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老ゴブリン

義手義足はここライクーンが主な製造場所で、メンテナンス品もここに多くが送られてくるらしいし、新規制作のために訪れる人も多いそうだ。いまや義手義足のユーザーは他国の一般市民にまで及んでいるらしい。帝国は義手義足に関しては制限をかけずに広めているようで、今は他国にも義手義足の技術者はいるとのこと。


けど腕前としてはやはりライクーンが一級品で、かつ新製品の発信地でもあるのでとても人気があるらしい。ただ出来る限り安くしているのであまり儲かりはしていないそうだ。それでも数が多いので他人が羨む程度には稼げているそうだ。


今では、帝国ではゴブリンは義手義足の職人である、との認知が広がっており、差別というか忌諱は減っているそうだ。しかし他国ではさすがにそこまでいっておらず、それがゴブリンの拡散、ひいては技術の拡散を阻んでいるらしい。それは良いことでもあり悪いことでもあるので流れのままに放置しているとのこと。うん、それでいいと思う。


ギグはゴーレムに関しては関節部の提案など義手義足のフィードバックをしている程度であまりタッチしてないらしい。今は主にサキラパさんとガギ、【魔術】のゲゴが中心となって開発しているそうだ。

うん、まあ、元からそんな感じで、私が中心だったからねぇ、そっちは。



「わしなどはもう二度とリン様とお会いできないかもと覚悟しておった次第でしたので、本日は大変嬉しく思いました。どうもゲゴが魔法開発局で忙しくしておるようですので、良ければ行ってやってくれませんか? わしらは、特にゼルンはまたすぐにお会いできる機会もありましょう」


【技工】のギグが五神官の中で一番、世代が違うレベルで年上だし、そう思っても当然かもしれない。心配をかけさせてしまった。ハイゴブリンなので寿命はまだまだあるとは思うけど。


そんな感じでギグたちは退出してしまって、まだ時間はあったので、さてどうしよう?と思ったら、眼の前に魔族のルオンが現れた。さすが隠密を得意としているものだ。ただ会話のみで接触すら避けているみたいなので、暗殺とかは出来ない。



「お久しぶり、ルオン。どうしたの?」


びっくりして心臓どきどきしてるけど、冷静を装って今まで通り普段通りに振る舞った。



「お久しぶりであります。私はリン様の代わりにパサヒアス様からの命令により、この街に出入りする外国人の精査を秘密裏にしておりました。過去には何名かスパイが入ってきましたが、今は大丈夫でございます」


考えてみれば当然か。確かレニウムにすらスパイはいたみたいだし、ここは義手義足の一大拠点でもあるし。けどなんで今のタイミングでそんな報告を?


疑問に思ったのでルオンに聞いてみた。


「いずれ報告せねばならぬことでしたし、ランク殿からも頼まれておりまして。すでにそこまできておりますので彼らを入れていいですか?」



え? ランク老?


もちろん許可すると、部屋の外で私の警護をしていたハイゴブリンの護衛とともにランク老とクザナが入ってきた。


「ああ、会えて良かったわランク老、それにクザナも」


本心である。ハイゴブリンに比べゴブリンの寿命は短い。その上ランク老は二年前からゴブリンの平均寿命を上回っていたはずだから。クザナももう平均は超えてしまったかもしれない。


「リン姫様! 生きておりますぞ、このランク! 魔法開発局へ参りましょう。ご案内します」


「クザナもついていきます。リン姫様とお話できる機会が今後あるとも限りませんので今しなくては。いくつか話したいこともありますので」


二人共興奮気味に魔法開発局とやらに案内してくれるようだ。二人共老ゴブリンだが護衛としても申し分ないし、お願いしよう。

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