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第四章  第六話  海王国編4

シーサーペントの解体後の宴会から一夜明けた。霜葉たちは子供たちに泳ぎを教えている浅瀬で今後について悩んでいた。


理由は先のシーサーペント戦だ。あの戦いは大和が助けてくれなければルナが最悪死んでいたのだ。この海王国と言うか海で活動するのなら、大和のように海でも戦える者やルナのように海でも問題なく戦える魔物を仲間にすることを強く感じているのだ。


悩んでいた霜葉にいつものごとく現れて懐く魔物が居た。スモールドルフィンと言う小さな可愛いイルカさんだ。彼は強くなりたい気持ちが強く、霜葉は彼と彼の同族13人を仲間にすることに。


ただ、そのことは島の人たちに見られているので霜葉は表向きの理由として、海王国の旅にしか大和を連れていけないので同じ仲間を増やしたと説明した。実際は問題ないのだが。


それらをした翌日。霜葉たちは冒険者ギルドへと向っていた。前にギルドマスターのミモザと言う知的な女性から買い取ってもらいたい素材がありましたら是非にと言われたので向っている。


シーサーペントの解体作業での協力者への報酬は、その後の宴会でふるまったシーサーペントのお肉で問題なかったが、お世話になったのでせめて冒険者ギルドには何かしらのうまみがないとと考えたのだ。


「オウソウハ! 昨日はありがとうな!!」

「楽しい宴会だったぜ!」

「久しぶりにうまい酒だった! ありがとうな!」


冒険者ギルドに入ると昨日の宴会で騒いでいたであろう冒険者たちが霜葉を見つけて次々とお礼を言ってくる。中には解体作業で収入を得て助かったと言ってくる者も。


「ソウハさん大人気ですね~」


受付嬢にもこんなことを言われた。


「とりあえず、今日は僕が持っている魔物の素材を売りに来ました」

「わぁ! それはありがとうございます! 最近海での狩りがなかなかなくて収入に困っていたんですよ!」


気になり訳を聞いてみると以前にあった大嵐で魔物も大移動してしまったらしく、ここ最近の海王国は平和だったと言う。大嵐の被害も物くらいで国としてはよかったが、冒険者からしたら死活問題だった。


「海王国の冒険者さんたちはそれでも腐ることなく、島の雑用依頼なんかをしてくれたんですが・・・」

「全部終わらせてしまったと?」

「そうなんですよ~」


実際にこの冒険者ギルドの依頼ボードはすっからかんである。依頼書が一枚もない。


「海王国の冒険者は海での狩りが基本ですか?」

「ええ。あとは島の発見と開拓なんかもやりますね? 海王国は大小さまざまな島がありますが、大部分は手つかずで中にはダンジョンがある島もあるのでそう言うのを探している船持ちの高ランク冒険者も居ますよ」


海での狩りは霜葉たちにも難しいから、大和に乗せてもらって島の発見を主にするべきかと霜葉は考えた。


情報収集と言う名の雑談を終わらせて、いくつか余分にアイテムボックスにある魔物素材を数は少なめ種類は多めで買い取ってもらうことに。


種類が多くいくつかお肉もあることに受付嬢は喜んでいる。海王国にとって魚介類以外の食料は貴重であり、特にお肉はとても人気が高いが、生肉ではなくほとんどが保存を考えた干し肉が主だ。


そのため霜葉が買取に出した生肉は海王国ではとても価値が高い。実際に買い取り額は金貨八枚と結構な額となった。


余談だが、この生肉は冒険者ギルドが売りに出すとすさまじい高値を叩きだした。後日に霜葉に追加料金として金貨五枚を支払うことになるほどに。


買取を済ませた霜葉は今度は港に向かうことに。港に居るであろう大和に武蔵、それと武蔵とその群れと仲良くなるために港に残った鈴蘭の様子を確認しに。


そう思って港に向かった霜葉たちだったが、漁師たちは結構忙しそうだった。


「よおぉし!! おまえら!!! 今日も大物を捕まえるぞ!」

「「「「へい!」」」」

「昨日と一緒だ! ソウハのヤマトがいる間に大物を捕まえるぞ! 小物には用はねえ!! 大物以外は逃がすんだぞ!!」

「「「「了解でさ!!」」」」


何やら漁師たちが燃えていた。近くに居た深夜に漁に出ていた漁師が捕ってきた魚介類を売っているおばちゃんに話を聞くと・・・・


「ああ! 漁師たちはアーケロンがいる間に大物を捕まえるとやる気になってるのさ」

「大物ですか?」

「そうさね。アーケロンのような大型のカメの魔物がいるとほかの魔物たちも大人しいんだよ? そのおかげで普段は住処から出ない大きな魚介類も泳いでてね? それらを漁で捕まえる絶好の機会ってわけさね」

「なるほど・・・情報ありがとうございます。そこの大きな貝をあるだけ買い取ります」

「おお!! 剛毅だね!!! ちょっとおまけするよ?」


霜葉の注文に気をよくしたおばちゃんはさばいていた中型の魚の三枚おろしもおまけに付けた。おばちゃん曰くこのサイズが今日はいっぱいあるから腐らせるよりいいんだとか。


そう言うことならと霜葉はいくつかの港の店を回り、新鮮な捕れたての魚介類を大人買いすることに。実際に店を回るとかなり大きな貝やエビなど、大量に売られていたのでどんどん買い込む。


店側も大口のお客が出来てニコニコである。さらに霜葉に付いて来てる十六夜もニコニコである。元はネコなので魚介類は好きなのだ。白夜も嬉しそうではあるが十六夜ほどではない。


