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2.もっとゲロの話をします


 ゲロ始末をしつつの繁忙期だと前回お伝えした。


 過酷になることは前もって覚悟していたことだけど、やっぱりすごくしんどいもんである。


 自分の中に鬱々と毒素が蓄積していく感じがはっきりと分かる。思考も身体もどんどん重くなっていく。


 この毒素をなんとかして排出したい。


 そういう時にどうすればいいかといえば、やっぱり吐くのが手っ取り早い方法なのだと思う。


 そう、つまりゲロだ。


 実はこのエッセイを投稿する前に、1万字以上のエッセイを書いてみて、結局投稿せずに削除した。


 その後もう一度別の角度からの視点でやはり1万字程度執筆してみて、やっぱり削除した。


 これをゲロに例えるなら、1万字分ゲロゲロと吐いてみて、こっそり後始末をしたあと、やっぱり吐き足りなくて再度ゲロゲロしたということになる。


 もちろん2回目も人目に触れないうちに一人で片付けた。


 2回もゲロゲロしてみたけど、まだすっきりしなかった。


 でもこのわだかまりをなんとかして言語(ゲロ)にしたい。

 そうしないとすっきりしない。


 今ちょっと試しに言語という言葉にルビでゲロと入力してみたけれど、なんだか原稿(ゲラ)みたいでかっこいいかもと思ってしまったがどうだろうか。どうでもいいか。



 ゲロで迷惑をかける人にはなりたくない。


 前回そんなことを書いてみたものの結局、自分だって人様に自分のゲロを見せるような醜態をさらす人間だったんだなって、ちょっと自分に幻滅してしまった部分もある。


 そして人前で公開ゲロをしないと次のステップに進めないという自分の変態ぶりにもちょっと驚いている。


 びっくりしたことにゲロエッセイにあたたかいコメントをくださる方も現れ、気づいたことがあった。


 ゲロをして人に迷惑をかけたくない。

 ゲロは人目に触れないようにしてするものだ。


 当たり前のことだと思うし、人として最低限のエチケットだと思う。


 そう思う気持ちに変わりはない。


 けれど、もしかしたら私は誰かに、ゲロをしている最中に、ただ背中をさすってほしかったのかもしれない。

 そんなことに気がついた。


 自分に余裕がなくゲロゲロ吐いてるときに、そっと傍で背中をさすってくれる存在のありがたさ。


 もしかしたら私は、その優しさが欲しいがためにこんな汚いゲロエッセイを吐き出してしまったのかもしれない。そんなことを自覚した。



 おそらくこんなにゲロを連発する汚いエッセイの2話目まで読もうとする人は、ゲロに耐性を持つ猛者たちなのだろうと思う。


 もしかしたら、人のゲロを両手で受け止めるくらいの慈愛と気合と根性に満ちあふれた人たちなのかもしれない。


 素晴らしい人たちだと思う。


 ぜひ身近な人たちがゲロをしていたら背中をさすってあげてほしい。


 ただし両手で受け止めることだけはご遠慮願いたい。


 おそらくそこまでの大いなる包容力と優しさで受け止められてしまうと、吐いた側の人間も最大級に恐縮してしまうと思う。


 それほどまでにほとばしる優しさを持て余していたとしても、短期間集中的に誰かへ注入するのは待ってほしい。


 愛は一度にたくさん注ぎ込むよりも細く長く途切れることなく注ぐのがいいと思う。

 愛が重すぎると離れてしまう人もいると聞く。


 一度にたくさん注げば、きっと吐いてしまうかもしれない。



 背中をさするだけできっと救われる。


 前からではなく後ろから優しさを届けていただきたい。背中に伝わる温かさだけでも、十分に苦しみを癒やしてくれるから。


 そして私も、今のゲロが片づけ終わったその時は、今まさにゲロを吐いてる誰かの背中をさすれるような人になりたいという気持ちになりつつある。



 私は今回、このゲロエッセイを投稿したことで、一歩大人の階段を登れたのかもしれない。


 

 自分の中に蓄積したわだかまりを、あまりにも直接的なメタファーではあるが、ゲロと例えて表現していくことで、実際にゲロをしたかのように排出が進んでいくのを実感している。


 だいぶ頭がすっきりしてくるようになった。

 こころなしか胃も軽くなったような気がする。


 たぶんこれで2月もなんとか乗り切れると思う。



 そしてこんなに汚い題材でエッセイを書くことなんて今後当分ないと思うので、もう少しだけゲロに関連した話を続けていきたいと思う。



 きっとこの作品で私のことを知った方は、私の他の作品を読むときに『ゲロの人が書いたやつかー』という気持ちで読むことになるのだろう。



 なんだかちょっと楽しくなってきた。

 

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