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トーク

「きゃぁぁっーっ! できた!

 すごい、すごいっ!

 これは楽しいね!

 これがあったら、スマホいらないかも!」


なんで、(つむぐ)がこんなに喜んでるのか、

正直、僕にはよくわからない…

それより、なんだよ、僕、はんぺいたって…


僕と、紡の間の空間に浮かぶ文字たち。


〖そのぬいぐるみって、なに?〗


〖ぼく、はんぺいた!〗


これ、会話になっている…

アレ? 僕の方がおかしいのか…


「会話になってるな…」


「当たり前じゃん。

 何って聞かれて、答えてるんだから。

 こりゃ、先が長いわ」


「なんだよ、何が長いんだよ」


楽しそうだった雰囲気が変わってきたな。


「言い出しといて、なんなんだけどさ、

 百言主(ひゃっことぬし)さまへのお礼は、またこん…」


「なんだよ、言いかけて止めるなよ、

 気になるじゃないかっ」


あ、また表情が変わった…

なんか、いいこと思いついたって顔だぞ。


「お兄ちゃん!

 明日、百言主神社にお礼しに行こう!

 やっぱりお礼は直接言うべきだよ。うん。

 そうだ、そうだ、そうしよう。

 私も行くから。ね? 決まりっ!」


なんで、そう決まりなのかは分からないけど


「確かにお礼は直接言ったほうがいいか…」


「よし。じゃあ、そう決まったところで、

 話題を変えるよ。

 お兄ちゃんの聞いて欲しいことって、なに」


「お、おぅ。急に来たな…

 えっとさ、百言主さまに言われたんだけど

 僕の気質が厄介で、肯定的な考えがない。

 それだと、言葉が誰にも届かないって」


「うん、そうだね。

 お兄ちゃんはそうだね。それで?」


「会話という物の意味をわかってないって。

 言葉の本質を理解してないって。

 そう言われたんだ」


「ふむふむ。

 さすが言葉を司る神様だわ。

 今日一日で、お兄ちゃんのこと、

 完全に見抜いてるじゃんね」


「そうなんだよ。

 それで、学べって言われてさ、

 肯定的ってどんな事なのかって、

 考えたんだけど、何を肯定するのか

 よく分かんないんだ。

 何を肯定するんだと思う?」


「全部に決まってんじゃん」


「全部ってどういうことだ?」

意味が分らない。


「あのね。

 肯定的がわからないんだったら、

 その反対は?」


「否定的」


「だよね、例えばだよ?

 お兄ちゃんの話をさ、

 私が、そんなことあるわけない。って、

 言ってたら、今のこの会話は無いよね」


「そうだな。僕も話してないと思う」


「じゃあ、立場を逆にしてみようか。

 私が、お兄ちゃんに、

「百言主さまからアプリ貰ったんだ」って

 言ったとしたら?」


「そんなことあるわけない。って、あっ!」


「わかった?

 それがお兄ちゃんの悪いクセ。

 百言主さまが言う、ダメな気質。

 人の話を聞く前に、まず否定する。

 たぶん、お兄ちゃんはただの

 ツッコミのつもりで、

 軽く言ってるかもしれないけど、

 それ、いきなり会話終わらせてるから」


「否定してるな… 確かに」


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― 新着の感想 ―
[一言] なるほど。 いきなり頭ごなしに否定の言葉を掛けられたら、会話終了さようなら、ですね。 妹ちゃんもまた、辛抱強いというか、好奇心のためなら最短距離を突っ走るというか。
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