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第四章  第五話  海王国編3

海王国へと向かう航海でシーサーペントと言うかなり強い魔物と遭遇戦になった霜葉たち。霜葉とルナの活躍で何とか善戦していたが、あわやルナが食べられそうになった。


そんなピンチを救ったのは商王国で出会った大型のウミガメの魔物であった。そのままその魔物はシーサーペントと戦い倒すことに成功した。


そのウミガメの魔物はアーケロンと言う海の守護者とも呼ばれているそうだ。霜葉に懐いたアーケロンはその場で霜葉のテイムを受け入れて仲間となる。


大和と名付けられたアーケロンのおかげでその後の航海は順調そのものだが、霜葉や主だった仲間たちはシーサーペント戦の苦戦を重く受け止めた。だが、現状解決策がないので大和のように海でも全力で戦闘できる魔物を仲間にすることを積極的になることに。


それから無事に海王国の島へとやってくることが出来た。倒したシーサーペントを丸々保存できた霜葉の【アイテムボックス】に驚かれたが、大物の解体を島の住民と協力して行うことに。


とりあえず主だった肉や皮の処理が終わって、宴会を行い結構な賑わいとなる。霜葉が提供したシーサーペントを焼いているのも影響しているだろう。霜葉も楽しみながら島の代表であるトルドーから素材の取引の話で彼の家に宿泊することが決まった。


その翌日。霜葉たちは豪華な客室の大きなベットで目が覚めた。シーサーペントの件で大変感謝されているらしくかなり上等な客室を使わせてもらっている。霜葉の周りには大きなベットであるから白夜たちも余裕で寝ることが出来ている。


「クォ~zzz」

「ガァル~zzz」

「ぐぅ~zzz」

「まぁ~zzz」

「ぐる~zzz」

「「「「「モグ~zzz」」」」」


全員が丸まってベットの上で寝ている光景はモフモフ好きなら羨ましがること間違いなし。なお、ルナはベットではなく枕もとの枠に掴まって器用に静かに寝ていた。


皆を起こして、霜葉は昨日に簡単に案内された食堂へと向かう。すでにトルドーとティルグノ船長も席に座っており、霜葉も席に座る。白夜たちは霜葉の近くの壁際で待機。


「おはようソウハ殿。よく眠れたかね?」

「おはようございます。ハイもうぐっすりと。いい部屋を使わせてもらい感謝します」

「何、君がしてくれたことを思えば当然さ」


トルドーと簡単に話をしてティルグノ船長とも朝の挨拶を交わすと朝食が運ばれてきた。


その朝食は霜葉にとって久しぶりに目にする和食だった。白いお米にお吸い物。干物にお浸しと完全に和食だった。


味は少々濃い気がするが、それでも問題ないレベルだ。何より久しぶりに和食を食べれたことに霜葉は感動している。


「我が国の食事は気に入ってくれたようだね?」

「はい。僕の故郷に近い味付けでしたので」


本当は近いなどと言うレベルではないが、そう言うことにした。その後は他愛無い世間話で食事を終えた。なお、白夜たちはそれぞれに合った食べ物を作ってもらった。


白夜と十六夜にルナはお肉を。新月たちはフルーツドライの詰め合わせ。これに関しては確実に余るので残りはもらうことに。新月たちも気に入ったようなので。金剛一家は新鮮な野菜を。実においしそうに食べていた。


食事を終えた霜葉たちは町へと買い物に出かけることに。少なくともコメを買えるだけ買うのは決定事項だからだ。町の人たちに尋ねてコメを売っている店で買えるだけ買うと店の主人から感謝された。


「いや~ありがとう。今期のコメは豊作でかなりの在庫があったんだよ。このまま売れ残るかと覚悟してたんだ」


そう言われた。その後に雑談になるのだが、霜葉はここに来る途中で港が活気づいているのが気になり尋ねることに。その答えはと言うと・・・


「ああ、それは今が漁をするうえでは最高のタイミングだからだよ」

「そうなんですか?」

「なんせアーケロンが島に居るからね。 あの子が島に居る限り危険な魔物は島の周辺には近づかないし、魚たちもそれに気付いているから住処から出てくる。それを漁師たちは狙っているのさ」

