幼馴染との恋は決して実らない
告白が上手く行かないなんて分かってる。だけど自分の思いを幼馴染である彼女に伝えたい。
(俺は美咲の事が、お前の事が好きだ。)
想いが収まらない。彼女を思うこの気持ちだけは誰にも変えられない。
「用事って何かな、アキくん。」
北見美咲。幼少の頃から恋い焦がれる幼馴染。彼女には想い人がいる。そしてそれは俺じゃない。
(振られるなんて百も承知だ。)
だけど俺は告白をしなければいけない。例え振られようと後悔だけはしない。
「美咲___好きだ、俺と付き合って下さい!」
魂の叫び。希望なんてない。けれどケジメをつけなければ俺は前に勧めない。
「______ごめんなさい。アキ君とは付き合えない。」
分かっていたさ。振られることなんて。だけど胸が凄く痛い。
「瀬名の事が__好き、何だよな。」
もう一人の幼馴染。アイツは何でも自分の上を行く。勉強もスポーツも、容姿さえもが完璧。分かってるさ、そんな奴に勝てない事なんて。
(でもしょうがないだろ、好きになっちまったんだからさ。)
「うん、セナくんが好き。」
あぁ、俺って奴は.........つくづくと馬鹿だな。彼女の気持ちなんてとうに知ってたのに傷ついてる。
「あ、あぁ、そう、だよな.......」
動揺するな。彼女の気持ちを優先しろよ。
「上手く、行くと良いな、」
口から出た最初の言葉はそんな言葉だった。俺はなんて顔をしてるのだろうか。きっと彼女からしたらみっともない顔だ。
「ごめん。」
彼女は再び謝る。
(惨めだな、俺って)
「謝らなくても良いよ。美咲の想いが届くと良いな。」
届くと良い。嘘だ。心の奥底では正反対になれって願っている。
「うん、頑張るね、」
何処か気まずさを出す美咲。
「おう、頑張れ!それと俺とは今まで通りの関係でいてくれるか?」
もう元の関係には戻れない。断言する。此れは唯の足掻きだ。
「もちろんだよ!」
彼女は即答でそう答えてくれた。けれど俺は何処か虚無感を感じた。それから数日が経った後、美咲は瀬名と腕を組んでいた。
「うぅ....」
涙が溢れる。俺は惨めだ。幼馴染であり親友である二人を心の底から祝ってやる事は出来ない。
「何で、なんで俺は何時も.....負け組なんだよ。」
全てを平然と奪っていく幼馴染。自分の唯一欲しかったものまで奪われる。
「はは、報われねぇなぁ......」
好きな人が幸せなら満足だと抜かす奴は偽善者だって言ってやる。