ほとんどの店で大量に買い込んだ霜葉。店側も霜葉の【アイテムボックス】が普通のスキルではないことに気付いている。昨日のシーサーペントの解体で詳細はわからずとも霜葉が無駄にする買い物をするとは思っていない。


そろそろお昼なので港の端っこでお昼に海鮮バーベキューでもしようかと武蔵と鈴蘭を探していると、港の一画で子供や女性が集まっていた。


「「「かわいい~」」」

「パウ~♪」

「「「きゅ~」」」

「「「「「きゃー!」」」」」


子供たちはニコニコ顔の鈴蘭を抱き上げて撫でており、女性たちは恐々彼女たちを見つめるイルカたちに黄色い悲鳴を上げている。


まぁ、ある意味いつもの光景と言える。霜葉が彼らにそろそろ食事にしたいと伝えると女性陣は家や職場に戻り、子供たちは一緒に食事をどうかと誘った。


子供たちと武蔵たちにふるまうため霜葉はアイテムボックスからバーベキューセットを取り出して、まずは魚以外の魚介類を焼き始めた。


エビや貝にカニなどだ。カニも普通に食べられているようだが、地球のように高級食材と言うわけではないらしい。姿形から遠慮する人がいるようだ。実際にふるまう子供たちの中にもカニに対して微妙な顔をしている者が居た。


それならそれで全然かまわないが。霜葉としてもカニを思う存分食べたいし、十六夜や鈴蘭に大和たちにも焼いた魚介類を食べさせてあげたい。独占するつもりはないが。


と言うわけで、エビやカニは塩を振り貝はバターを乗せて醤油を何滴か垂らす。するといい匂いが周りに広がり休憩中の漁師や港で働く人たちが注目しだす。


「なんだ? この食欲を刺激するいい香りは!」

「腹が空いてくるぜ・・・」

「いい匂いだね~バターの焼いた匂いはわかるけど、それだけじゃあないね?」

「んん~素晴らしい匂いだ!」


とりあえず子供たちや白夜たちに焼きあがったものを渡してゆく霜葉。


「「「おいしい~!!」」」


子供たちは大喜びで食べている。一方初めて焼いた魚介類を食べた鈴蘭と大和たちは・・・・


『おいしいの~!』

『な、なんだこれ!? そのままで食べたのとは全然違うだぞ!?』

『『『『おいしい!!』』』』


鈴蘭はニコニコ顔で食べて、大和たちは初めての料理に驚いている。それらを見ていた港の人々はのどを鳴らして涎を垂らす。さすがにかわいそうになったので追加で焼いていた貝を渡すことに。


「ありがとうソウハ」

「う~ん! 目の前で嗅ぐとまた格別だな!」

「なんだこれ! 初めての味だがうまい!!」

「いいねこりゃ! バターと醤油って合うんだね!」

「それも驚きだけど焼いた醤油の香ばしさもスゴイ!」

「醤油のこんな食べ方は初めてだよ!」


どうもこの島で造られている醤油や味噌の食べ方は、汁物に使うくらいで調理に使用することはなかったようだ。その後は次々と匂いに誘われてやってくる島民に料理をふるまった。




それからの霜葉たちは港の仕事を手伝うことになった。霜葉の料理に腕を見込まれて、港の食堂で働いてほしいと漁師たちに頼まれたのだ。


そしてこれがいつものごとく有能さを発揮した。霜葉の調理は素晴らしく魚の処置も早く適切。さらに付与魔法術でいつも以上に働ける港の人々。怪我をしても霜葉がいるのですぐに回復。


白夜は氷魔法術で氷を大量に生産し、港の人たちは大助かり。十六夜は漁師が捕ってきた大物が暴れた場合の押さえ要員として活躍した。弱めの電撃を身体に纏って触れるだけでおとなしくなるので。


新月たちと金剛一家は魚の運搬に活躍。両者ともに息の合った連携で次々と運んで行く。ルナと鈴蘭に武蔵たちは子供たちの遊び相手。泳ぎを教えている場では緊急時のお助け要因としても活躍。


さらには霜葉は買い物でも上客扱い。港の市場で大物や大量に捕れたエビや貝などを大量に買うので市場のおばちゃんは大助かり。売れ残れば保存食として干物やひと手間加えるだけなのだが、やはりその日のうちに売れるのであればその方がいいのだ。


そんな日々を過ごし、シーサーペントの干し肉も完成。そのため霜葉たちはいよいよ海王国を本格的に旅することにした。港には霜葉の見送りにたくさんの島民が来てくれた。


「ソウハ殿。いろいろ世話になったな」

「いえいえ。こちらとしてもすごく充実した毎日でした」

「はっはっは。そう言ってもらえると島の代表として嬉しいよ」


さすがに全員が話しかけると時間がかかるため、島を統治しているトルドーが話している。


「世話になったお礼にこれを受け取ってくれないか?」

「これは?」

「私の知り合いだと言う保証書だ。何かトラブルや困ったことがあればそれを使ってくれ」

「いいんですか?」

「うむ。君には息子が助けてもらったし、シーサーペントの解体やその素材。さらにはこの島での沢山の買い物はこの島にとってすごく助かることばかりなんだよ。そのお礼としてこんなことくらいしかできないのは残念だが・・・」

「いえ、助かります。大和で旅をする以上目立ちますから」


カメの魔物にケンカを売る国民はいないだろうが、何かしらトラブルになることはあるだろう。そう言う意味ではこの保証書はありがたい。


「では皆さんもお世話になりました!」


最後に霜葉は集まってくれたと島民に大きな声であいさつし、それに島民たちも思い思いの声で答えた。


それらを聞いて心があったかくなる霜葉たち。挨拶も済ませて大和の甲羅に全員が乗り込み、海王国の旅を始める霜葉たち。

次回更新は未定です。

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