「へぇ~」

「それとは別に子供たちに海で泳ぎを教えるのもやっているよ。理由は漁と同じで安全だからね」


最後にそんなことを聞いた霜葉はちょうどいいと考えて、店主に場所を教えてもらいお礼を言って泳ぎを教えている場所へと向かった。


そこは砂浜であり波も穏やかな絶好の海水浴場だった。現在そこでは小さい子供から中学生くらいの子供たちを中心に大人たちが泳ぎを教えている。と言っても堅苦しい感じではなく、遊びもかねて教えているようだ。


実際、子供たちは泳ぎながら追いかけっこをしている。霜葉は波打ち際で子供を監視している姉御と呼びたくなる長身の女性に話しかける。


「すいません。ちょっといいですか?」

「ん? おおあんたか! あんたのおかげで港も連中は大忙しで嬉しい悲鳴を上げてるよ! ありがとうな!」

「いえいえ。お声がけしたのはこの子達も泳ぎに参加させたいんですよ」

「この子達をかい? そりゃまたなんでだい?」


長身の女性はそう言って白夜たちを見渡す。魔物に泳ぎを教える必要があるのか疑問のようだ。


「僕たちは海王国を旅したいので、海での戦闘は避けられません。その最中にこの子達が海に落ちた場合を考えて、最低でも海と言う場所に慣れさせたいんですよ」

「ああ~なるほどね~。 確かに海に慣れていないと落ちた時に混乱して溺れちまうか」

「ええ。それを懸念してまして」

「まぁ、理由は納得したよ。もともとだれでも参加できるし、問題ないよ」

「ありがとうございます」


そう言うこととなり白夜たちも海で泳ぐことに。と言っても白夜と十六夜に鈴蘭は問題なし。白夜は犬かきで余裕で泳ぎ、十六夜も白夜の泳ぎ方を早々にマスターする。鈴蘭はもともと海が生活の場なので問題などない。


苦労したのは新月たちと金剛一家だ。この子達はそもそも海どこらか水の中で泳いだ経験がなく、まずは水に慣れることから始めて波打ち際で海水に触れたり、お互いに水を掛け合いながら遊ぶことに。その際に海水が口に入り、しょっぱさに顔をしかめたのはお約束だ。


「ぐぅ・・・」

「まぁ・・・」

「ぐる・・・」

「「「「「モグ~・・・・」」」」」


そんなことを続けて海水に慣れたころに今度は海に浮く訓練だ。これには皆早々に慣れて海でクマやモグラさんが浮かんでいる摩訶不思議な光景が出来上がることに。


その後は何とか海で泳げるようになれた。ルナ以外は。ルナの場合は海には慣れたが泳ぐことが難しかった。まぁ、海鳥や水鳥でもないフクロウが泳げるかと言われれば首を傾げるだろうが。


結局、ルナは泳ぐことを諦めて現在は子供たちが島を離れすぎないように上空で監視中。白夜たちは子供たちと仲良く追いかけっこしたり、小さい子達と波打ち際で海水の掛け合いをしている。


(とりあえずこれで最悪の事態は回避できるかな? まだまだ安心はできないけど。とにかく大和のように海で戦える子達を探さないと)


その様子を見て海水につかりながら霜葉はそう考えている。そんな最中に何やら後ろの足下から突かれる感触が。魚でもいるのかと後ろを振り返ると・・・・


「きゅきゅ♪」


すごく小さなイルカさんが居た。そのイルカさんは地球の水族館で見るイルカよりももっと言えばイルカの赤ちゃんよりも小さい。デフォルメチックな小ささと言えばいいのか。そんなイルカさんだが現在霜葉に体をこすりつけている。


