表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/54

21 アイテムボックス

 入学前にオーレリアン先生に出された課題は二つありました。

 一つ目の魔法陣の方はそこそこ順調なんですが、もう一つのアイテムボックスの方が未だに上手く使えません。


 別空間に領域を仕切ることはできたんですよ。結構大きな領域を自分用のスペースとして確保できました。

 これがアイテムボックスってことで間違いないと思います。

 そこからがどうやってイメージしていいのかさっぱりわかりません。

 どうやったら、このアイテムボックスに物を出し入れできるんでしょうか?


 最初はボックスっていうくらいだから、ふたみたいになってないかなと思っていろいろ開けようとしてみましたが、ビクともしません。

 次にアイテムボックスに穴を開けるイメージをしてみたんですが、なんかすぐに塞がってしまうというか、アイテムボックスを加工するってことができない感じ。強引に穴を開けたままにすることは許してくれない感じです。


 そのアイテムボックス目掛けて物を転移させるイメージをしてみたり、アイテムボックスに向かって物を投げつけるイメージをしてみたりと、思いつくままにいろいろ試してるんですが先に進みません。

 イメージが貧弱なのかなぁ。


 残念ながらギブアップって感じになって、オーレリアン先生に小鳥でメッセージを送ることにしました。

「アイテムボックスが上手く使えません。アドバイスをお願いします」

 小鳥はパタパタと飛び立っていきました。ほとんど待ってる間もなくすぐに小鳥が帰ってきました。

「今からなら時間がとれるから、わしの研究室まで来るのじゃ」


 さっそくお母様に一言伝えて転移魔法陣で出発です。転移魔法陣を使えることになったおかげで一人で外出させてもらえるようになって行動範囲がぐんと広まりました。

 といっても初等学校と魔法大学のニヶ所だけなんですけどね。


「シャルロットちゃん、もらったチョコレートがあるぞ」

「ありがとうございます」

 さっそく、わたしはムシャムシャと貪ります。家でもうおやつは食べた後ってのは内緒です。

 成長期だからいくら食べてもいいんです。ちっとも大きくならないけど、わたしの摂った栄養はどこへ行ってしまってるんでしょう?

 オーレリアン先生の研究室はいつ来てもお菓子が置いてあるのがいいですね。

 わたしは完全に餌付けされてます。


「それで、どんな感じなんじゃ?」

 わたしは現状を一つ一つ説明します。別空間に自分用のスペースを確保できたこと。そのアイテムボックスにアイテムを入れるためにいろいろ試行錯誤してることを。

「ふむふむ、だいたいわかった。多くの者が同じようなところでひっかかってるが、シャルロットちゃんも同じところでつまづいたようじゃな」

「そうなんですか?」

「んむ、実はわしも同じようなところでつまづいたんじゃ。その時、わしの師匠から言われたアドバイスをそのままシャルロットちゃんにも贈ることにしよう。

 それはな、別空間に無理やり腕を突っ込んでみるのじゃ」

「無理やり腕を突っ込むんですか?」

「んむ、そうじゃ。無理やりじゃ」


 わたしは言われたとおりのことをイメージしてみた。腕を突っ込もうとしても空間の壁が固くて突っ込めそうにありません。

 この壁を突破するにはどうしたらいいんだろう?

 しばらく考えていたら前世での修行を思い出しました。剣に魔力を宿らせることでとても硬い敵でも切ることができたっけ。

 それなら、腕全体を魔力で覆って空間の壁に無理やり突っ込めば!


「できた!」

「さすがシャルロットちゃんじゃ。あれだけのアドバイスですぐにできるとは思わなかったぞ」

「ありがとうございます。イメージの方向が違ってたのがわかりました」

「慣れるまでは要らないもので練習するんじゃぞ」

「はい、わかりました」


「では次の課題も与えておかないとな。

 シャルロットちゃんがもともと使えていた瞬間移動と、この前の魔法陣による転移がまったく別のものってのはわかるじゃろ?」

「はい、似たような効果ですけどぜんぜん別のものなんですね」

「んむ、そうじゃ。では、転移を魔法陣なしですることができるかな?」

「え、そんなことができるんですか?」

「できるんじゃよ。魔法陣の助けがないと短距離でもすさまじく魔力を消費するが可能じゃ。

 いろいろ考えてイメージしてみるがいい」

「わかりました。やってみます」

 わたしは何度もお礼を言って、オーレリアン先生の研究室を後にしました。


 新しい課題はずいぶん難しそうな気がします。

 ということで、とりあえずアイテムボックスの方を完全に使えるようになることが先決かなと、そちらの訓練を優先することにしました。

 家に帰っておもちゃのボールをアイテムボックスに入れてみたり取り出してみたりと。

 どうやらアイテムボックスから出し入れする時には魔力を消費しますが、中に入れたままにしておく限りでは魔力は消費しないみたい。


 わたしのアイテムボックスに入れるものの重さや大きさの制限はあるかどうかわかりませんが、わたしが持ち上げれないと入れれないようですね。

 なんかスペースは異常に大きいのでどれだけでも入りそうです。もしかしたらこのアイテムボックスの空間ってわたしの魔力の大きさと関係してるのかもしれません。

 とりあえず、大きさとか気にせず好きなだけ入れておいても大丈夫そうです。


 これはオーレリアン先生に教わった話で試してはいませんが、アイテムボックスには生物は入れられないようですね。そしてアイテムボックスの中では、入れたものの温度も鮮度も変化しないので、食べ物を入れておいても大丈夫らしいです。熱々のお料理も入れたまま取って置けるみたいですけど、出し入れの時やけどしないように気をつけないとね。

 オーレリアン先生のところでいつもお菓子が豊富なのはなんでもアイテムボックスで保管しているからのようです。

 貰い物がまだまだずいぶん入れてあるようですので、これからもたくさん食べちゃいましょう。 

こっそりタイトル変えました。詳細は活動報告にて。

もう少しインパクトが欲しいので、また変えるかもしれません。

いいアイデアがありましたら、感想や活動報告のレスなどでお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