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交代

とりあえず、飛行ゴーレム開発会議は中座して、与えられている自室へ戻る。そこで会食用の衣装に着替える準備をする。皇帝陛下の前に出られる衣装なので申し分ないだろう。


「えっと、ベフォセット。悪いけど一度送還するわよ。ルオンに来てほしいから」


「我輩は構いませぬが護衛はどうします? ルオンは護衛できませんぞ?」


「あーそうね。いきなり襲われることはないとは思うけど、念の為グゲに来てもらうわ。忠告ありがと。それじゃ返すわよ、パサヒアス様によろしくね」


そういっていったんべフォセットを開放した。一応召喚って形で呼び寄せてるから、送還しないと他のコを呼べないのよね。魔力をふんだんに使うけど、まあ大丈夫でしょう。


べフォセットを送還したあとすぐに、ルオンを召喚する。


「緊急の御用のようですが、いかがしましたか?」


ルオンがいつの間にか私の前で片膝をついていた。


「早速来てくれたわね。じゃあすぐで悪いんだけど、ざっとでいいからなるべく早く、ここにきた第二軍の将軍の素性を調べてくれる? 私が着替えている間に帰ってこれるかしら?」


「余裕です。リン様さえお許し願えるなら、お着替えの最中にでも報告しましょう」


「ええ、それじゃそれでお願いするわ」


ルオンは返事をするとその場からスッと消えたように見えた。もちろんこの部屋はいつも通り密室だ。扉を開けることもなくルオンは消えた。

ルオンにとって調べる対象への距離があればあるほど移動のための時間がかかるだけで、調べること自体に時間はかからないらしいから、すぐ近くの味方ならすぐに調べてくれると思ったのだ。予備知識0よりはいいでしょう。


着替えるためにメイドさんを呼ばないと。それを呼ぶついでにグゲに護衛に来てもらうよう伝えてもらうように頼んだ。ここの管理をしている人にね。


すぐにメイドさんが二人ほど来てくれて、私の衣装、ドレスを着させてもらう。一人じゃ着れないからね、これ。


ドレスを着、改めて髪をいじってもらっているときにルオンが帰ってきたようだ。もちろん姿は見せず、声すらも私にしか聞こえないようだ。隠密性が非常に高い。こちらが話すときも独り言ですらない口を少し動かす程度でも聞き取ってくれるようだ。


「ご報告します。第二軍の将を名乗るものは、名をガーランドといい、勇猛果敢としてそれなりに評価されております。しかしながら疑り深く、慎重な面もあります。それ故か皇帝陛下を含む上司からはやや評価は低いですが、下にはそれなりに慕われております。所属は完璧に帝国で皇帝陛下に忠誠を誓っており、他のものの言いなりになることはないと思われます」


「なるほど、ありがとう」


「個人情報などは入りますか?」


「ルオンの判断で私が知っておいたほうが良いと感じるものがあれば教えて頂戴」



「リン様、緊急のお呼びと聞き、参上しました。お着替え中とのことですので扉の前でお待ちいたします」


さっそくグゲが来てくれたようだ。ずいぶん硬い言い方だけど、ここは人間の土地だから合わせてくれているようね。


「そうですね。帝都にリン様ほどの娘が一人いるようですので、リン様に害意を持つ可能性は低いと思われます。なお名前はセーラです」


ふむう、お前の家族を知っているぞ、名前もな。とかかなりの脅しになりそうね。もし悪意がひどそうならそれで刺すのもいいかもね。


「ありがとう。それでは時間が出来たらすぐに送還すると思うけど、それまでは警戒、特に竜王国からの襲撃、をお願いしておくわ」


「わかりました」


そういうと同時に私でもわずかにしか分かっていなかったルオンの気配が消えた。


「お待たせいたしました。終わりました」


そう言ってメイドさんたちが離れた。


「ありがとうございました。呼ばれていますのでさっそく出向くことにします」


下がって頭を深々と下げているメイドさんたちに軽くお礼を言って、扉を開け、グゲと同流し、聞いていた場所へ訪ねます。

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