「きゅっきゅっきゅ~」


これに関してはいつものことだ。そのイルカさんは腹部分は白くそのほかの部分が暗めの赤で紅色と言えばいいか。そのような見た目をしている。


「おーい、ソウハなにやってんだい?」

「あー! かわいい子がいる!」

「ほんとだ!」

「あれ? この子って・・・」


小さなイルカさんを眺めていると霜葉の様子から心配になり近づいてくる女性と子供たち。


「あ~すみません。なんかこの子に懐かれちゃって」

「きゅ~・・・・」


そう言ってイルカさんを紹介しようとすると、そのイルカさんは霜葉の後ろに隠れてしまう。霜葉以外の人が怖いようだが、それでも霜葉のそばから離れることはしないようだ。


「おや? 珍しいね? こいつが逃げずに誰かに懐くなんて」

「知っているんですか?」

「ああ、島の周辺に住み着いている子だよ。ただ、すごく臆病みたいでね? こっちに気付くとすぐに逃げ出すんだよ」

「私たちでも逃げるよ~」

「可愛いのにいつも逃げられるの」

「こんなに近くで見たのは初めてだよ」


そんなだから危険はないと判断され長年放置されたようだ。子供たちは気になっていた相手が近くに居るので興味津々だ。


「きゅ~」

「「「かわいい~」」」


そんな状況でイルカさんはますます隠れてしまう。もっとも霜葉の後ろでは完全に隠れられないが。しかも、怖がっていても好奇心は強いのか片目で覗いている。その姿が可愛らしく子供たちは興奮気味だ。


とにかく心配するような事態ではないようなのでと女性は離れていった。子供たちも気にはなっているようだが、怖がらせてまで触ろうとは考えていないようで白夜たちと遊ぶために離れた。


『え~と、君? みんな離れていったよ?』

『よ、よかったんだぞ。あれ? この声誰なんだ?』


ちょうどいいタイミングなので霜葉は今も自分にくっついているイルカさんに【思念会話】で話しかけることに。


『ああ、これは僕のスキルで君に話しかけてるんだよ』

『そ、そうなのか! お兄さんすごいんだぞ!』


そう言って、キラキラした目で霜葉を見上げるイルカさん。なんというかすごくこそばゆく思う霜葉。性別は違うが鈴蘭と一緒ですごく純粋な子のようだ。


『お兄さんどうしたの~?』


そこへ鈴蘭が気になったのかやってきた。先ほどまで子供たちと触れ合っていたのでニコニコである。


『鈴蘭。かわいい子に懐かれちゃってね?』

『かわいい子?』

「きゅ~・・・・」


鈴蘭に紹介しようとするが、イルカさんはまたしても霜葉の後ろに隠れてしまう。


『大丈夫だよ? この子は僕の仲間でいい子だから』

『仲間?』

『そうなの! あたしスズラン! よろしく~』

『よ、よろしくなんだぞ・・・』


鈴蘭におっかなびっくり自己紹介をするイルカさん。しかし、ニコニコ顔の鈴蘭に緊張する必要はないと考えたのかすぐに隠れるのをやめて近づく。


「きゅ~」

「パウ♪」


そして出来上がったのは可愛いイルカさんとアザラシさんが体をこすりつけあう光景だ。


『ところでお兄さん、仲間ってどういうことなんだ?』

『僕のスキルに魔物を仲間にすることが出来るんだよ。それと仲間を強くするスキルもあるよ?』

『そ、そうなのか! だったら俺も強くなりたいんだぞ! 仲間にしてほしい!』


そう言ったイルカさんはさきほどまでの弱弱しい雰囲気を消して、何やら確固たる決意が見え隠れしているように霜葉には見えた。


『仲間にするのはいいけど、どうして強くなりたいんだい?』


気になったので強くなりたい理由を尋ねることにした霜葉。


『おいらの両親はおいらを助けるために魔物の囮になったんだぞ・・・そのおかげでこの島に辿り着いた。この島周辺には同じような同族がいっぱいいるんだぞ。彼らと助け合いながら今日まで生きてきたんだ。でも・・・そんなことがいつまで続くかわからないだぞ・・・だから、強くなりたいんだぞ! 強い魔物相手に臆することなく立ち向かった両親みたいに! 今度はおいらがだれかを守るんだぞ!!』


