年度2月ごろから休みが増えています。2月に5回、3月に7回そまでは休みはしていましたが月1ペースでした。原因は、保護者と話したのですがよく分からずという状況です。】


《ありがとう猪狩先生。少し、繊細な生徒なので私も気にはしていたのですが》



んー繊細さんか。私と同じHSP傾向があるのかもしれない。


〜情報〜

1. 大勢の人がいる場面

• 教室や体育館のように、多くの人が集まる場所では音や会話、周囲のエネルギーに圧倒されることがあります。

2. 騒がしい環境

• 大きな声や物音、雑音が苦手で、集中力が低下したりストレスを感じることがあります。

3. 競争やプレッシャー

• テストや運動会などの競争が強調される場面で、結果を求められるプレッシャーに押しつぶされそうになることがあります。

4. 批判や指摘

• 他人からの批判やネガティブなフィードバックを強く受け止めてしまい、長時間気にすることがあります。

5. 急な予定変更や不確定な状況

• 突然の計画変更や、先が見えない状況に不安を感じることがあります。

6. 感情的な場面

• 他人が怒っている場面や、感情的なやり取りを目にすると、自分のことではなくても強いストレスを感じることがあります。

7. 一人の時間が取れないこと

• 静かに自分をリセットする時間がないと、疲れが溜まりやすくなります。

8. 大勢の人との会話や発表

• グループディスカッションや人前でのスピーチが苦手で、自分の意見を伝えるのに戸惑うことがあります。

〜情報〜



《年度はじめは変化が大きいのでよく観察してください生徒情報はここまでで次は〜〜》



年度当初はやる事が多い

生徒の情報交換や学活の内容を決めたり

総合学習の内容にいて確認したり

給食当番のやりかた


保健指導について


年間行事


生徒指導の注意点


後は……

数え始めたらキリがない

なんだかんだ自分の仕事をしていると…

気がついたら…


生徒を迎え入れる日になっていた。


そんなばかなーーーーーー

と思っても、もうなっているのである。


教師に36協定などない


〜情報〜

教員の労働時間の基本的な仕組み

教員は、労働基準法が適用される一般の労働者とは異なり、「給特法(公立学校の教師給与特別措置法)」に基づいています。

• 給特法の特徴:

• 残業代が支払われず、「月4%の教職調整額」が一律で給与に上乗せされています。

• この調整額は残業時間にかかわらず一定です。


2. 実際の残業時間

• 教員の業務は、授業だけでなく、以下のような多岐にわたる業務を含みます:

• 部活動の指導

• 採点や授業準備

• 保護者対応

• 校務分掌(運営や管理業務)

• 行事の準備

• 文部科学省の調査では、中学校の教員は平均して1日11時間を超える勤務をしているという結果が出ています。

• 長時間労働が常態化しており、過労死ライン(80時間/月以上)を超える教員も多いです。

〜情報〜


《猪狩先生と馬締先生は昇降口に立ってください。クラス名簿の掲示をお願いします。その際生徒指導上の問題がないか確認もお願いします。》


【「はーい」】


廊下にて


【馬締先生残業時間いくつ?】

「29時間」

【勝った28時間】

「変わんないですよほぼ」

【4月を平和に過ごしたい】

「そうですよねわかります」

【もう生徒きてるなー】

「早いですね。新学期でクラス早く見たいですもんね」

【まあ張り出してやるか】


[せんせー今年も私たちのがくねんですか?]

【今から張り出すから見てくれー。】

[張り出すってことは学年の先生なんだー]


初日の昇降口は騒がしい


クラスの名簿を見た瞬間に笑い合う生徒、泣き出す生徒、一目散に教室に入っていく生徒とさまざまである。


「猪狩せんせーあの子髪の毛少し明るくなってないですか?」

【明るいなちょっと話してくる】

「その間みてますねー」

【たのんだー】


そう初日はいろいろあるのである。

カメラをもっている先生に写真撮ってーと言っている生徒と一緒にいるのに写真撮らないでと逃げる生徒。んーどっちやねん。


あと、1人ポツンと立っている生徒


1人ぽつんと


あれ?


市木さんじゃない?


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