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普及

「無線! 私もそれを模索していましたが、実現できたのですね」


「まだ有効距離に問題がありますが、最近では有線だと線を切られることが多く、使い物にならなくなってしまっているようですので……」


人間相手の戦闘となると、当然相手は線を切るように狙ってくるでしょうね。当然の成り行きだし、これから先のことも見える。おそらく無線にしても、いや無線だからこそ、妨害してくるでしょうね。魔力が電波と同様に妨害できるものなのかどうかは分からないけど、減衰もするんだし、電波みたいなものであるという考えのもと動かないとね。



「無線はベフォセット様の提供してくれた属性石技術に依る賜物です」


「俗に属性石と呼んでいますが、無属性の石もあるのですよ。それらは魔力の伝播性が強くてですね。【魔術】のゲゴ殿が苦労して無線化に成功しましたよ」


べフォセットとゲゴのおかげだったか。ともかく理想の動きが出来ているようだ。有線のままだと射撃戦しか出来ないからね。相手にもゴーレムがいるなら弱点看破されてて当然だし、逆に向こうが先に無線にしてなくてよかった。さらに言えば、相手も無線化してくるのに備えて考えないと。


「よくやってくれました。相手のゴーレムの性能は分かりますか?」



「はい、敵を一機、鹵獲したものを解析したことがあるのですが、ほぼ九号型でしたので、最低でも一世代はこちらが優れているはずです。拾弐号型は主に関節および魔導線の改良がされておりますので、目に見えて機動力はこちらが上のはずです」


「それなら人相手でもなんとかなりそうですね。間に何号か型があるようですが、実験機ですか? 拾弐号型は前量産機らしいですが」



「拾壱号機は、リン姫様がお眠りになられたときに使われていた十号機が全損となったため、後継として作られた機体です。長い間そのままでしたが、最近飛行実験機として使われています」


「飛行実験?! 確かに空を飛ぶゴーレムの構想はありましたが、私無しで進められたのですね、素晴らしいです。おっと、ごめんなさい。続きをお願いします」



「はい、拾弐号型はおっしゃられた通り、前量産機で現在もっとも普及している機体です。拾参号型は拾壱号機の量産型と言えるもので、生産性が悪いため少数だけ量産されている魔法投射型です。十四号機は現在二機ありますが、無線操縦実装の実験機と十五号型の原型機となっております」


「魔法投射型も少数とはいえ量産されているのね。二年前は生産性が悪すぎて出来なかったんだけど、なにかあったの?」


「はい、肝である繊細な動きが出来る腕の生産が早くなりました。人間に依る義手の生産が始まったおかげでもあります」


「ああ、帝国の人間の技術者が増えたのね」


「せや、義手の生産が開始されたことで修理にも職人がいるようになったから、帝国主導で大々的に職人を育成してるからな」



「私みたいに不自由な人にも普及していってるのかしら?」


「帝国では臣民が義手を買う場合は補助が出るらしいです。また職人にも帝国から手当が出ているので安く修理なども出来るようです」


「そんなに手厚くしてるのね。その財源は……?」


「ゴーレムやな。今は馬型が普及していっとるところやから、だいぶと帝国は潤っているで。国外にも売られているみたいやが、整備や修理技術はまだ帝国が独占しとるから、メンテナンスとかでも儲かるからな。まだ他国は数年は追いつけないと思っていたんやが……」

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