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となるとうっとおしくない客でいないといけない。今までなら義足関連で手伝ってもらうことも多かったけど、今の義足は本当にメンテ不要な感じで、休憩時に外さなくても困ることはないと思う。けど、昨日寝る際に外したらけっこう負荷がかかっていたようだったので、外しておいたほうがいいかも。魔力もまだ十分にあるし、休憩中に回復すると思うから魔力を込めて足を外す。


「お御足、お預かりします」


そう言ってマグダレーナさんが外れた義足を持ってくれた。そして目を丸くしていた。


「……この義足は……、見たこともない機構が使われているようですね。素晴らしいです」


「マグダレーナさんは義足の技術者なのですか?」


若干足は熱を持っていたようだ。ただ今までは義足の仕組みにより熱を取っていただけで負荷自体はかかっていたのかも。それでも二年前の義足と比べたら全然だけどね。けど外せる時は外した方が良い気もする。


「はい、一通りは勉強しておりますので。今はゴーレムの整備を勉強させていただいているところです」


やっぱりマグダレーナさんは技術者だったようだ。


「そうでしたか。ご興味あるのでしたら休憩中義足を見てもらってもいいですよ。私は座って休んでおりますし、用件はそこに控えているベフォセットがおりますので」


「いいのですか! ありがとうございます、拝見します」


マグダレーナさんとは世間話をしながら休憩した。その際に念のため魔力回復のためのタブレットを飲んでおく。


「ふー、素晴らしい義足です。斬新で繊細な機構がこれでもかと。これは真似してもいいものなのでしょうか?」


え? 真似できるの? それはそれですごい気がするけど。


「私が作ったものではないので、真似していいかどうかは分かりかねます。もしよければその真似したものを作って一度ライクーンの義手義足工房へ送ってみてはどうですか? 縁がありますので話は通させてもらいますから」


「いいのですか? 仕事しながらとなるので時間はかかると思いますが。よろしいのでしたら修行がてら作らせていただきたく」


「ええ、見ただけで作れるのでしたら即戦力でしょうし、ぜひ挑戦してみてください。ベフォセット、都合出来るかしら?」


「ではマグダレーナ様、こちらをぜひ受け取ってください。材料費にはなるかと。あとこのゴーレム工房にも話をつけておきましょう」


「え?! えええ!! そんな、悪いです。私はただ、興味が湧いただけですので」


「ぜひお願いしますわ。私からの依頼、ということで」


貴族としての力で押し切った。……結局迷惑な客になってしまったかも。けどもしかするとすごい人材かもしれないものを見過ごすことは出来ない。特にゼルン一人に負担をかけているのも悪い気がするし。



もう一度しっかり見てもらってから義足をつけてもらった。その手腕は手練の技術者のそれだった。やっぱりこの人には才能があると思う。


その後、整備が終わったので、飛行実験機を受け取り、それに乗って砦の主閣に向かった。受け取った際にベフォセットを通じてゴーレム工房の長に話をつけておいた。またルオンに時間があるときマグダレーナさんを調べるように言っておいた。私の脅威になる人はいないみたいだけど、別の方向から違うものがあっては問題だから。口だけなのか本当なのかもある程度察しが付くだろうし、調べてもらえたら。

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