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文化

領主代行のセレナさんに直談判する必要すらなく、十分な対応をしていただいていた。


生活する場所は元々あった迎賓館みたいな皇帝陛下が寝泊まりしていたところをそのまま使わせてもらえることとなった。

また研究所として拡張予定だったゴーレム工房を使わせてもらえることになった。元々あったゴーレム工房を拡げるために隣に建築していた建物をそのまま。ゴーレム工房の隣だしかなり便利だ。

人員もライクーンにいたゲゴの配下まるまると【技工】のギグ、次期技工のゼルンたちもベフォセットを酷使して連れてきてもらった。サキラパさんは陛下に何か言う必要もなく勝手に弟子たちを連れて来てくれた。……一応最前線なんだけどなぁ、ここ。まあレニウムでもそうだったからいいか。


ガギはやっぱりライクーンの維持にまだ必須のため居残りらしい。ラキウスも。彼の胆力や性格なら飛行型のテストパイロットに向いていると思うんだけど、仕方がない。


三日とかからず整ってしまった。ゲゴはさっそく鹵獲したゴーレムを自分のものにしちゃうし。


「やはり魔法に関しては我らジュシュリの方が神話の技術を残しているようですね。まあ帝国ですらそうだったのですから、よく分からない小さな国などは、竜が関わっている部分以外は取るに足りません」


「ゲゴがそこまで言うんだ。けど竜の部分は分からないのね」


「ええ、残念ながら。文献にもあまり載っていなかったようですし、こちらには竜は一匹もいませんでしたから。それにどうも魔法というより素材の方面のようですから……」


といってサキラパさんの方を見る。


「いうて帝国にも竜なんてごく少数しかおらんし、そもそも討伐とかしとらんから、竜素材なんか出回ってないで。稀に遺骸が出てくる程度やし。竜の鱗一枚でも貴重品や」


「そういえば前の戦いで死んだ竜は回収したのですか?」


「はい、我輩めが遺骸はそのまま管理保存させていただいております。我らには単なる素材にしか見えませんが、彼の国ではそうとも限らず、遺体でいいから返せと言ってくる可能性もありますので。その際は返すべきでしょうから」


「え? ベフォセットが常識的なことを言っている?!」


「……我輩がいつ非常識なことを言いました?」


「あ、いや、魔族のくせにーって」


「そういう偏見はやめていただきたく。我ら魔属とて他種族の心理をわざと無視して怒りを煽るような真似は……一部の者はそういう属性なのでしますが、少なくとも我輩たちはしませんよ」


「その一部が非常に悪い評判を作ってる気が……」


「それは魔属に限らず、どこにでもいるでしょう。自らの所属する集団の利益を考えられないものが。属性という理由があるだけましだと思われますが、我らが魔属は」


「まあ、ね。となると竜素材は使えないか」


「鱗や爪、牙程度なら彼の国も使っておるようですし、いいでしょうが、他の部分はね。彼らにしてみれば、そういう生え変わるもの以外を使ったゴーレムとなると、フレッシュゴーレムを見た感じになるやもしれません」


「フレッシュゴーレム……。ああ、そうね。それは不気味ね。竜の素材を使うのは当面やめておきましょう」


フレッシュゴーレムとは、人間の死体を使ったゴーレムのことである。大概は醜く人の部分部分をパーツとして使っている悪趣味なやつだ。幸いこの世界では見たことも聞いたこともないが、べフォセットがそれを知っているということは、やっぱりどこかにはあるのだろう。

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