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兵装

「それは慣れていくしかないやつね。私なんか一発で縦横無尽に動けそうよ。今のゴーレムで動かせないものはないわ。皆のイメージがまだ弱いだけよ、たぶん」


そう、知っている生物そのままの姿のものでないと動かせない、というアレだ。

あれは動かせないのではなく、動くさまを想像できない操縦者の方に問題、というか仕方がない縛りがある、というものだった。

私なんかは元の世界で機械で動く様々なものを知っていたから動く理屈があるものは動く、という想像が容易にできたけど、機械類、勝手に動くようなものがまだ風車ぐらいしかないこの世界では、生き物以外が動くわけがない、という思い込みが魔法を阻害している、のだと予想した。実際サキラパさんのような理解力が高い人や、ハームルさんのようなあるがままを受け入れる人には少しの訓練で自在にいろんな形のものを動かせるようになったから。


今では魔導機械とも言える、魔力で単純な動きをさせることが出来るものが開発され、それらはゴーレムなどに応用されているので、私の関係者では訓練なく似た生命体がいない形でも動かせるようになってきている。が外部の人ではさすがにまだダメのようだ。


先程の説を他者に説明したこともない気がするし。


解決策は、実際にそれが動くものだと認識すること、だから二人の前で私が動いてみるのが一番ね。

02と変わっていったん駐機させてたんだけど、再び01に乗り込む。ベフォセットは乗らない。飛ぶわけじゃないし、02の様子をしっかりと見ておいてもらおうかと。ついてきているゲゴがしっかり見てるけどね。


タイヤ止めみたいな支え棒を外してもらい、フェザーフォールを軽いジャンプ中にかけて地面に着地、接地したことでフェザーフォールが切れた瞬間にレビテーションを使って浮かび上がり、一瞬の脚の負担も吸収する。ちゃんと浮いたと確認してから風の属性石を発動させ最初はゆっくりと、だんだん速くしていく。曲がるときはベクトルの力の方向を緩やかに変えつつ、姿勢制御で大きく曲がって見せる。


一度わざと運河を渡って移動して見せる。元の世界のホバーでも違いがあるのかは知らないけど、レビテーションで浮いているので下が地面だろうと水だろうと関係はない。ただ水だとあまり低く飛びすぎると、空気の力や風の属性石が作り出すベクトルに引っ張られて水しぶきが上がることを確認した。防水は必須ね。


走り回ったのを見せつけてから、副腕を使って魔法を投射してみようと考えた。

走りながら呪文を詠唱し、副腕で手振りをして、最後に翼と一体化した本体に触れる。翼の先、横に黒い球体が作られ、手振りに呼応してそれが横に発射される。


「ダークネスショック」


元々ゲゴが開発したゴーレムのための格闘戦用魔法だ。格闘戦用だけど投射魔法でもある。黒い球体は投射されてからゆっくりを進み、一定量進むと自然と消えた。もし投射後に触れると衝撃波を食らってしまうという魔法だ。


本体は魔法の発動体としての機能も与えてあるので、翼の先から発射することも出来る。やろうと思えば機首部分からでもコックピット下からの撃ち下ろしも可能だ。


よし、機動しながらでも詠唱魔法が使えた。この飛行先行量産型は魔法投射型ゴーレムでもあると実証できた。まあそんなに使わないと思うけどね。使うのはコパイロットになるベフォセットになるから。けど一応パイロットでも可能、と。


ついでに翼に収納している全自動クロスボウも撃ってみよう。設計上自信がなかったので翼の前から発射されるのではなく後ろに発射されるクロスボウだ。どうせ誘導するのだからわざわざ危険な前に撃つより後ろに撃って誘導したほうがいいと思ったのだ。それを試してみる。


前進しながら発射。若干斜め上後ろに発射されたボルトには魔法をかけてあって、私が認識した目標地点へ誘導する。今回は私の進路前方に向かって誘導させたので、斜め上後ろに飛んだボルトはその勢いを殺さないで急角度で曲がり、あっという間に01を追い抜いて目標地点に突き刺さった。

地上にいる兵士など、緊急回避が出来るようなものには当てにくいものの、空気に縛られている空を飛ぶものにはほぼ当たる攻撃だ。誘導している際には光を放つのでまるで元の世界で見ていたロボットアニメでのホーミングレーザーのようにも見える。威力も元々のクロスボウの威力も高い上に誘導の力でさらに速度も上乗せされているので思った以上に威力は出る。九号相手ならちゃんと当てれば一発で腕を吹き飛ばせるほどはあるはず。

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