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一撃

四つ足でゆっくり近づいてくるブラックドラゴンを見下ろせる位置に来た。ブラックドラゴンは私に気づきはしているけど、特に何もしてこない。ふふ……空中から攻撃されたことなんかないだろうからね。今まではドラゴンの専売特許みたいなものだったかもしれないけどさ。


警戒されるのも嫌なので、初手で新兵器を使う。ゴブリングレネードボーラ、略してゴブグレーラ?

二つの球体のゴブリングレネードを鎖で繋いだものだ。遠心力を利用して投げると、鎖が相手に巻き付いて爆発する、という地獄めいた兵器だ。


ブラックドラゴンの首の付け根当たりを狙って投げつけて、いったん回避する。こちらに頭を向けようとしていたから。


「グゲ、まだだからね」


一応グゲにも声をかけておく。


ゴブグレなので管理がたいへんだからこの一発だけ持ってきてもらった。ボーラは簡単な構造なのにあまり見かけないので、バレないかな、と。これはゴブグレの破壊力で威力を出す武器になってるけど、本来は絡みついて相手を拘束する武器だ。絡みつくときにそれなりのダメージも与えるけどね。


首を動かしたのでその長い首の途中に絡みついて爆発した。大きさ的には吹き飛んでもおかしくはないはずなんだけど、吹き飛びはしなかった。さすがにかなり硬い。けど、かなりの出血を伴う大ダメージを与えたようだ。……自分でやっておいてなんだけどだいぶとグロい真似をしてしまった。


もう【竜の咆哮】もブレスもないだろうと判断して、目標のブラックドラゴンの近くに戻って来る。


「グゲ、降りなくていいわ。もう一体の方をお願いするわ」


そういってゴーレムバリスタを撃ち下ろす。撃った瞬間光り輝き、安々と龍の鱗を貫いていく。


その数瞬でブラックドラゴンは声を上げることも出来ずに死んだ。


……やっぱり強大な敵だと分かっていても気分は悪いわね。ヒュージアントのときは必死だったからましだったのかな? それともドラゴンのほうが人間に近いから?


「おめでとうございます。これでドラゴンスレイヤーを名乗れますね」


「……そうね、ありがとう。次に行くわ」



対空という概念がなさそうな敵軍なのでこちらは悠々としている。と思ったけど。


「回避を!」


え? 瞬間右側へスライドさせるように急加速させた。私がさっきまでいた地点に雷が落ちてきた。まだ私のところまで皆が進軍してなくてよかった。


「コールライトニングです。あいつですね。あのサンダードラゴン」


敵の陣奥深くで低く滞空して飛んでいる黄色い竜がいた。部分的には緑もあるな。あいつがサンダードラゴンね。確かにイエロードラゴンより体格もいい。


コールライトニングはヤバい。一瞬で軍が壊滅しかねない。強そうだけどあいつに喧嘩を売るしかなくなった。


一気に加速して敵陣に突っ込んでいく。後ろの味方からは無謀に思われるかもだけど、仕方がない。


グゲはある程度私の行動で悟ってくれたようだ。

「私を敵の上へ、それでなんとかします」


「我輩もそれを支援します。ぜひそうなさってください」


急速に近づいてくる私に向かって敵ゴーレムたちが弓を撃ってくるけど、これはさすがに回避の必要すらない。私の速度に対応しきれていない。偏差撃ちはしてきているみたいだけどね。

サンダードラゴンを狙っていませんよアピールでゴーレムの一機にゴーレムバリスタを射掛けておく。魔力がもったいないのでこれは強化してもらわなかったけど、一撃で大破にまで持ち込めたようだ。敵に動揺が広がったのが分かる。これでサンダードラゴンを討ち取れれば楽に対処できそうだけど、どうなるか?

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