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僕が大人になりたくない理由  作者: 絲離 露稀
1/1

「いうことききなさい」

「僕は思います」


パッと暗闇にスポットライトが照らされ、真ん中に少年が。ここは少年の部屋の様。少年は言いました。


「大人って何のためになるの?」


少年は続けます。


「大人になってなんの意味もない。ただただ屁理屈を言ってウザイだけの大人になる意味って、なにもないと思います」


少年の後ろにはドアがありました。ドアが開きます。光がパアッと入ってきます。


「なにしてんの?」


ポニーテールの女性が入ってきました。


「うっわああ!ね、姉ちゃん、ビックリさせないでよ…」


どうやら少年のお姉さんの様。


「勝手にビックリしたんでしょ…。で?なにしてたの?電気なんか消しちゃってさ」

「べ、別になんもしてないよ…」

「? そう?じゃあもう夕飯できてるから、早く食べてね」

「はーい…」


お姉さんは部屋を出て行きました。


「今日のご飯なにかなぁー♪」


そう言って少年は部屋を出て、階段を降りていきました。


少年のご飯は生姜焼きと味噌汁と白米でした。


「いただきまーす」


少年は美味しそうに口いっぱい生姜焼きを頬張りました。

たまに白米もぱくぱく食べました。

味噌汁も、美味しそうに飲みました。


「ごちそうさまでしたー」


少年は食器を流しに持っていきます。

流しにはお母さんがいました。

お母さんはとても若いです。お姉さんと同じ、ポニーテールをしていました。


「宿題やっちゃいなさいよー」


お母さんが少年に言いました。


「うーん」


少年が生返事します。

お母さんは怪訝そうな顔をしています。その顔には「ちゃんとやるのかしら…?」とでも書いてありそうでした。

少年は階段をのぼって自分の部屋へ行きました。


1時間後ー


少年は部屋でゲームをしています。

お母さんが入ってきました。


「宿題やったの?」

「やってなーい」


またしても少年は生返事をします。


「さっきやりなさいって言ったよね!?なんでいうこと聞けないの!?」

「聞いてなくないし」


少年は言います。


「じゃあもう知らないからね」


お母さんは怒って出て行ってしまいました。


部屋がバッと暗くなります。

パッとスポットライトが少年に当たります。


「ほら。今みたいなことです。僕はちゃんとお母さんの言う()()を聞いてたのに、言うこと聞いてないって言われるんですよ?大人ってウザイんです。だから僕は大人になりたくないし、大人になっていいこと何もないと思います」


少年は、お母さんの言う「いうこと」が「お母さんの言うこと」つまり、お母さんが発した「言葉」だと理解しているようです。


でも少年は、机に向かい、宿題を始めました。

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