その内容は気軽に聞くようなものではなかった。霜葉はそのことを反省するとともに聞くことが出来てよかったとも考えた。


『同族ってことは群れなのかな?』

『そう言うわけじゃあないんだぞ? 群れで生活するような場所はないだぞ? でも、助け合ってるんだぞ』


一種のコミュニティのようなものかもしれない。それならばと霜葉はこの時点で彼と彼の同族をまとめて仲間にすることを決めた。


『わかったよ。君とその同族たちを仲間にするよ』

『ど、同族たちもいいのか!?』

『うん。ただし、条件としてその同族たちの群れのリーダーは君がやってね?』

『お、おいらが?』

『そうだよ。君に向いてると思うよ?』

『わ、わかったんだぞ! 同族たちを誘ってくるんだぞ!!』


そう言ってイルカさんは泳いで行った。さすがに何体の同族が居るかはわからないが、話している間に確認したあの子のステータスを見る限りでは何体でも問題ないだろう。



  名:  なし  


 種族: 【スモールドルフィン♂Lv4/10】


スキル: かみつきLv3 : 尻尾Lv3 : 高速水泳Lv5

   : 統率 : 連携


 高速水泳

小回りよりもスピードに高い補正があるスキル。


 統率

群れの統率者に向いている者が持つとされる複合スキル。



どうもこの統率はかなりすごいスキルのようで群れを持っているなら役に立つスキルが複合されている。群れの状態が正確にわかったり、指示が絶対に聞こえたり、自分に従わない者を見抜いたりなどなどかなりの有用スキルだ。


『主殿。なかなか良い者がおりましたな?』

『そうだね。ちなみにあの子の種族って・・・』

『海の魔物の中では最も弱いと言ってもいいでしょうな。ただ、なかなか可愛い魔物なのでわしの生前はペットに人気でしたな』

『なるほど。わかる気がするよ』


実際に彼は可愛い外見だ。ペットにしたい貴族はさぞ多かっただろう。その後は霜葉も子供たちに泳ぎを教えて過ごし夕暮れマジかになってきたところで・・・


『お兄さん! 仲間になってくれる同族が集まったぞ!』

『『『『よろしくお願いします!』』』』


霜葉の目の前の海には可愛い小さなイルカさんが沢山いて、何人かは霜葉にすり寄り懐いている。お約束だね。ちなみに最初に会っている子を合わせて14人いるようだ。


『じゃあ、いくよ? 【テイム】』

《【スモールドルフィン♂】のテイムを確認。その個体を慕う複数の同族を確認。【軍勢の魔王】の効果で群れ認定。群れすべての【テイム】を実行・・・成功しました。テイム総数80人を確認しました。条件達成、【箱庭世界】がLv8となります》

『す、すごいぞ! 力があふれてくる!』


いつもと違う内容のアナウンスと【テイム】したことで力が増したイルカさんたちは興奮しているようだ。


『これから君の名前は武蔵だ』

『うん! わかったんだぞ! おいらは武蔵だ!!』


名前を付けてもらえて武蔵は喜んでいる。外見とは合っていない名前だが、口調と強くなりたい気持ちを考えて付けた名前だ。意外と似合っている。


『それと僕の後ろに居るのが、仲間だよ? 他にもいるけどおいおい紹介するね?』

『よ、よろしくなんだぞ!』

『『『『『よろしく!』』』』』


挨拶を済ませると、全員が浅瀬で交流として触れ合っている。なんとも不思議な空間の出来上がりである。


さらに大和を紹介するために港へと向かう霜葉たち。武蔵たちはもちろん海から向かうが。その港では大物の魚を大量に捕った漁師たちが喜びあい、大和のお礼を言っていた。大和も嬉しそうだ。


「クワ~!」

「「「「きゅ~」」」」


そしてすぐさま仲良くなる大きな亀さんとイルカさんたち。なかなかほっこりする光景に漁師たちも自然と笑顔を浮かべる。


「しかし、なんでまたあいつらを仲間にしたんだ?」

「さすがに大和だけでは寂しくなると思うので、彼らも仲間にしたんですよ。大和は海王国しか連れていけませんから」

「「「「ああ~」」」」


漁師たちに表向きの理由を説明する霜葉。全員がその理由に納得した。その後は大和と武蔵たちに別れを言って、領主の館へと戻ることに。

次回更新は未定です。

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