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飛行

「リン、用意できたそうや、そのまま乗って行ってくれるか。うちらもついて行くし。十五号型についていってくれ」


見てみると十五号型が建物から出てきてこの敷地の出口に向かって歩いて行っている。その後ろにサキラパさんとゼルンがついていっている。サキラパさんがどうも制御棒を持っているようだけど、確かに制御棒から線は出ていないし、十五号型からも線は見えない。これが無線型か。


十五号型についていくと、すぐに向かっているのがどこか分かった。最初に皇帝陛下にあった時、レニウムからテレポートしてきた、あの場所だ。確かにここからならすぐにレニウムに行ける。


同乗してきた、というより私達が割り込んできた感じなのだろうけど、二台のゴーレム馬車と幾人かと一緒にレニウムへ向かう。レニウムへは私の感覚では数カ月ぶりなだけなんだけど、二年ぶりの帰還になるのかな? まあ公式なものではないから、誰かと会っても挨拶する程度になると思うけど。


「レニウム定時転移、出発します」


係の人の声とともに陣の中にいる物資、人、ゴーレムが転移した。



風景が一瞬にして変わる。ここは見慣れたレニウム。のはずだけど、けっこう変わってる。

こんな一直線な広い道はなかったし、舗装もされていなかったはず。なにより当時は砦だったはずが元のちゃんとした街に戻っている感じだ。これが二年の年月か。


兵士たちがそれなりにいた。どうも、この道を滑走路として使って良いようだ。街の人達は慣れっこになっているのか、あまりこちらに興味は持っていないようで、立ち止まって見ている人は少ない。


遠視で確認してみたけどこの道はちゃんと通行規制されているようで、端々に兵士が立っているし、誰もいないことは確認できた。


よし! 飛べないと思うけど飛んでみるか。だめだったらフライで飛ぶし。あと最高速度がどこまで出るか試してみたい。


「それじゃ飛行実験開始しますので、付近の方は離れてください」


拡声の魔法でそういいつつ自ら陣を出て滑走路になった道に足をつける。



「最後は飛ぶと思いますが、それはたぶんフライで飛んでます。……ではいきます!」


一気にフル加速してみる。だいぶと早い、足裏の風の属性石が作り出したレビテーション以上に機体が浮き上がっている気がする。けっこうGもかかってる。けど私でも耐えれる程度だ。そこまでじゃない。思ったよりは飛んでるけど、やっぱりこのままではフライ並に飛ぶのは無理そうだ。


もう南門が見えてきた。この速度で門にぶつかったら多分死ねる。腕ではなく羽を制御してなるべく揚力を得られるようにした、けどやっぱり足りない。数メートル浮き上がった気がするけど、その程度だ。


もう南門は目前だ。仕方ないけどここでタイミリミットだ。フライをかけて急上昇する。ここのGが一番きついね。魔法の吸着で済ませているけど、シートベルトみたいなものはあっていいかも。正面からのGなら背もたれがあるからいいけど横Gを受けたら椅子から滑り落ちかねない。まあ飛行型に乗るなら魔力もそれなりにある魔法使いだろうから、吸着ぐらいは使えると思うけど。


そのままミリシディアの方向へ飛んでみる。けっこう姿勢制御もいいし、足を鳥のように畳めるから空気抵抗が減って十号機より飛びやすいね。あれは本当に人の形、しかも角ばった、のまま飛んでたからその辺はフライで無理やりだったからね。

こうなってくると腕もむき出しでなく、飛ぶときは流線型のカバーとか、なんらかの考慮があってもいいかもしれない。空中で戦うなら無用だけどさ。


このままミリシディアに飛んでいきたい気分だったけど、レニウムで待っている人多数なので引き返す。

うん、やっぱり旋回するときのGがきついね、十号機のときと比べてずっと早いからね。

私のフライがより強力になってる感じもするけど、足の属性石のおかげで本当にパワフルになってるんだと思う。これを最初の想定通り、腰にも、あと出来るなら翼にもつけることができたら、相当早い、飛行機体になれそうだ。


あとは揚力だけど、それは私の中では解決済みだ。翼を鳥の羽ではなく、あの断面の形に作る、なんていう知識はこの世界にはないはずだし、けどそれを制作できる技術はあるはずだ。いざとなれば複葉にすればいいし。

フラップぐらいの動きはゴーレムにしなくても機械的に出来るだろうし、あとは尾翼関連がどれほど必要になるか、だね。さすがに全翼機の知識はない。


まあともかくゴーレムの性能だけで飛ぶ必要はなく、フライの支援となる程度の性能でいいんだし、ここまでこれてるなら、あとはもうそれほど難しくはなさそうだ。実際今の機体でもフライですごく安定するし楽だし早い。

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