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テルル到着

べフォセットを置いて、陛下がいる近くへ飛行実験型で向かって、陛下の馬車が差し掛かるまで待つ。


「どうした、リン。テルルでゆっくり待っておればよいのに」


陛下の指示により特別に許されて直接に報告することが出来た。



「なに? ドラゴンに襲われただと? このへんにドラゴンなぞ住んでいたか?」


護衛として一緒に馬車に乗っていた近衛兵、確かスティーブンが答えた。


「いえ、我が領土内にはいないかと。ただ竜王国の方面には生息しているかと……」


竜王国とは、現在の戦争相手、竜信仰が盛んな神聖クーテヌス王国、のことを指すようだ。


「ドラゴンの強襲を退けた後、テルルに向かいますと火の手が上がっていたので、私の魔法で消火してまいりました。またドラゴンを退けた際に街道を荒らしてしまいましたので、今べフォセットに修復させているところです。あ、テルルへは伝言でですが陛下がもうすぐ到着することは先触れとして伝えております」


「ふむ、そのようだな。テルルから迎えが来たようだ」


確かにテルル方面から一団がこちらに向かっているようだ。騎兵が三騎と、あれは魔法使い? が一人、駆けてきた。


魔法使いと思ったのは見知った人だった。左足をジュシュリ特製の義足に変えたサーチェスさんだ。なんかサーフボード?みたいに盾っぽいものに乗って滑ってきている。日頃からレビテーションを使いこなしているようだ。


陛下は待ち受けるようなので、私も近くで小さくなっておく。四人が陛下を視認したと思ったらすぐさま下馬して歩きで近づいてきていた。よほど急ぎでなければそうなるよね。


まあいろいろと細かいやり取りがあって、彼らはドラゴンがこちらに向かって飛んでいった上に、そちらから皇帝陛下が来られる予定だったから、テルルの騎兵とそれについていくことが出来るサーチェスさんを慌てて送り込んできたらしい。テルルは今最前線だから全力で出撃するわけにはいかないけど、それなりの数の兵士も迎えに出てきているらしい。


ドラゴンを私が追い払ったのが計算外なだけで、テルルとしては正解な行動、というか火事起こされているのにこちらに救援を送れるとか、まあ確かに皇帝陛下に万一があったら最前線とか言ってられないのも事実だけど、なかなか肝が座った人がトップなのだろう。


なんとか無事にテルルへ陛下とともに入ることが出来た。百人ばかりの兵士と五体を超えるたぶん十二号型が迎えに来てくれた。即応でこの人数はけっこうすごいかもしれない。それと十二号、話には聞いていたけど、確かに九号の改良型ね。一目見て、これはなかなだな、って思った。これがもう旧型なのか、まあ有線だから仕方ないけど。


テルルの軍トップとして出てきたのは第一軍第二師団の師団長、らしい。どういった軍構成なのか知らないけど、この世界に師団とかあったのね。師団ってけっこう新しい軍単位だった気がするけど、アニメの影響でざっと調べただけからそんなに詳しくはないのよね。

師団長は歴戦の勇士、みたいな見た目をしたいかついおじさんだった。


「テルルに駐屯している軍を指揮しているセルウッドと申します。皇帝陛下にはご機嫌うるわしゅう……」


兜をとって挨拶してきたその兵士? 将軍? 団長でいいのかな? そのセルウッドさんの定型文な挨拶を陛下は手をひらひらさせて、終わらせた。


「挨拶は良い。出迎えご苦労であった。しばらく世話になる。あとのことは副長とスティーブンに任せよ。セルウッドはサーチェス、ローガンを連れて後で参れ。今までのテルルの状況を聞いておきたい」


なぜサーチェスとローガン? もしかして私もいるから? 現在はジュシュリに属しているからここの軍の人から見たら外部の人間だから、話を聞きやすいとかもあるかもしれない。

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